コロナ禍の早稲田大、3年連続の甲子園ボウル逃す 桜美林大が日大と決戦へ
関東大学TOP8
11月15日@アミノバイタルフィールド
第3節最終日
Aブロック
法政大33-21中央大
順位(1)日本大、勝ち点9(2)法政大、6(3)東京大、3(4)中央大、0
Bブロック
明治大28-21早稲田大
順位(1)桜美林大、勝ち点6(2)明治大、6(3)早稲田大、3(4)立教大、0
関東大学アメリカンフットボールTOP8は15日、ブロック最終戦があり、Bブロックの早稲田大学は明治大学に21-28で敗れて3年連続の甲子園ボウル出場を逃した。新型コロナウイルス感染者が発生した早大は立教大学戦が中止となり、1勝1敗の3位だった。TOP8初昇格の桜美林大学がB1位となり、甲子園ボウル出場をかけた29日の順列決定戦で、A1位の日本大学と対戦する。
RB吉澤祥らオフェンス奮起した早大
コロナ感染者が出た早大は、活動を再開したのは11日からだった。明大戦に向けた実質練習は3日しかできなかった。第1クオーター(Q)に先手を許すと、第2Qには明大のエースQB西本晟(4年、箕面自由学園)に43ydのTDパスを決められた。
早大の高岡勝監督は「練習の時もプレースピードが全然出てなかったので、前半で慣らせるようにと選手に言っていた。1本差ぐらいで後半に入り、何とかアジャストしてと思っていた」と試合展開を読んでいた。それが、オフェンスの奮起で14点差を追いついて折り返せた。第2Qの7分59秒にRB吉澤祥(3年、成蹊)が8yd走って初のTDを奪うと、終了間際にはQB宅和真人(4年、早大学院)からWR田口凜太郎(3年、早大学院)へのTDパスが通った。第3Qも先行されたが、吉澤が力強い走りからTDを奪い、再び追いついた。関東王者が意地を見せ、期待はつながった。
1カ月ぶりの試合、ディフェンスにほころび
活動が休止になったのは10月下旬。1試合中止になり、実戦は10月17日以来、ほぼ1カ月ぶりだった。例えば、飛び込むようなタックルになり仕留め切れなかったのは、実戦不足の影響だろう。DB大西郁也主将は「最初からしんどい試合展開で。どこで勝負できるか模索している中、ディフェンスがやられ続けた。まあ、コロナうんぬんではなく、言い訳せずに、シンプルに力負けした。明治のランは止まらなかった」。第4Q、明大QB西本にTDパスを決められて三度目のリードを許すと、追いつく力はもう残ってなかった。
「しっかりやらせてやりたかった」涙声の高岡監督
試合後、高岡監督が部内の様子を明かした。「コロナ(感染)は2回あり、8月に1人、今回は5人。彼らは生活面もチェックしていましたけど、すごい真面目で。『夜遊んでいた』とか風評被害を受けた。いろんなこと言う人がいましたけど、本当に彼らそういうのに負けず……」。言葉が途切れた。「しっかりやらせてやりたかったですね」と涙声でつぶやいた。
3年連続で甲子園ボウルに出るだけでなく、そこで勝つという悲願の大学日本一は思わぬ形で幕を閉じた。「真面目に生活していても感染する。他のチームもこういうことにならないように気をつけてほしいなと思います」と呼びかけ、「頑張れる文化といのうか、4年生は下級生の面倒も見ながら、次につながるのではないか」。気持ちを切り替え、東京大学との順列決定戦へ向かう。
明大は対早大9年ぶりの白星
勝った明大にも難しい試合だった。前日、桜美林大が立教大に勝ったことで、明大の甲子園ボウルへの道は絶たれていた。岩崎恭之監督は「悔しい部分はありますが、終わったこと。今日の試合に集中することだけを考えた」と言った。2TDを挙げ、文字通りチームを引っ張ったRB山田大葵(ひろき、4年、関西大倉)は「最後まであきらめなかった方が勝つと言い続けてきた。それが体現できた試合」。早大戦9年ぶりの勝利に胸を張った。