陸上・駅伝

順天堂大学の三浦龍司が日本選手権クロカン初制覇、先輩の松枝博輝と同タイム

順天堂大学の先輩の松枝博輝との競り合いを制した三浦隆司(撮影・ともに朝日新聞社)

第104回日本選手権クロスカントリー

2月27日@福岡・国営海の中道海浜公園クロスカントリーコース
男子10km
1位 三浦⿓司(順天堂⼤学)29分10秒
2位 松枝博輝(富⼠通)29分10秒
3位 今井篤弥(トヨタ⾃動⾞九州)29分16秒
4位 ⽥村和希(住友電⼯)29分17秒
5位 鈴⽊塁⼈(SGホールディングスグループ)29分18秒
6位 ⽥村友佑(黒崎播磨)29分20秒
7位 藤本珠輝(⽇本体育⼤学)29分21秒
8位 川瀬翔⽮(皇學館⼤学)29分24秒

終盤のデッドヒート

第104回日本陸上競技選手権大会クロスカントリー競走は2月27日、無観客の福岡・海の中道海浜公園で行われ、男子10kmで順天堂大学の三浦龍司(1年、洛南)が松枝博輝(富士通)にわずかに競り勝ち、29分10秒で初優勝した。正月の全日本実業団駅伝1区区間賞の松枝は同タイムの2位だった。3位には29分16秒の今井篤弥(トヨタ自動車九州)が入った。

三つのこぶが連続したり砂地を含んだりする1周2kmのコースを5周するレース。4周目までは先頭は大きな集団だったが、7km付近で三浦が前に出ると集団が散らばりはじめた。5週目で田村和希(住友電工)と友佑(黒崎播磨)の兄弟が一時先頭に出たが、最後は三浦と社会人で実績のある大学の先輩、松枝のマッチレースとなり、三浦が紙一重の差で勝った。

充実の大学1年目

「前半、先輩の背中を追い、勝負をかけられるところで、と思っていた。その通りの展開。余力があって力を振り絞ることができた。シーズン最初にいい形でいけた」と三浦。昨年、3000m障害で日本歴代2位の8分19秒37をマークし、箱根駅伝予選会のハーフマラソンでは1時間1分14秒の好タイムで日本選手トップでゴールした。全日本大学駅伝でも1区(9.5km)を27分7秒の区間新記録で駆け抜けた注目株。この1区でも残り300mで周りを一気に引き離している。

20年全日本大学駅伝1区では切れのあるスパートで区間新記録

「高校時代までは後半のきれはなかった。大学に入ってカバーできた」。脚力作り、バネを強化してきて、「それが発揮できてよかった」。昨年は高校生最後のレースとしてU20男子8kmを走って8位だった。順天堂大学内にクロスカントリーコースがあるのも成長に大きく貢献しているようだ。

洛南・三浦龍司、塩尻和也を追って順大へ 強さを求めて3000m障害も箱根駅伝も

東京オリンピックを視野に

正月の箱根駅伝でも1区(21.3km)を任されたが、超スローペースの想定外の展開になったこともあり、首位と31秒差で1時間3分31秒の10位と爆発力をみせられなかった。3000m障害での東京オリンピック代表を射程にとらえている。「まず、内定を決めて、日本記録を目指したい」。この結果を糧にさらなる飛躍を誓う。

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