マラソンの大迫傑が学生と合宿へ「大学の枠を超えて集まることが世界への近道」
東京オリンピック男子マラソン代表で日本記録保持者の大迫傑(ナイキ)が拠点の米国で15日(日本時間16日)、オンライン会見を開いた。オレゴン州ポートランドを拠点としている大迫は新型コロナウイルスの影響について「普段から1人で練習しているし、練習がおろそかになったことはないように思う」。米国は感染者数の増加が激しいが、「住まいが中心街から離れていることもあり、怖さを感じることはない」と話した。
コロナ禍のもと、新しいものに挑戦しようという気持ちがわいた、という。8月に日本の大学生10人ほどと短期間の合宿をする計画も披露した。「僕自身は早稲田大学にいましたけれど、3年、4年目は練習相手に困りました。そういう時に大学の枠を超えて集まれるチームがあれば、より世界を目指すための近道になるんじゃないかと思って走り出しました」
オリンピックを控えたこの時期になぜ、という疑問もわく。「背中を見せることが大事」と大迫は言う。
「指導をするということもありますが、僕らトップアスリートがオリンピックを前にどんな激しい練習をして、どういう姿勢で競技に取り組んでいるのかを大学生たちに知ってもらいたい。それは引退してからは無理だと思っているので」。むしろ、今だからこその挑戦になる。
10選手程度、参加条件など詳細はSNSなどで発信
「今までそういうチームがなかったことが不思議なくらい。決して日本の実業団や大学に疑問があるわけではなくて、一緒に協力し合って日本を強くしていこうという考えです」。参加条件や場所などの詳細は後日、SNS等で発表する、という。
大迫は今年3月の東京マラソンで日本勢トップの4位に入り、2時間5分29秒と自身の日本記録(2時間5分50秒)を更新して東京オリンピック日本代表の3枠目を引き寄せた。その東京オリンピックは来夏へ延期になったが、「何としてでも開催して欲しいという気持ちはないことはないけれど、そこまで強くない。開催できなければ、また次の目標に向かってやるだけ」と冷静に心境を語った。