陸上・駅伝

特集:いざ、東京オリンピック・パラリンピック

元箱根走者・トマト農家と共に 陸上5千M、銀の唐沢

男子5000メートル(視覚障害T11)で2位に入った唐沢剣也(中央)=2021年8月27日、国立競技場、西畑志朗撮影
男子5000メートル(視覚障害T11)で2位に入った唐沢剣也(中央)=2021年8月27日、国立競技場、西畑志朗撮影

■パラ陸上5000m 唐沢剣也

中央学院大、「18」で途絶えた箱根駅伝連続出場 悔しさを胸に復活を期すシーズンへ

 1人で勝ち取った銀メダルではなかった。

 ゴール直後、汗だくで息も絶え絶えの唐沢剣也は言った。「仲間と一緒につかみ取った銀メダル。本当にうれしく思います」

 視覚障害クラスは「テザー」と呼ばれる、両端に輪がついたひもで選手とガイドランナーをつなぐ。

 最初の伴走者は地元群馬県の実業団・スバル陸上部コーチの小林光二さんで、唐沢からの評は「ピッチが合って、本当に力まず淡々と走れる」。今年4月からコンビを組む小林さんは4年連続で箱根駅伝を走り、フルマラソンで2時間8分台の実力者だ。唐沢に無駄なストレスをかけないよう淡々としたピッチで、約4000メートルを刻んだ。

 ここから伴走者は小林さんから茂木洋晃さんへ。茂木さんは大学時代から、唐沢の活動を後押ししてきたボランティアメンバーの一人。実家のトマト農園で働きながらパートナーを務める。

 「自分のラストスパートを引き出してくれる」(唐沢)という大きなストライドの茂木さんに背中を押されるように、唐沢は残る力を振り絞った。残り1周で先頭のブラジル選手を猛然と抜き去り、一時は世界のトップを走った。

 最後は逆転を許し、3人が挑んだ初の大舞台は目標に届かなかった。「悔しい気持ちもあるが、力は出し切った」と唐沢。支えてくれた2人に挟まれ、取材エリアで満足そうにほおを緩ませた。

(松本龍三郎)

=朝日新聞デジタル2021年08月27日掲載

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