立命館大・平浩希「『今年は弱い』見返す」 関西1部主将インタビュー
関西学生アメリカンフットボールリーグ1部は新型コロナウイルス感染拡大の影響で開幕が延期になりました。4years.では1部に所属する各校のキャプテンにメールで6項目の質問を送付し、回答してもらいました。3人目は立命館大学のRB(ランニングバック)平浩希主将(4年、立命館宇治)です。立命館が最後に大学日本一になったのは早大を1点差で破った2015年。6年ぶりの甲子園ボウル出場と日本一奪還を狙います。
質問1 2021年度のチームスローガン(テーマ)と、そこに込めた思いを教えて下さい。
チームスローガンは「Beat Out」です。「日本一を奪還し、常勝軍団への一歩となる」という意味が込められています。5年間、目標である日本一を達成できておらず、組織として未熟ということを痛感しました。そこで、今年こそ日本一を奪還すると共に、今年勝つだけではなく、来年、再来年と常に勝ち続けるチームの一歩目となるという思いをチームスローガンに込めました。
質問2 理想のキャプテン像を教えて下さい。具体的な人がいるなら、その方の名前を挙げて、どんなところがすばらしいと思うのかについてもお願いします。
私の「理想のキャプテン像」であり、「最も尊敬する人物」は本田圭佑選手(サッカー)です。本田選手の素晴らしいと思うところは、常に失敗を恐れず、挑戦をし続ける姿勢です。誰よりも人生は1度きりという言葉を理解し、目標に対し、最大限の努力を積み重ねます。失敗した時のメンタリティも素晴らしく、「如何なる状況であれ、前向きに自分に出来ることをやるという信念は不変」と語っていて、私も、失敗をしたり、調子が悪い時でも落ち込まず自分にできることは何なのかを探し、実行することを意識しています。
質問3 自分自身の過去3年を振り返って、どんな自己評価をしていますか?
入部時に昨年の主将であり、エースであった立川(玄明)選手を超えるという目標を立てましたが、超えられませんでした。
また、立命館パンサーズの一員として日本一になるために、もがき続けた3年間でした。
今思い返すと、アメフトをしたというよりも、目標に挑戦をしたり、困難に立ち向かったことのほうが印象に残っています。
質問4 チームにとって、4年生とはどんな存在であるべきだと考えていますか?
チームにとって4回生は辛(つら)い事を抱えながら努力し続ける存在であるべきだと考えています。4回生は最上級生であり、日本一になる最後のチャンスを掴(つか)まないといけません。1年間、さまざまな困難や壁に立ち向かう必要があり、多くのプレッシャーがあるなかで、それらを抱えながら努力をしなければ、日本一にはなれないと考えています。
質問5 コロナ禍、特に下級生は十分な練習を積めていないと思いますが、この秋、あなたがとくに期待する(期待できると思う)下級生の選手を一人挙げて、理由も教えて下さい。
2回生LB(ラインバッカー)の藤本凱風(がいぜ、大阪産大附)です。LBとして、力強く且(か)つガッツ溢(あふ)れるプレーができるところが魅力だと考えますが、特に私が藤本に対し期待しているところは常に元気よくプレーし、それを他者に広げられる所です。時には辛い練習や厳しい状況もありますが、そんな時こそ元気よく、リーダーシップを発揮できる人物です。まだ2回生ですが、私自身、彼に助けられることもあり、感謝しています。
質問6 最後にシーズンを心待ちにしているファンのみなさんへの言葉をお願いします。
昨年度主将の立川玄明さんを筆頭に多くのスター選手が引退し、残ったのは私を含めてまだ試合で結果を残せていない未熟なメンバーばかりです。一方で関西学生リーグのライバルチームは下級生から活躍してきた経験豊富な選手が攻守にそろっています。主力選手の喪失者数などからも「今年のパンサーズは弱い」という声を聞きます。私はそれが悔しくて仕方がありません。幹部と4回生を中心にチームを強くし、絶対に見返してみせます。私たちに失うものは何もありません。1試合、1プレーずつ、努力を積み重ね、最後の一瞬まで戦い抜きます。下馬評を覆してフィールドで大暴れする新生パンサーズをどうか目に焼き付けてください。