初陣の四国大学が健闘、優勝は東京五輪代表候補、太陽生命女子7人制開幕
太陽生命女子セブンズシリーズ第1戦・東京大会
5月1、2日@秩父宮ラグビー場
▽決勝 チャレンジチーム 28-5 ARUKAS QUEEN KUMAGAYA
▽3位決定戦 ながとブルーエンジェルス 14-7 東京山九フェニックス
▽5位決定戦 MIE PERLS 28-12 追手門学院大
▽7位決定戦 RKUグレース 22-12 四国大
▽チャレンジトロフィー勝者 日本体育大
追手門学院大学が6位
7人制ラグビー女子の日本一を決める太陽生命女子セブンズシリーズ第1戦・東京大会が無観客で開催され、東京オリンピック日本代表候補で編成されたチャレンジチームが優勝した。MVPにはオリンピック2大会連続出場を目指す大黒田裕芽(ゆめ、名古屋レディース)が選ばれた。大学勢のトップは6位に入った追手門学院大学。初参加の四国大学がプール戦で初勝利を挙げ、8位になった。第2戦は5月15、16日に静岡県小笠山総合運動公園エコパ、第3戦は6月5、6日に埼玉・熊谷スポーツ文化公園ラグビー場、第4戦は6月26、27日に三重交通Gスポーツの森鈴鹿サッカー・ラグビー場で行われる予定。
連続五輪へ大黒田がMVP
新型コロナウイルスの影響で2年ぶりに開かれた大会。チャレンジチームは従来、若手有望株で編成されてきたが、同じ理由で海外遠征が満足にできていない代表候補が実戦経験を積む目的で参戦した。12人のメンバーは全員候補選手だった。オリンピックでメダル獲得を目指すチームが国内勢に負けるわけにはいかない。国際大会とは違うプレッシャーの中で、2日間の6試合を順当に勝ちきった。決勝はバティヴァカロロライチェル海遥(ARUKAS QUEEN KUMAGAYA)が1分に先制トライを挙げるなど危なげなかった。
2日目の3試合にフル出場するなどチームを引っ張った大黒田は「プレッシャーも少しは感じてはいたが、楽しもうと思った。パスと自分で勝負するところを明確にして、よりミスを少なくしようと臨んだ。1日目より2日目がよかった」と笑顔で振り返った。
日本体育大学の永田花菜(3年、福岡)は、2日間で計8トライを挙げて初のオリンピック代表へアピールする形になった。メンバー編成の関係でウィングに入ったが、「いつもとポジションは違った。みんながつないだボールをトライまでつなげられたのは大きかった。まだまだ、やれることはある」と初日に振り返っていた。
創部4年目の四国大学
2018年に創部されて初参加となった四国大学が、はつらつとした動きをみせた。チャレンジチームとの準々決勝では前半を7-5でリードした。最終的には7-27で敗れたが、通用する部分も多かった。初日に同じ大学生チームのRKUグレース(流通経済大学主体)を15-12で振り切り、うれしい初勝利を挙げた。
この試合でトライも挙げた井上藍主将(4年、石見智翠館)は「1年生が入って1カ月だが、1試合、1試合重ねて、チームとしても団結力が生まれた。新しい色がみえたところもあった」と満足そうに振り返った。入れ替え戦を経て昨年からシリーズに参戦予定だったが、大会は中止に。徳島のグラウンドで鍛えながら、創部4年目の今年、初めて4学年がそろった。「ここを目指してやってきた。1年空白があり、関東のチームより経験積めなかったのは心残りだったが、十分、戦えるな、と思った」。再戦となった7位決定戦のRKUグレース戦では前半12-5とリードしながら、後半無得点に抑えられて12-22で逆転負け。「勝ち切るところ、ものにするところが自分たちは未熟だなと思った。この大会を生かし、2大会目からは勝ちにつなげられるように」と前を向いた。
初陣で日本代表候補との対戦も収穫になった。「前日も『ジャパンとできるのはなかなかない経験なんで、自分たちがしてきたことを試そう』と話した。緊張はしなかった。そこがよかったのか、楽しかったです」
代表候補にもメンバーを送り出している日体大はチャレンジトロフィー(プール戦下位3チームによるリーグ戦)を2連勝して意地をみせた。古屋みず希主将(4年、東海大相模)はチームの強みを「日体大としての組織のディフェンス。若い選手の走力。いかにいい形で球を渡して取り切ってもらうか」と言い、「最後まであきらめず取り切る日体大らしいラグビーはできた。1戦目から自信をもって戦うようにしたい」と残りの大会を見据えた。