法政大サッカー部が誇る守護神・中野小次郎 特別指定選手として北の大地で奮闘
1月に行われる全国大会出場権をつかむため、法政大は予選となる「アミノバイタル®︎」カップに臨んだ。尚美学園大、拓殖大を撃破し、準々決勝で東洋大と対峙。しかし、延長戦に突入した激闘を制することができず2-3で敗戦し、順位決定戦へと回ることとなった。負けることが許されない順位決定戦、迎えた立正大戦では、61分に背負った1点に泣き、無念の敗退となった。
北の地で奮闘する守護神
ちょうど同じころ、遠く離れた北の地で奮闘していたのが、法大が誇る守護神、中野小次郎(4年、徳島ヴォルティスユース)だ。昨年10月にJ1コンサドーレ札幌に内定し、今年2月に特別指定選手に認定された。
9月26日の明治安田生命J1リーグ、ヴィッセル神戸戦でプロデビューを果たすと、10月3日のJ1リーグ、ベガルタ仙台戦でも先発出場。加入が内定したちょうど1年前にはJリーグYBCルヴァンカップに出場することが目標と語っていたが、思いがけず巡ってきたリーグ戦出場について、「コロナの影響でレギュレーションが変わったことによって自分にもチャンスがあるのではないかと準備をしてきたこともあって、緊張でガチガチということもなく臨めました」と振り返る。
普段は物静かな印象を受ける中野だが、仙台戦ではフリーキックを止め思わず吠える姿も見せた。「自分の持ち味である足下の部分や、つなぎの部分に関しては、通用するという感覚がありました」。2試合でチームは7失点という結果にはなってしまったものの、プロの舞台で戦うことで、自身の武器について、何物にも代えがたい確かな手応えをつかんだ。
信頼して任せられる後輩たちの存在
そんな中、気にかけているのが、法大で中野の不在を埋めようと奮起する後輩GKたちの存在だ。大塚紀人(3年、三菱養和ユース)、近藤壱成(2年、ジュビロ磐田U-18)、中川真(1年、徳島市高)らが関東リーグのメンバーとなり法政大を支えているが、安心して任せられるのには理由がある。
「札幌に行く前に近藤から『コジくんが帰ってきてもポジションがないくらい頑張るので、思い切ってやってきてください』と言われて、やっぱりそう言われれば後輩たちに任せられますね。逆に僕が頑張っているのが彼らの刺激になればいいなと、温かく見守っています」。信頼して任せられる後輩たちの存在が、Jリーグという大舞台に気兼ねなく臨める要因となっている。
思い描く理想のGK像とは
今、思い描くGK像はチームを勝たせられる守護神だ。200cmの身長への注目は強く感じている。またその注目に対してありがたいと感じながらも、持ち味である足下の技術を見てほしいという思いもある。
現代のGK的な能力と長身を兼ね備えることに対しての高い評価も得ている。しかし、GKの本質であるシュートストップに対してのこだわりも捨てていない。
「GKの根本的な部分はシュートを止めてゴールを守るというのがメインだと思うので、そこで自分の能力を出せるのが理想というか、失点をなるべく減らして、かつチームを勝たせられるGKというのが理想ですね」と言葉を続ける。
即戦力として活躍するために、特別指定選手の今、どれだけ理想に自分を近づけられるか。規格外の守護神の将来性は無限大だ。