アメフト

TOP8初昇格の桜美林大学が亡き学園理事長に捧げる初勝利

目頭を押さえる桜美林大学の関口順久監督(撮影・森田博志)

関東大学TOP8

10月31日@東京・アミノバイタルフィールド
第2節Bブロック
桜美林大(1勝1敗)17-7明治大(1勝1敗)

アメリカンフットボールの関東大学TOP8(1部上位8大学)第2節は10月31日、東京・アミノバイタルフィールドであり、BブロックではBIG8(1部下位)から上がってきた桜美林大学が明治大学に17-7で逆転勝ち、TOP8初勝利を挙げた。

室伏夏清主将「チームを変え甲子園で勝つ」

「絶対、勝たなきゃいけない試合だった」

試合後の記者会見、就任8年目の関口順久監督は「今日は絶対、勝たなきゃいけない試合だったので」と切り出した後、しばらく言葉が続かなかった。そして、目頭を押さえた。「チームを応援して頂いた大学の理事長が亡くなり、絶対勝たなきゃいけない試合だった」。近年、桜美林大は学園創立100周年となる2021年までの甲子園ボウル制覇を具体的な目標に掲げ強化してきた。初戦の早稲田大学に敗れた後、その道筋を支えてくれていた佐藤東洋士・学園理事長が亡くなった。

WR宮澤稜は勝ち越しタッチダウンなどの活躍(撮影・北川直樹)

桜美林大は明大に7点リードを許して折り返した。第3クオーター(Q)にWR関根幹太(3年、明治学院東村山)のタッチダウンで追いつき、第4Qの5分、WR宮澤稜(2年、埼玉栄)への30ydタッチダウンパスが通って勝ち越し。さらにFGを加えて逃げ切った。ディフェンスの踏ん張りでロースコアの競り合いに持ち込めたのが大きかった。

大事な場面で相手のパスをインターセプトしたDB河井駿太(2年、都立片倉)は「序盤は明治に流れをもっていかれていた。要所、要所でディフェンスのLBとDLがランを止めてくれて、その分、DBがパスに集中できた。今回の試合ではインターセプトを狙っていた」と納得の表情だった。

ディフェンスで奮闘したDB河井駿太

二つ下のカテゴリーの2部だったチームを引き上げた関口監督は「ようやく1勝ですね。7年かけてここまで来た。人数も増えて、やっと日本一を狙うところに来た。新しい選手は、本当に日本一になりたくて桜美林に来てくれるので、そういう選手にこたえたい」と話した。人材をみれば、他の有力TOP8勢には及ばないが、「うちはとにかく、ファンダメンタルなんです。ヒットする、タックルする、ボールの扱いしっかりやる。そこで、我々が秀でないと勝てる道はない。そこだけだと思ってます」。今年はどの大学も十分な練習を積めていない中で、強く当たったり、しっかりタックルしたりと基礎練習を徹底してきたという。

これから上がっていくチーム

初戦で3連覇を狙う早大に6-9で惜敗したが、まだ、優勝の可能性は消えていない。目黒学院高ではラグビーに打ち込んでいたが、すっかりアメフトに魅せられているDLの室伏夏清主将(4年)は「このゲームは絶対落とせなかった。まだ、通過点、次の立教戦もしっかり勝ちたい。桜美林はこれからどんどん上がっていくチームなので」と先を見据えた。

in Additionあわせて読みたい