陸上・駅伝

帝京大・遠藤大地、最後の箱根駅伝で狙うは悲願の3区区間賞「箱根で恩返しの走りを」

学生最後の1年、「恩返しの走り」をしたいと語った遠藤

帝京大学駅伝競走部のエースである遠藤大地(4年、古川工業)は、これまで3度箱根駅伝の3区に出走し、輝かしい成績を収めてきた。1年次には8人を抜き区間3位と、衝撃的な箱根デビューを飾った。2年次には箱根駅伝3区日本人最速タイムをたたき出し、年始の第97回箱根駅伝では、14位で襷(たすき)を受け取ると8人を抜き6位まで順位を押し上げ、往路4位に貢献した。

過酷を極める箱根駅伝において、3年連続同区間でここまで圧倒的な走りを見せ続ける選手はそう簡単に現れない。世代屈指の力走を見せる遠藤の箱根駅伝への思い、そしてこだわりに迫る。

箱根3区で三度の快走、「3区のコースが自分に合っている」

遠藤を帝京大学のエースとして成長させたのは、間違いなく箱根駅伝だ。遠藤自身も箱根駅伝に臨む上で、覚悟やこだわりを持っている。今夏は走り込むつもりだったが、6月中旬にチーム全体で記録を狙う機会があるので記録会に出場するという。「記録会はありますが、そこにピークを持っていく練習ではなく、箱根に向けて走り込みをしていきたいです」と常に箱根駅伝を見据えている。7~9月は合宿や合宿に向けての走り込みが多くなるが、「4年間で1番走ったと言える合宿にしたい」と意欲を見せた。

年始の箱根駅伝、先輩の星から襷を受け取り笑顔で駆け出す遠藤(撮影・藤井みさ)

言うまでもなく箱根駅伝でのエース区間は「花の2区」だ。しかし、遠藤は2区ではなく3区にこだわっている。持ち味の前半から攻める走りが発揮でき「3区のコースが自分に合っている」と笑顔で語る。しかし毎年好成績を残している遠藤でも、これまであと一歩のところで区間賞を逃している。「3年間走っているが区間賞を獲れていないので、最後の箱根でも3区を走って区間賞を獲りたい」と強く語った。

また、自身が3区歴代2位の記録を保持していることに対して、「自分の持つ記録を超えることは最低限の目標」としている。「自分がどこまで区間記録に近づけるか試したい」と区間新記録についても挑戦していく姿勢がうかがえた。

今シーズン初戦は、他大学との差を見せつけられる

先月行われた第100回関東学生陸上競技対校選手権大会で男子2部10000mに出場したが、記録は29分37秒19と満足のいく結果ではなかった。遠藤は「他大学の選手との実力の差が出た」と振り返る。

練習は詰めていたが、気持ちが負けていたと振り返る(撮影・藤井みさ)

今年は例年より順調に練習が積めている感覚があり、調子が良かったが、誰にも負けないという強い気持ちが他の選手に劣っていた。「今のままではいけない。練習から強い気持ちを持って取り組んでいきたい」と自分を奮い立たせた。

集大成となる箱根駅伝で恩返しをしたい

大学で充実した競技生活を送っている遠藤だが、実は、家族に大学入学を反対されていた。「家族には就職を勧められていました」。しかし最終的には遠藤の意思を尊重し、入学を応援してくれた。入学後も仕送りを送ってくれるなど、競技生活を全面的にサポートしてくれているという。「入学を反対していたのに、我慢して支えてくれたし、たくさん苦労をかけた。箱根で恩返ししたい」と決意した。

遠藤を支えているのは家族だけではない。スポーツブランドのミズノも遠藤を1年時からサポートしており、遠藤の大きな力になっている。第97回箱根駅伝では、95.7%の選手がナイキのシューズを着用した。しかし、遠藤はどんな大会でも、流行がナイキのシューズでも、ミズノのシューズで走り続けてきた。「ミズノのサポートには感謝しているし、ミズノのシューズで速くて強いことをアピールしたいです」と力強く話した。

趣味は映画を観ることやチームメートとゲームをすることという遠藤にとって、チームメートの支えも大きい。特に同学年のメンバーは仲が良く、「同学年のメンバーは全員がライバル」として引き締まった雰囲気で練習できている。

主将の橋本尚斗(4年、鳴門)をはじめチーム一丸となって「往路優勝、総合3位以内」の目標達成に向けてひた走る遠藤。4年間の集大成として、感謝の気持ちを原動力に3区を駆け抜けてほしい。

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