野球

立正大学の桂川弘貴主将、立正らしさ全開で戦っていきたい 東都1部7校の激戦

立正大学の桂川弘貴新主将。打線の軸と期待される(立正大野球部提供)

東都大学野球春季リーグ戦が3月29日に神宮球場で開幕します。昨秋は下部への降格をなくしたため、今季、1部は7校による2回戦総当たりの勝率で競います。昨秋、1勝の差で2位に甘んじた立正大学は桂川弘貴新主将(4年、桐光学園)を中心に、「守り勝つ野球」のチームスローガンで2018年秋以来の優勝を目指します。

1勝届かずV逃す

昨秋、立正大は亜細亜大と最後まで優勝を争いながら、1勝の差で栄冠を逃した(亜大8勝2敗、立正大7勝3敗)。開幕週の亜大2回戦は延長タイブレークの末、11回にサヨナラ負けを喫した。この試合に競り勝っていれば、結果は違ったものになったかもしれない。今春も昨秋同様、勝ち点制ではなく2試合ずつの総当たり制で戦うことになる。

「全部勝つつもりじゃないといけないと思います。昨秋、2試合総当たりを経験して、1敗の重みを強く感じました。その1敗がなければ、優勝できていたかもしれない」と桂川は昨秋感じた1試合の大切さを強調する。

昨秋のレギュラーは4年生が中心となっていたため、野手陣は大きく顔ぶれが変わる。俊足・強打・好守の遊撃手・奈良間大己(3年、常葉大菊川)が今年も1番を打ち打線を引っ張ることになりそうだ。桂川はファーストを守り、クリーンアップを打つ。「奈良間が出てくれればチャンスになるので、自分がかえす、という責任感、あります。チームの勝ちを決められるような打点を挙げたいです」と桂川は自身の役割を話す。

奈良間ら走者をかえすのが役目(撮影・小川誠志)

立正大のチームスローガンは「守り勝つ野球」だ。昨秋も勝ち星を挙げた7試合のうち6試合は2点差の接戦を競り勝っている。2年間正捕手を務めた守備の要・立松由宇(日本生命)が卒業し、須藤悠真(4年、青藍泰斗)、中嶋良平(4年、関西)らがスタメンマスクを争う。他のポジションも、開幕までのオープン戦で激しいポジション争いが繰り広げられる。

三本柱一新の投手陣

糸川亮太(ENEOS)、渡部勝太(日本製鉄東海REX)、倉田希(SUBARU)の三本柱が卒業した投手陣は、3年生右腕の門馬亮(3年、藤岡中央)、4年生左腕の山本雅也(4年、広陵)が左右の両輪として期待を背負う。リーグ戦実績のある2人に加え、昨秋登板のなかった本格派右腕・田中裕人(4年、取手一)が大きく成長。立正大の新三本柱を目指す。

昨秋のリーグ戦終了後、3学年の部員全員の投票により桂川が新主将に選ばれた。「桂川は、優しくて周りへの気遣いができて、仲間からの信頼が厚いキャプテンです。野球に対して一生懸命で、取り組む姿勢がいい。昨秋までは試合出場が少なかったけれど、今年はスタメンで出てチームを引っ張ってくれると思います」と坂田精二郎監督は主将・桂川に大きな期待を寄せる。

部員一人ひとりと向き合いチームを高める(撮影・小川誠志)

チームをまとめていく上で、桂川は部員一人ひとりとしっかりコミュニケーションを取ることを大事にしている。「結果が出ている選手は当然やる気になっていますけれど、ケガをしている選手、なかなか結果の出ない選手というのは、どうしてもマイナスな考え方になってしまうじゃないですか。そんなときにひと声かけるだけでも違うと思うんです。みんなが野球に集中して目標に向かってひとつになれる環境を自分が作りたい。そこを意識しています」と桂川はその理由を説明する。

スタンドからの景色を再び

駒澤大学とのプレーオフを制しリーグ優勝、続く明治神宮大会も制し大学日本一を達成した2018年秋、当時1年生だった桂川はスタンドから先輩たちへ声援を送っていた。「ああいう舞台に自分も立ちたいです」と桂川は大学ラストイヤーの活躍を誓う。
チャンスのときには全員で盛り上がり、ピンチのときはそれを跳ね返すようさらに盛り上がる。「ベンチワーク、雰囲気、立正らしさを今年も出していきたいです。立正らしさが全開に出るときは点も取れるし勢いに乗るので強いと思うんです」と桂川は立正大野球部の見どころを教えてくれた。開幕から「立正らしさ」全開でリーグ戦に臨む。

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