羽生「4回転半を武器に」宇野「トップ争いへ」 五輪へ意気込み語る
大会終了後、日本スケート連盟はフィギュアスケートの北京五輪代表を発表し、男子は羽生結弦(ANA)のほか、宇野昌磨(トヨタ自動車)、鍵山優真(オリエンタルバイオ・星槎)、女子は全日本を制した坂本花織(シスメックス)、2位の樋口新葉(わかば)(明大)と3位の河辺愛菜(木下アカデミー)、アイスダンスは小松原美里、尊(たける)組(倉敷ク)、ペアは三浦璃来、木原龍一組(木下グループ)を選んだ。羽生とペアの木原は3大会連続、宇野と坂本は2大会連続の代表で、それ以外は初出場。代表発表後、選手たちは喜びを語った。
フィギュア男子で94年ぶりの五輪3連覇をめざす羽生は「僕にとってはあまり考えていなかった五輪。出るからには、勝ちをしっかりとつかみとってこられるように」「3連覇の権利を有しているのは、僕しかいない。前回、前々回とは違った強さで五輪に臨みたい」と話した。4回転半に関しても、「ちゃんと武器として携えていけるように頑張る」「自分が北京五輪をめざす覚悟を決めた背景には、4回転半を決めたいという思いが一番強くある。しっかり成功させ、そのうえで優勝をめざす」と話した。
宇野は「僕はどの試合も2番手が多い。(五輪までに)トップをめざせる練習をして、トップ争いで名前が挙がる状態で挑みたい」「前回の五輪は終始緊張しなかった。どんな心境、状況になっても、自分が成長できるような五輪にしたい」と話した。鍵山は「今のままの(演技)構成では、ノーミスでも他の選手にはまだ勝てない。もっとレベルアップできるように。全力を尽くして、表彰台にのぼれるように頑張りたい」。
坂本は「自分のベストの演技、精いっぱいの滑りをするだけ。自分との戦い。しっかりコンディションを整えていきたい。団体戦もメダルのチャンスがある」と意気込んだ。樋口は「4年前は(五輪を)めざしたがかなわず、4年間を悔しい気持ちで過ごしてきた。ほっとしているのと、うれしい気持ちでいっぱい。自分らしい落ち着いた演技ができたら」とし、河辺は「五輪まで少しでも実力を上げたい。完璧な演技をして世界と戦える点数を出したい」と述べた。
小松原美里は「心より光栄。この組を選んでよかったと思ってもらえるように。日本のアイスダンスはいま、レベルも注目度も上がっている。トップが上にいかないと裾野が広がらない。日本最高位をとりたい」、小松原尊は「日本代表として戦えてとても光栄。自分たちはいろんなことを乗り越えた強さがある。全力でがんばりたい」と語った。
=朝日新聞デジタル2021年12月27日掲載