野球

特集:2021年 大学球界のドラフト候補たち

赤星優志、日大の152km/h右腕は東都2部を制し、三つどもえの入れ替え戦

日本大学のエース赤星優志。大学4年間でさらに成長した(撮影・全て朝日新聞社)

東都大学野球2部リーグ戦は6校による2試合総当たり勝率制で争われ、日本大学が5勝1敗4分け、勝率0.700で優勝した。最速152km/hを誇るドラフト候補右腕の赤星優志(4年、日大鶴ケ丘)が9試合に登板し、3勝1敗、防御率0.78の成績で2部リーグ最高殊勲選手、最優秀投手、最優秀防御率を獲得した。日大は6月21日から1部6位の東洋大学、同7位の立正大学との入れ替え戦に臨む。

最終戦は引き分けて優勝

「チームとしても個人としても2部優勝を目標にしてやってきました。個人のタイトルも、自分の成績がチームの勝利につながったと考えたらうれしいです」と赤星は優勝とタイトル獲得に笑顔を見せた。

今春、東都2部リーグでは、特別ルールにより9回終了時に同点の場合はすべて引き分けとされた。最終戦となった専修大学2回戦を前に、首位の日大は5勝1敗3分け、勝率.722(引き分けは0.5勝と扱われ6.5勝で計算される)、2位の専大は5勝2敗2分け、勝率.667(同6勝)。日大は勝つか引き分けで優勝、専大は勝てば優勝という状況でゲームが始まった。

先攻の専大は日大の左腕、市川睦(4年、二松学舎大附)の立ち上がりを攻め、初回に3点、3回に1点を奪った。日大も三回に2点、五回に1点を返して1点差に追い上げる。日大は2番手の速球派右腕の杉本幸基(3年、大垣日大)が4回を無安打無失点に抑える好投でつなぎ、7回途中からはエース赤星がマウンドへ上がった。

身長176cmで小気味よく投げ込む

初球から球速148km/hが表示された。前日の1回戦でも完封し102球を投げていたが、疲れを感じさせない力強い投球でピンチを切り抜けてゆく。八回には自己最速タイの152km/hを計時。「1点差で負けていて、九回は攻撃につながるピッチングをしたいと思ってマウンドに上がりました」と、九回表を三者凡退できって取り、味方の反撃を待った。

専大の右腕、菊地吏玖(3年、札幌大谷)も前日に119球を投げ完投したが、この日も先発し力投を続けている。九回裏、最後の攻撃、粘る日大は1死満塁のチャンスを作り、押し出し死球でついに4-4の同点に追いつく。日大の引き分け以上が確定し優勝が決まった。専大の優勝はなくなったが、最後の力を振り絞って日大にサヨナラ勝ちを許さなかった菊地吏のピッチングもまた見事。3時4分の好ゲームだった。

専修大の菊地吏玖も力投を続けた

1回戦に先発、2回戦はクローザー

実力伯仲の「戦国東都」、今春は2部も上位校と下位校の実力差が小さく、30試合中7試合が引き分けとなった。日大も開幕カードで連勝したのち、3試合連続引き分けと苦しんだ。今年から日大の指揮を執る片岡昭吾監督は「市川と赤星、先発投手2人が柱になってこのリーグ戦を戦ってきた。投手を中心にしっかり守り切ったことが優勝につながったと思います」と投手陣の頑張りをたたえた。

この春、赤星は10試合中9試合に登板。全5カードで1回戦に先発し、第1週を除く4カードで2回戦にクローザーとしてマウンドに上がった。「赤星には1回戦は先発、2回戦は大事なところでリリーフ。3回戦がないので、そのつもりでリーグ戦前からやってきました。最後のところは一番いいピッチャーでいきたいですから」と片岡監督は赤星に大きな期待を寄せる。最速152km/hの速球を軸に、ツーシーム、カットボールなどの変化球を織り交ぜ打者を打ち取り、安定感抜群のピッチングで3完投(1完封含む)で応えた。

九回に追いついて優勝を決め笑顔もみえた

冬場の取り組みで体力面、技術面ともに大きな収穫を得たことが今春の活躍につながった。「去年は五回を過ぎたぐらいから疲れを感じていました。冬の間にトレーニング、走り込み、投げ込みをしっかりやってきたので、その成果が出たと思います」と赤星は話す。

技術面に関しては、昨秋までは変化球の切れと低めのコントロールが課題となっていた。「自分のピッチング動画を見て、いいときと悪いときを見比べて修正しました。変化球になると腕が遠くなってしまうのを動画で確認しながら、同じ位置で投げられるよう修正し、真っすぐと同じように腕が振れるよう、ネットスロー、シャドーピッチング、普段のキャッチボールからも意識してやってきました」と赤星は冬場の取り組みを振り返った。

昨秋の悔しさを糧に

昨秋、日大は青山学院大学と優勝争いをしながら、専大との最終戦を落とし1部昇格を逃した。赤星はその最終戦に先発したが、四回途中5失点でマウンドを降り敗戦投手となった。片岡監督は「昨秋は最終戦、大事なところで赤星が勝てなくて優勝を逃した。そういう思いを持って練習をやってきたはず。自分がチームを引っ張るという意識や自覚の面でも、去年から大きく成長したと思います」と赤星の成長を喜ぶ。

今春のピッチングでスカウトからの評価も上がっている。赤星は日大鶴ケ丘高校3年の秋にプロ志望届を提出していたが、ドラフト会議での指名はなかった。
「大学では4年間ずっとプロを意識してやってきました。正直、高3のときは無理だろうなという気持ちが大きかったです。プロへ行きたいと自信を持って言えるように今後も頑張っていきたい。今はまず1部に上がることが目標なので、その先にプロが見えてきたらいいかなと思います」

日大にとり2部優勝は通過点だ

6月21日からの入れ替え戦で、1部復帰は2連勝が近道。「目標はあくまでも入れ替え戦に勝って1部に上がること。入れ替え戦でも強気のピッチングができればと思います」と赤星は次の戦いに目を向けた。

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