【ライブ採録】羽生や鍵山の魅力は? 慶應義塾大・高橋成美が語るフィギュアスケート
フィギュアスケートペアで2014年ソチオリンピック元日本代表の慶應義塾大学総合政策学部4年の高橋成美(28)が先月、朝日新聞社YouTu部のライブ配信に出演した。2018年に現役引退し、7月に松竹芸能から女優への転身を発表。テレビのバラエティー番組に出演するなど新境地に挑んでいる。ライブ配信ではフィギュアスケートの撮影経験が豊富な朝日新聞映像報道部の遠藤啓生カメラマンと対談し、大好きなフィギュアスケートの魅力をたっぷり語ってくれた。
卒論提出の羽生結弦は「別格」
「今回、生配信ができるということで1日中わくわくしていました」と満面の笑みで語り始めた高橋。卒業論文に取り組んでいる時期で、その話題から始まった。「文献をたくさん読んでいるときは語彙力があり、しゃべるシーズン中なのでよかったです」
卒論は言語学や心理学の分野からセルフトークを研究している。「(完全に集中した)フロー状態を言語化させ、(複数の)事例から共通点を見つけ出し、セルフトークから逆のアプローチでフロー状態に導いていくことを考えています」と語る。
卒論に苦戦していた頃、オリンピック2大会連続金メダルの羽生結弦(ANA、早稲田大卒)が卒論を提出したことが話題になった。「世界の誰よりも注目されているゆづが卒論を出したと聞いて、私もしっかりしなきゃと。スケートだけではなく、人間としても羽生結弦は別格だなと思いました」とたたえる。
「磨けるチャンス、頑張って」
新型コロナウイルスにより、フィギュアスケート界も大会中止や無観客試合など影響が出ている。「あると思っていた試合がなくなってしまうと心理的にも困惑する。しかも、この先どうなるかわからない。次があるという確証がないまま、どういった練習をしていけばいいのか(という状況)。そういったことも乗り越えて、磨けるチャンスだと思って頑張ってほしいです」と選手たちを気づかう。
ペアの三浦璃来、木原龍一組(木下グループ)と連絡をとったという。二人はカナダを拠点に、18年平昌オリンピックペアのカナダ代表で銅メダルを獲得したメーガン・デュハメル・コーチの指導を受けている。メーガンコーチとパートナーを組んでいたエリック・ラドフォードさんも教えに来てくれるそうで、貴重な練習機会になっている。ただ。リンクの人数制限があり、通常の3分の2くらいの練習しかできていない状況だという。
コロナ禍でもプラスに捉えて前に進んでほしいと願う高橋。注目しているのが、18年平昌オリンピックアイスダンス代表の村元哉中(かな)、10年バンクーバーオリンピック男子銅メダリストでアイスダンスに転向した高橋大輔組(関西大学カイザーズフィギュアスケートクラブ)だ。「お披露目、初戦の舞台が長引くことで、ジャッジの前により高い完成形を出せると思います。この状況を強みとして生かしてくれるカップルもいるかもしれません」。その期待通り、高橋、村元組は先月末のグランプリ(GP)シリーズNHK杯でデビューし、持ち前のスケーティングや華やかさで魅了、可能性を感じさせる演技を披露した。
ジュニアのペアも期待
終盤はフィギュアスケートへの愛を語り続けた。ニューフェースの鍵山優真(星槎国際横浜高)を挙げ、「次の世代が出てきている感がしますね。いつか私に憧れてくれる選手が出てきたらと思います」と語った。ほかにもフィリップ・キャンデロロ(フランス)やエフゲニー・プルシェンコ(ロシア)、アイスダンスのメリル・デイビス、チャーリー・ホワイト組(米国) など歴代の名スケーターの演技写真を見ながら魅力を語り尽くした。
現在、木下アカデミー京都アイスアリーナでペアの指導もしている。「ジュニアですごく期待大のペアがいます。ペアを始めてくれるだけで涙が出そうで、しかもうまくて」と目を輝かせる。
1時間のライブ配信はあっという間に終了。視聴者からもたくさんのコメントや質問が寄せられた。「楽しすぎて、延長したいし、シリーズ化させましょう。友達どんどん(呼んで)。深い話をしていきたいですね」と続編に意欲を見せた。
12月26日夜にライブ配信続編
朝日新聞社では、全日本選手権開催中の12月26日(土)23時から高橋さんが出演するライブ配信を予定。男子を中心に出場選手の魅力を語り尽くします。YouTubeのコメント欄に寄せられた質問や感想も紹介しながら展開。「ファンと語り合いたい」と心を弾ませる高橋さん。いったいどんなエピソードが飛び出すのか。YouTubeの「Kiss and Cry Plus ~朝日新聞社フィギュアスケートチャンネル」を登録して、ぜひご視聴ください。朝日新聞社YouTu部、4years.のツイッターもぜひチェックしてください。(12月24日更新)