ラグビー

特集:ジャパンラグビートップリーグ

ラストシーズンのヤマハ五郎丸が今季初出場でトライ、医学部進学のパナソニック福岡も

今季で引退するヤマハ発動機の五郎丸歩は初出場で15点をあげた(撮影・全て朝日新聞社)

ラグビーのトップリーグ(TL)は3月6日に第3節の8試合があり、今季限りでの引退を表明しているヤマハ発動機の五郎丸歩(35)が今季初出場。NEC戦にFBで先発して後半35分までプレー、TL3シーズンぶりのトライを含む15点を挙げて、チーム2試合ぶりの白星に貢献した。

早大時代から活躍の秩父宮で

ヤマハが今季のリーグ戦で東京・秩父宮ラグビー場で戦うのはこの試合だけ。早稲田大学時代から慣れ親しんだグランドで今季初めてプレーした五郎丸は「東京は最初で最後。1試合しかなかったので、非常に気持ちも入っていました。それよりもチームが先週、リコーさんに負けていたので、チームをどう立て直すか臨んだこの1週間で、非常にいい形でリカバリーできた。チームがもっともっと強くなるように」などと話した。

「(負けた)先週はあまりキックを使わずにアタックをし続けた。ヤマハというのはしっかりキックを蹴って FWがしっかり敵陣で戦うのが、この10年くらいやってきたスタイル。その原点に立ち戻った感じ」
ペナルティーキックなどで自身の距離が出るキックで相手陣に入り、試合を優位に進めた。前半33分にはこぼれ球に反応して、約30mを走りきってゴール左に飛び込んだ。TLでは2017年10月以来のトライで、入場制限された3760人の観客がひときわ沸いた。来季から発展的に新リーグに移行するため、不滅のリーグ通算最多得点を1269点まで伸ばした。

開幕から2試合は登録メンバーから外れていた。コロナ禍で開幕が延期になり調整も難しかった。「まあ、ラストと決めてますから。メンバーに入らなくて、ノンメンバーと一緒にトレーニングするのも非常にポジティブにできています。ネガティブなこともポジティブなことも、すべてを楽しむ時間を過ごせているなという感じ」。3月1日に35歳になった。どこまでも前向きに現役最後のシーズンを送っている。

医学部進学の福岡は終了間際に

終了間際にトライを挙げたパナソニックの福岡堅樹

大分では順天堂大学医学部に合格したパナソニックのWTB福岡堅樹(28)が終了間際にトライを挙げた。47-0でキヤノンに快勝し、チームは3連勝と好調を維持している。医学部合格を明らかにして初めての試合だったが、「残り少ない試合になると思いますけど、1試合、1試合、後悔がないように。しっかりと自分らしいパフォーマンスを出し、チームの勝利につながるようなプレーができるように。みんなの記憶にもいいプレーを残せるように、一つひとつ楽しみながらやっていきたい」。TLは5月23日まで続くが、どこまで試合に出るかなどは未定。福岡は「まだ、まだ、自分の一番のピークの時に比べたら足りない部分もいくつかあると感じている。少しでも自分の最高のパフォーマンスに近づけていきたい」と話した。

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NTTドコモのマピンピいきなり活躍

TL初出場で活躍したNTTドコモのマカゾレ・マピンピ

大阪ではNTTドコモの新外国人選手マカゾレ・マピンピ(30)がWTBで初出場。2019年ワールドカップ日本大会で優勝した南アフリカの優勝メンバーは、前半にあいさつ代わりの初トライを奪った。同点で迎えた終了間際には、自陣から攻撃に参加し、TJ・ペレナラ(28)の決勝トライにつなげた。「試合に出られてうれしい。去年から待ち望んでいた」。デビューが遅れたことについては、「チームファーストで考えている。チームの組み合わせや戦術でメンバーが代わるのはわかっていて、じっくり待っていた」。チームは初めての開幕3連勝で、14日にパナソニックとの全勝対決に臨む。

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新人の岸岡も躍動

クボタのSOで初先発した岸岡智樹

同じく開幕から3連勝したクボタは新人の岸岡智樹(23)がSOで初先発した。サントリーのSH齋藤直人(23)らとともに早稲田大学で2019年度に大学日本一になった。岸岡は「前半は判断を誤った場面もあったが、後半はキックで相手が嫌がる場所にボールを運べた。(早大の)同級生5人が(TLで)メンバー入りしすごくうれしい。負けていられない。対戦することもあるかもしれないので、楽しみ」などと話していた。

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