【動画】慶應義塾大学の高橋成美、女優に転身 フィギュアスケートペア元日本代表
フィギュアスケートペアで2014年ソチオリンピック元日本代表、2018年に現役引退した慶應義塾大学総合政策学部4年の高橋成美(28)。先月、松竹芸能より女優への転身を発表し、4years.と朝日新聞社YouTu部の取材に応じてくれました。フィギュアスケートの撮影経験が豊富な朝日新聞映像報道部の遠藤啓生カメラマンが高橋さんと対談。グランプリシリーズの思い出、日本代表初の世界選手権銅メダルの演技、その大会で同じく銅メダルを獲得した同世代の羽生結弦の魅力とは。動画と合わせてお楽しみください。
私も繊細なんですよ(笑)
高橋:フィギュアスケートソチオリンピックペア日本代表で、松竹芸能から役者を目指している高橋成美です。よろしくお願いします。
遠藤:(現役時代に)グランプリシリーズにいろいろ出ていたと思うのですが、お気に入りの大会はありますか。
高橋:NHK杯が一番最高です。私のアメリカの友達もカナダの友達もロシアの友達も口を揃えて、お客さんがプラスな反応をしてくれる、勇気をもらえると言います。それとホテルのご飯がおいしい。(試合会場とホテルとの)シャトルバスの(運行)時間もきちんとしています。スケーターは繊細なので。私も繊細なんですよ。試合前の調整は分単位でウォーミングアップスケジュールを組んでいたり、メイクするタイミングをつくったりしている。試合の進行もジャパニーズブランドできっちりしている。ほかにも、NHK杯は音(音響)がいいんです。普段の練習では聞こえない音がNHK杯で初めて聞こえたりして。NHK杯がきっかけでこの音を取っていこうとなったことがありました。
遠藤:2012年世界選手権で日本代表ペアとして初めてメダルを獲得。僕も現場にいました。
高橋:(写真を眺めながら)感情が思い浮かべられますね。この試合は特に。
遠藤:ショートプログラム(SP)の後、右手でガッツポーズをしていたのが印象的でした。
高橋:みんなに向かってガッツポーズする前にまず両手でガッツポースした覚えがあって「(やってきたことが)全部出た」と。お客さんに「ね、やったでしょ、みんなのおかげだよ」というシーンですね。
遠藤:フリーを終えてのグータックも印象的でした。二人でしみじみ喜んでいるように感じたんですが。
高橋:決してパーフェクトな状態ではなかったけれど力を出し切った。総合3位になるとは思ってなくて。SP3位のスモールメダルがもらえて満足しちゃってて(笑)。それで先生(コーチ)に怒られて。(体調もよくなかったので)完璧な状態じゃなかったからこそ余計なことを考えずにやり切るという目標に向かってよい演技ができました。
「ゆづ」と「羽生結弦」は別人
遠藤:(同じ大会で銅メダルを獲得した)羽生結弦選手とは長い付き合いですよね。
高橋:ゆづとは小学2年生くらいからお互い知っていて、私にとっての「ゆづ」と「羽生結弦」はまた別人ですね。いつ会っても「ゆづ」は「ゆづ」で「ゆづ」なんですよ。すごいやんちゃでいたずらも好きだし、熱いところも持っているけど、氷の上や舞台の上に上がると、「ゆづ」の中の「羽生結弦」がぐわーっと出てくるんです。その舞台から下がると「羽生結弦」が収まって、いつもの「ゆづ」に戻る。
ゆづは親友として大好きだし、私は羽生結弦のファンなんです。「ロミジュリ」(2011~2012年シーズンのフリー「ロミオとジュリエット」)の伝説のプログラムは何回も見ています。
遠藤:これから女優として新たな道に進むと思います。応援しています。
「4years.のつづき」高橋成美の連載が18日から始まります
「4years.のつづき」より、高橋成美のインタビューを全4回で連載します。ペア競技との出会いからソチオリンピック出場、現役引退、そして女優への挑戦までを語ります。