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法政大学が9年ぶりの関東制覇、早稲田大学から7年ぶりの勝利

法政大学のRB新井優太は第4Qに優勝を引き寄せるTDを決めた(撮影・全て朝日新聞社)

関東大学アメリカンフットボール1部TOP8順位決定戦

11月27日@横浜スタジアム
優勝決定戦 法政大(Bブロック1位)24-10(3-0、14-0、0-7、7-3)早稲田大(Aブロック1位)
3位決定戦 中央大(B2位)26-22明治大(A2位)
5位決定戦 桜美林大(A3位)10-7立教大(B3位)
11月28日@アミノバイタルフィールド
7位決定戦 日本大(B4位)34-9東京大(A4位)

アメリカンフットボールの関東大学1部TOP8は順位決定戦があり、優勝をかけた一戦は法政大学が早稲田大学に24-10で勝って9年ぶり19度目の優勝を決めた。法大は甲子園ボウル(12月19日)出場をかけて全日本大学選手権東日本代表決定戦(12月5日@アミノバイタルフィールド)で東北大学と対戦する。。昨年、甲子園ボウルに出場した日本大学は7位決定戦に回り、東京大学を下して初勝利を挙げた。

甲子園ボウルかけて東北大と対戦

法大は第1クオーター(Q)にK露峰哲太(1年、法政二)の26ydのフィールドゴールで3点を先制した。前半は攻守ともに法大の動きが上回る。第2Qに入ると、4分過ぎにRB宮下知也(3年、法政二)が左へ走り込んで最初のTDを奪った。ランで早大の2倍以上の155ydを稼ぐなど強力なRB陣が力をみせた。ディフェンス陣も3年生副将のLB山田敦也(3年、千葉日大一)を中心にインターセプトなどで奮闘。前半終了間際にはエースRB星野凌太朗(3年、日大三)が残り1ydを中央から飛び越えて追加点を奪った

法大の1年生キッカー露峰は先制FGなど確実にキックを決めた

昨秋は両校の対戦がなく、2019年のリーグ戦では法大が目の前で早大に優勝を決められていた。1年生だった星野の98ydキックオフリーターンTDなどで28-14とリードして折り返したが、後半に逆転を許した。その時の思いがあり、17点のリードにも決して気の緩みはなかったが、早大もさすがだった。

早稲田が法政に逆転勝ち、2年連続6度目のVで選手権へ 関東大学1部TOP8

早大も意地をみせた反撃

第3Qに入ると、流れが一変した。早大がリズム良く攻撃を組み立て、4分59秒にエースRB吉澤祥(4年、成蹊)がチーム初のTD。第4Qに入ってK平田智裕(3年、早稲田実)の39ydFGで7点差に迫った。

早大は第3QからRB吉澤のTDなどで反撃したが届かなかった

法大が勢いを取り戻したのはディフェンスから。相手のスペシャルプレーを読んで、厳しくプレッシャーをかけてファンブルを誘い攻撃権を奪い返した。最後はRB新井優太(2年、啓明学院)が試合を決めるTDを奪った。

秋に早大に勝つのは7年ぶり、4年生は初めて味わう優勝だったが、太田成哉主将(4年、千葉日大一)らは喜びを爆発させなかった。「このチームができた時に掲げた目標が日本一で、僕たちは日本一になるまで泣いたり喜んだりしない。東日本(代表決定戦)も残っていますし、喜んでいなかった表情になっていたのかなと思う」と太田主将は振り返った。リーグMVPには星野が選ばれた。

カップを掲げる法大のLB太田主将(中央)とLB山田(左)とWR小山の両副将

法大・有澤玄ヘッドコーチ 「最終的に1点でも勝てばいいと試合に臨んでいるので、選手はよくやってくれたと思う。チームとしての伸び代はまだ、たっぷりとある。次の試合まで1週間しかないが、しっかりとレベルを上げていきたい。『日本一になるべくして日本一になる』というのが目標なので、ちょっとほど遠いかなと。勝った会見じゃないみたいですが、まだ、まだ。ここから本当にやっていきます。やります」

9年ぶりの優勝で4年生も初めてのリーグ制覇だった

リーグMVPの法大・星野 「チームとして勝てたことはすごい大事なことで、とてもうれしい。個人としてはまだまだ課題がたくさんあって、今日もやりきれない部分が多かった。そこは反省して、しっかり1戦1戦、次の試合から克服してやっていきたい」

法大のRB星野は第2QにTDを奪い、リーグMVPにも選ばれた

早大・高岡勝監督 「時計が0秒になるまで、学生は集中してくれた。本当に1年間ご苦労様、キャプテンの永山にはありがとうと言いたい。やはり法政さんは強かった。(4年生は)人数少なく個性的なメンバーが多かったのでどうなることやらと思っていた。(監督を)5年やってきたが、本当に一番変わった4年生だと思う。勝たせてやりたかった」

早大・永山開一主将 「去年、コロナで練習ができなくて、今回、絶対、甲子園に行って日本一になると目標に掲げてきた。去年の4年生の方からも『絶対、今年は甲子園に行って、勝ってくれ』と言われていたが、負けてしまったので、本当に申し訳ないという一言に尽きます」

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