サントリーやパナソニックなど5チームが全勝で後半へ、バレット得点王争い独走
トップリーグ順位と成績(全7節のうち第4節まで終了)
【レッドカンファレンス】(数字は勝ち点、2、3位、5、6位は得失点差などによる)
1サントリーサンゴリアス 20
2クボタスピアーズ19
3トヨタ自動車ヴェルブリッツ19
4NTTコミュニケーションズシャイニングアークス7
5東芝ブレイブルーパス6
6三菱重工相模原ダイナボアーズ6
7宗像サニックスブルース1
8ホンダヒート0
【ホワイトカンファレンス】
1パナソニックワイルドナイツ19
2神戸製鋼コベルコスティーラーズ 18
3NTTドコモレッドハリケーンズ12
4ヤマハ発動機ジュビロ11
5リコーブラックラムズ6
6キヤノンイーグルス5
7日野レッドドルフィンズ4
8NECグリーンロケッツ1
【得点ランキング】1ボーデン・バレット(サントリー)76点 2ナエアタルイ(神戸製鋼)45点 3ライオネル・クロニエ(トヨタ自動車)43点
【トライランキング】1ナエアタルイ(神戸製鋼)9T 2マロ・ツイタマ(ヤマハ発動機) 8T 3テビタ・リー(サントリー)7T
クボタ、トヨタ、神鋼も4戦負けなし
ラグビーのトップリーグ(TL)は雷で延期されていた2試合が20、21日にあり、レッドとホワイトの2組に分かれたリーグ戦を折り返した。4戦全勝はレッドのサントリー、クボタ、トヨタ自動車とホワイトのパナソニックと神戸製鋼の5チーム。得点ランキングではサントリーに新加入したニュージーランド代表のボーデン・バレット(29)が76点で独走している。
サントリーは20日、同じ東京都府中市に拠点がある「府中ダービー」で東芝を73-5で圧倒した。ともにTL最多の5度の優勝を誇るが、過去のリーグ戦で最大となる68点差をつけた。
SOバレットの3連続PGで主導権を握った。司令塔は「分析の中でもあったが、東芝はラインスピードを上げて防御してくる。キックスペースが空いているところを狙った。(東芝の)バック3にプレッシャーかけることをイメージした」と振り返り、効果的なキックを織り交ぜて攻め続けた。チームは計9トライ。「ローカルダービーの重要性をしっかり話をしてもらった」そうで、自身も6G、4PGで24得点を積み重ねた。抜きんでた個人技が光るが、「FWの素晴らしいパフォーマンスに感謝している」とチーム力を強調した。
ここまで4試合全てに先発出場して、2T、27G、4PGで76点を挙げた。「楽しんでプレーできている。毎週、しっかり準備して取り組んでいる」と世界トップの実力を示している。27日にトヨタ自動車、4月3日にはクボタと好調なチームとの連戦を迎える。
9トライのナエアタは出場停止に
トライ数では神戸製鋼のNo.8ナエアタルイ(27)が9トライ(3試合)でトップを走っているが、危険なタックルで4試合の出場停止処分を受け、リーグ最終戦まで出場できなくなった。ナエアタを追う、ヤマハ発動機のマロ・ツイタマ(24)とサントリーのテビタ・リー(25)はともに2年目。U20ニュージーランド代表に選ばれた経験もある決定力があるWTBでトライ数を伸ばす可能性がある。
リコーのHO武井日向(明治大学)やサントリーのSH齋藤直人、WTB中野将伍(ともに早稲田大学)、クボタのFB金秀隆(朝鮮大学)はここまで2トライをマーク。新人の健闘が目立ち、4月からは今春、大学を出た一つ下の選手も出場可能になる。
新人もベテランも最後のリーグ盛り上げる
一方でベテランも存在感を示している。21日のNEC戦で今季初勝利を挙げた日野は39歳のNo.8ニリ・ラトゥがマン・オブ・ザ・マッチに輝き、自らのTL100試合出場を祝った。トンガ代表で主将も務め、ワールドカップ(W杯)にも出場しており、箕内拓郎ヘッドコーチは「外国の代表選手では初の100試合出場。一貫したプレーをしてくれ、日本のラグビーにとっても貴重な存在。まだ、まだ、若いし、楽しみ」と祝福した。ラトゥは2007年から8年間、NECでプレーしており、「日本での多くのキャリアはNEC。彼らと対戦するのは特別な気分だった」と古巣相手に節目を迎えた。今季で幕を閉じるTLの歴史を振り返り、「レベルの高さを感じていてうれしい。(19年W杯の)日本代表の活躍が結果として出ている」などと話した。
リーグ戦は4月11日まであり、同17日から下部のトップチャレンジリーグ4チームを含めた20チームによるプレーオフトーナメントに入る予定。5月23日が決勝で最後のTL王者が決まる。