サッカー

J2モンテディオ山形内定の東洋大・横山塁、準優勝の悔しさ胸に悲願の1部昇格へ

ラストイヤー、横山はチームの1部昇格に向けて全力をつくす

8月23日から9月5日に渡って開催された第45回総理大臣杯で驚異の快進撃を見せた東洋大学。大会初の準優勝を飾るなど成長著しいチームだが、J2モンテディオ山形に内定しているMF横山塁(4年、FC東京U-18)はその中心的な存在だ。圧倒的なスピードを武器にサイドを駆け上がる突破力もさることながら、自らで得点をつかみ取る決定力をも兼ね備える。最終学年としてチームを支える彼のサッカー人生はどのようなものだったのか。

入学2年で経験した降格

横山がサッカーを始めたきっかけはテレビだった。代表戦の試合を見て「かっこいいと思った」。その想いに駆られ小学1年生から高校3年生までを東京FCの下部組織でプレー。ユース時代は目立った活躍こそなかったが、チームが成果を出すにつれて自身も評価されていったという。

その後プロ入りは叶わなかったものの、同じユースチームの先輩からの誘いもあり東洋大の門を叩く。しかし1年生の遠征時に怪我。試合に出場できたのは後半からだった。さらに2年生の時にはチームの2部降格を経験。「自分もピッチの上にいて、悔しさが込み上げてきた。何もできずに終わってしまった」と振り返った。

逆境を乗り越えて

関東リーグ2部降格の悔しさは横山を奮い立たせる原動力ともなった。コロナ禍で思うように練習ができない時でも、自宅近くの河川敷で朝早くランニンングをするなど自主練習に励んだ。「練習できる時にはいつでもいけるように準備していた」。そうした努力の積み重ねもあってか、今年の6月にはリーグ戦得点ランキングトップに輝く成績。7月に行われたアミノバイタルカップでも1ゴール2アシストの活躍でチームを全国出場へと導いた。

自らを奮い立たせ努力し続けた結果、得点力もアップした

しかし全国大会を目前に部内で新型コロナウイルスの陽性者が確認されチームは2週間の活動休止状態に。さらにこの期間中に横山はコンデション不良に陥り、全体練習に復帰できたのは総理大臣杯3回戦を終えた翌日の9月2日からだった。

悲願の1部昇格へ

5大会ぶりの出場となった総理大臣杯だったが、東洋大は破竹の勢いで全国勢を圧倒。3回戦では関西代表の大阪体育大を1-0で下し大会初のベスト4入りを果たすと、中1日で迎えた4回戦でも山梨学院大相手に逆転勝利を収めファイナルへと駒を進める。しかし決勝の舞台まで横山が姿を現すことはなかった。

準優勝の快挙にも負けて終わり、悔しさが残った。この悔しさをバネにしたい

迎えた決勝。ここまで連れてきてくれたチームメートへの感謝の気持ちを胸に、横山は後半25分からピッチへ。しかしその想いも虚しく試合は法政大の逆転劇に終わり、チームはあと一歩で全国優勝を逃した。「この2位、準優勝を次に生かさないといけない。優勝して得られるものの方が大きいと思うが、2位だったからこそ1部昇格できたというふうになれれば」

モンテディオ山形への加入が決まり、念願のプロ入りをつかみ取った

7月にはモンテディオ山形への来季加入内定が発表された。念願のプロへの道を手繰り寄せた横山だったが、彼の思い描く理想はまだ先にある。2年前に経験したチームの降格、そして全国優勝を目の前にして敗れた無念。「今の自分たちなら絶対に1部昇格できる」と意気込む4年生が、悔しさをバネにチームを悲願の1部昇格へと導く。

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