青山学院大学の泉口友汰主将、神宮でプレーするために頑張ってきた
東都大学野球春季リーグ戦が3月29日に神宮球場で開幕します。今季、1部は7校による2回戦総当たりの勝率制。新主将に意気込みを聞く5人目は、昨秋2部を制し、2014年秋以来の1部復帰となった青山学院大学の泉口友汰主将(4年、大阪桐蔭)です。
「緑」ではなく「青」の青学
「神宮球場でプレーするために頑張ってきたので、早く試合がしたいですね。ワクワクします」と泉口は笑顔で意気込みを話す。
真っ白いユニフォーム、胸にブルーの「Aoyama」の文字。青学ブルーが神宮に帰ってくる。この10年ほどで「駅伝の青学」「グリーンの青学」のイメージがすっかり定着したが、いやいや、青学といえば野球部、ブルーの青学でしょう! と期待する野球ファン、関係者は多いはず。過去12度のリーグ優勝、4度の全日本大学選手権優勝を誇り、小久保裕紀(ソフトバンクHC)、井口資仁(ロッテ監督)、石川雅規(ヤクルト)、吉田正尚(オリックス)らスター選手を輩出してきた。
昨秋の東都リーグはコロナ禍で入れ替え戦を行わず、下部リーグの優勝校が自動昇格することになった。2部では青学が8勝2敗で優勝、13季ぶりの復帰を決めた。3番・ショートで全試合に出場した泉口は、打率3割4分3厘(リーグ5位)、1本塁打、9打点などの活躍で2部の最高殊勲選手に選ばれた。
若手躍動し2部優勝
昨秋は先発全員が3年生以下という若いチームで優勝を勝ち取った。俊足好打の山田拓也(3年、東海大相模)、永山裕真(4年、報徳学園)、中島大輔(2年、龍谷大平安)らがチャンスを作り、長打力のある泉口、井上大成(4年、日大三)、片山昂星(3年、東海大菅生)らがかえす役割を担う。
投手陣も、昨秋は1戦目、2戦目とも1年生投手が先発マウンドに上がった。松井大輔(2年、県岐阜商)、下村海翔(2年、九州国際大付)の2人はともに5試合に先発し2勝ずつを挙げ優勝の原動力に。今年のプロ野球ドラフト候補右腕・森圭名(4年、富山第一)、安定感のあるピッチングが魅力の左腕・北村智紀(3年、龍谷大平安)らが試合中盤から後半を締めた。
若いメンバーで勝ち取った昨秋の優勝だが、試合に出るメンバーを支えた昨年の4年生の存在が大きかったという。「去年のキャプテン・西川藍畝(らんせ)さんが、下級生でも意見を言いやすい雰囲気作りをしてくれました。自分もそういうチームを作っていきたいです」と泉口は先輩たちへの感謝の気持ちを口にする。
激しいポジション争い
その西川前主将の弟・西川史礁(みしょう=1年、龍谷大平安)が新入生として今春、入部。西川は広角に大きい打球を運ぶ右打ちの強打者で、ポジションはショート。泉口にとっては和歌山日高ボーイズの後輩でもある。同じショートを守る後輩に、キャプテンとして負けるわけにいかない。「史礁、今、結構打ってるんですよ。他にも有望な1年が入ってきましたから、ポジション争いは激しくなっています」と泉口は言う。
今春の東都1部リーグは7校で争われる。秋は6校に戻るため、6位、7位になってしまった場合は、2部優勝校と三つ巴の入れ替え戦を戦わなくてはならない。「目標は1部残留ではなく、優勝、大学日本一です。目標は高く持たないといけないと思いますから。対戦相手はどこも強いですが、過剰に意識せず、自分たちの野球をしっかりやりたい。負けないチーム作りを目指してやっていきたいです」と泉口は力強く目標を話した。
泉口は大阪桐蔭高時代、3年春夏の甲子園に出場し、第89回選抜高校野球大会(2017年)では優勝を経験している。國學院大學の強打者・山本ダンテ武蔵(4年、大阪桐蔭)は当時のチームメートだ。大学のリーグ戦では初めての対戦となる。2人の「同級生対決」にも注目してもらいたい。