フィギュアスケート

特集:フィギュアスケート×ギフティング

全日本ジュニアアイスダンスV2、早大・西山真瑚「羽生選手の気持ち、少しわかった」

全日本ジュニアではお客さんの応援が力になった(撮影・浅野有美)

フィギュアスケートのアイスダンスで、全日本ジュニア選手権を2連覇した早稲田大学1年の西山真瑚(しんご、18)は、日本のアイスダンス界発展のために、応援者から支援金を募るスポーツギフティングサービス「Unlim」に登録しました。開始直後から多くの支援が届いています。今月、東京のアイスダンスカップルに声をかけ、リンクの貸し切り時間を確保し、一緒に練習しました。応援してくれた方への思い、今後の目標について聞きました。

◆バナーから選手に応援・寄付を送ることができます

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優勝のプレッシャー感じた

――11月下旬の全日本ジュニア選手権アイスダンスで2連覇を達成しました。

西山 2連覇できたことがすごくうれしいです。同時に責任も感じました。また、久しぶりにお客さんが入った大会だったので、演技のときに手拍子をしてくれたり、演技後も拍手やスタンディングオベーションをしてくれたり、お客さんの力が自分たちの演技の力になると改めて感じた試合になりました。

――2連覇して気持ちに変化はありましたか。

西山 羽生結弦選手をはじめ、トップ選手が優勝や連覇に対するプレッシャーに負けないように頑張るとインタビューで答えていますが、そのプレッシャーを感じる意味がちょっとわかるような気がしました。

――「Unlim」を通して多くの方から支援が届いているようですね。

西山 まさかこんなにたくさんの方に支援していただけるなんて、想像もしてなかったので、とても嬉しく思っています。「自分のスケートがすごく好き」「ノービスの頃から応援しています」などあたたかいメッセージがたくさんありました。その期待に応えられるように、また頑張らないといけないなと思いました。目標に掲げたことをしっかり現実に変えていきたいです。

――早速、目標だったアイスダンスカップルと練習する機会を設けていましたね。

西山 リンクの貸し切りを1時間とり、練習しました。夜遅い時間でしたが、東京のアイスダンスカップルに声をかけると6組12人の選手が来てくれました。こんなにも多くいるのだとびっくりしました。先日も2回目の貸し切り練習をしました。アイスダンスを日本でもっと盛んにしたいという目標がありますが、まずはここがスタート地点かなと。こうして貸し切りの機会を設けて、たくさんのカップルが増えていって、いい循環ができたらいいなと思いました。

「アイスダンスを日本でメジャーに」西山真瑚の夢
アイスダンスカップルに呼びかけ、貸し切り時間で一緒に練習した(提供・西山真瑚)

世界ジュニア中止、気持ちが迷子に

――新型コロナウイルスの感染拡大で世界ジュニア選手権が中止になってしまいました。

西山 世界ジュニアは今シーズンの大きな目標でした。全日本ジュニアが終わって代表に内定した直後に中止と知り、すごく残念でした。目標がなくなってしまうのは選手にとってとてもつらいことで、どこを次の目標に練習していこうか、気持ちが迷子になってしまいそうでした。今は、このコロナの状況ではではしょうがないと割り切り、前をむいて進もうと思っています。

――全日本ジュニア後はどう過ごしていましたか。

西山 週末のナショナルトレーニングセンターでの練習に加え、愛知でアイスダンスの強化合宿があり、ジュニアの僕たちも特別に参加させてもらいました。村元哉中(かな)、高橋大輔組や小松原美里、ティム・コレト組、深瀬利香子、張睿中組のシニアカップルと練習することができたのは刺激的でした。

――どんなことが勉強になりましたか。

西山 氷上以外のところでも先輩カップルを見て学ぶことが多かったなと思います。テクニカルなことも意見をぶつけながらもお互いをちゃんと尊重しあっている、根底に信頼感があることが感じられました。どのカップルも理想的なコミュニケーションの取り方をしていると思いました。

――11月末にはグランプリシリーズNHK杯がありました。アイスダンスには3組が出場しました。

西山 どの組もすごくいいカップルというか 見ている側が自然と魅入ってしまうような演技をしていたなと感じました。それぞれのカップルに個性があって、シニアの迫力、スケーティングの力強さ、表現力がジュニアの僕たちとは違うなと思いました。

全日本ジュニア選手権リズムダンスで演技する吉田唄菜、西山真瑚組(代表撮影)

高橋大輔選手の表現力がすごい

――アイスダンスに転向して1年目、デビュー戦となった高橋大輔選手についてどう感じましたか。

西山 高橋選手がシングルで培ってきたスケーティング力や表現力が、村元選手のアイスダンスの経験と融合して、すごく格好いいなと思いました。シングルで輝き、アイスダンスで2人になって、さらに輝いているように感じました。リズムダンスとフリーは全然違った曲調のプログラムだったのですが、そのキャラクターの違いを使い分ける表現力はすごいな、僕も身に着けたいと思いました。

またNHK杯の公式練習では多くのシングル男子選手が、村元・高橋組を見に来ていたと聞いています。男子選手がダンスに足を向けてくれることに少しうれしく感じました。さすが高橋選手の影響は大きいなと感じましたし、自分も微力ながらその流れのお手伝いができたらと改めて思いました。

――28日のメダリストオンアイスに出演予定ですね。応援してくださる方へメッセージをお願いします。

西山 いまのところお客さんが入る予定なので、自分たちもお客さんと一緒に楽しむことができたらと思います。今後の新型コロナウイルスの状況が予想がつきませんが、今自分ができることは、来シーズンに向けて準備を進めることだと考えています。自分たちが活躍することで、日本のアイスダンス界の環境づくりに貢献できるかなと思っています。これからも応援よろしくお願いします。

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