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関西学院大学-法政大学、学生日本一かけ9年ぶりの顔合わせ 19日に対戦

関西学院大学の前田公昭(左)と法政大学の星野凌太朗。学生日本一への鍵となる両RB(撮影・北川直樹)

アメリカンフットボールの全日本大学選手権決勝、三菱電機杯第76回毎日甲子園ボウルが12月19日、阪神甲子園球場で西日本代表の関西学院大学と東日本代表の法政大学の対戦で行われる。関学は6年連続55回目の出場で、法大は9年ぶりに甲子園に戻ってきた。関学は4年連続32度目の王座を狙い、出場18回目の法大は15年ぶり6度目の学生日本一を目指す。

4連覇目指す王者・関学の4年生力

関学の4年生には甲子園ボウル負けなしで終わる機会が巡ってきた。31度の学生日本一の中で4連覇は過去3度(1度は5連覇)、伝統校でも負けずに終われる卒業生はそう多くない。チームをまとめてきたDL青木勇輝主将(4年、追手門学院)は振り返る。「(主将就任)初期の方は、あんまりうまくいってないパートや、やれていない4回生がいたら、自分が何とかしないといけないとアプローチしていた。途中から、せっかく4回生が50人もいて、頼りにできる幹部も4人。もっと信頼できると切り替えたら、みんな自主的にチームに対して考え動いてくれた」

チームや同期の成長を感じている。今年のチームスローガンは「I WILL(自分がやる)」。全員「で」ではなく全員「が」、一人ひとりがやりきることで4連覇を見据えている。

好プレーをみせたDL山本大地(74)を祝福する関学の青木主将(撮影・朝日新聞社)

立命館大学との再戦となった西日本代表決定戦で、関学の4つのタッチダウン(TD)は、前田公昭(関西学院)と齋藤陸(江戸川学園取手)の4年生RB(ランニングバック)が2つずつ挙げた。立ち上がりQB鎌田陽大(2年、追手門学院)からWR鈴木崇与(2年、箕面自由学園)へのロングパスで攻め込むと前田が先制のTDを奪った。エース前田は「後輩が思いきってやってくれてゴール前まで行ってくれた。4回生の自分がしっかり取り切ると思っていた」と言う。

「ワイルドキャット」といわれるQBの位置にRBが入る隊形から2人の4年生RBが仕掛けるオフェンスがシーズン途中から威力を増している。「僕と齋藤の走るルートの見えている世界が似ている。あうんの呼吸じゃないですけど」。オフェンスでも4年生が引っ張っている。

関学は齋藤(27)と前田の両RBは力強いラン攻撃を仕掛ける(撮影・北川直樹)

法大は若い力と伸びしろにかける

法大は2017年にチームの愛称を「オレンジ」にして初めての甲子園ボウルになる。関学とは対照的に若いチームだ。強力なRB陣で関東大学リーグのMVPの星野凌太朗(日大三)と宮下知也(法政二)は3年生で、東日本代表決定戦MVPの新井優太(啓明学院)は2年生。副将の一人は3年生LB山田敦也(千葉日大一)でもある。

代表決定戦は欠場した星野は「後半、体力が持たなかったり、まだ、まだ相手と勝負しきれていない場面があったり、1試合通じてやれるようにならなければいけない」とリーグ戦後は満足していなかった。就任5年目の有澤玄ヘッドコーチ(HC)は「3年生に主力が多いので、4年生もっと頑張れよという感じでやっています」と発破をかける。

早稲田大戦でTDを決める法大のRB星野(撮影・北川直樹)

逆にいえばそれだけ伸びしろがあり、有澤HCもそこに期待を寄せている。ここぞの場面では、関東大学4試合で259ydを稼いでトップレシーバーになったWR小山昭瑛(聖望学園)ら最上級生が頼りになる。先発から外れているLB太田成哉主将(4年、千葉日大一)は「このチームはもっと強くなるための力はある。下級生がいつも頑張ってやってくれるが、4年生がチームを引っ張っていくようにやっていく。僕はプレーでチームに貢献できないので、そういうところではチームをまとめる」と意気込む。

法大の新井(左)と宮下の勢いあるRB陣(撮影・朝日新聞社)

両校の顔合わせは9年ぶり8回目で、これまでの対戦成績は3勝3敗1分けと五分。今年度から年明けのライスボウルがXリーグ王者をかけた戦いに移行したため、甲子園ボウルが文字どおり大学フットボールの締めくくりとなる。

両校の今季の成績

【関西学院大】        【法政大】
○48- 7同志社大 リーグ戦   ○35-28日本大
○45- 0京都大         ○35-14立教大
○20-10関西大        ○30-13中央大
○28-25立命館大 優勝決定戦 ○24-10早稲田大
○34-24立命館大 代表決定戦 ○56-13東北大

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