野球

東洋大・佐藤都志也 ロッテから2位指名、母に二つの誕生日プレゼント

指名会見で笑顔を見せる佐藤

10月17日、東洋大学硬式野球部主将・佐藤都志也(4年、聖光学院)は4年前の悔しさを晴らした。プロ野球ドラフト会議で佐藤は千葉ロッテマリーンズからドラフト2位指名受けた。高校時代の指名漏れから4年、プロ野球選手になるという幼いころからの夢をかなえた。

ドラフト当日、母に白星とプロ指名をプレゼント

ドラフト会議当日、東洋大は朝9時から東都大学野球秋季1部リーグ戦の國學院大2回戦を戦っていた。試合は攻守がかみ合い、8対3で勝利。福島県から神宮球場へ駆けつけた母・まり子さんはこの日が誕生日だった。「00:02に都志也から『誕生日おめでとう』ってLINEが入ってました。昨日も今日も大活躍してくれて、うれしかった」と笑顔。佐藤の4打数2安打2打点の活躍は、まり子さんへの一つ目の誕生日プレゼントになった。

10月1日の秋季リーグ戦、家族や親戚が観戦に訪れた際の写真。左端が母のまり子さん

試合終了から約5時間後、佐藤は東洋大学白山キャンパスの125記念ホールに緊張した顔つきで入場した。杉本監督や硬式野球部の同期、家族や親戚、多くの報道陣が見守る中、指名を待った。1巡目の指名が終わり、2巡目に。「千葉ロッテ 佐藤都志也 捕手 東洋大」と名前が呼ばれると、佐藤の顔がゆっくりとほころんだ。ここまで支えてくれた人たちや指名してくれた球団への感謝の気持ちから、笑顔で頭を下げた。指名後の会見では「今日、母が誕生日なのですごくいい誕生日プレゼントを渡すことができたのかなと思ってます」と話した。まり子さんにとって最高の二つ目の誕生日プレゼントになったに違いない。

4年で成長、捕手でベストナインにも輝く

聖光学院高時代も佐藤はドラフト候補としてプロ志望届を出したが、当時は名前が呼ばれることはなかった。東洋大での成長を誓って過ごしたこの4年間。2年から打撃を買われて一塁手でスタメンの座につくと、3年からは正捕手へ。上茶谷大河(現・横浜DeNAベイスターズ)、甲斐野央(現・福岡ソフトバンクホークス)、梅津晃大(現・中日ドラゴンズ)らや左腕にも好投手がひしめく、東洋大の投手黄金時代の女房役になった。今春は捕手としては初めてのベストナインも受賞した。

日米大学野球でキャッチャー陣と。左から時計まわりに佐藤都志也(4年、東洋大)、古川裕大(3年、上武大)、郡司祐也(4年、慶大)、海野隆司(4年、東海大)

指名会見後、佐藤は聖光学院高時代の恩師・斎藤監督と電話をしたという。「おめでとう。2位だけどキャッチャーとして1番に呼ばれたのはお前だから、そこは自信持て」と言われたという。今年の大学生捕手は豊作と言われ、東海大の海野隆司(4年、関西)や、慶應義塾大の郡司裕也(4年、仙台育英)らはよきライバルだった。同じパ・リーグで指名された海野に対しては「海野より先に試合に出たい。出ます」と闘志を燃やしている。捕手としてプロの世界に挑む佐藤がタテジマのユニフォームに袖を通し、千葉の地から風を吹かせる。

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