青山学院大が2年ぶり6度目の総合優勝で“完全優勝”、原晋監督「チーム全体で成長」
第98回箱根駅伝
1月2・3日@東京・大手町~箱根・芦ノ湖間往復の217.1km
総合優勝 青山学院大学(2年ぶり6度目)10時間43分42秒(大会新記録)
2位 順天堂大学 10時間54分33秒
3位 駒澤大学 10時間54分57秒
4位 東洋大学 10時間54分59秒
5位 東京国際大学 10時間55分14秒
6位 中央大学 10時間55分44秒
7位 創価大学 10時間56分30秒
8位 國學院大學 10時間57分10秒
9位 帝京大学 10時間58分06秒
10位 法政大学 10時間58分46秒
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11位 東海大学 10時間59分38秒
第98回箱根駅伝往路で青山学院大学は2年ぶり6度目の総合優勝をつかんだ。青山学院大は往路・復路・総合で全て優勝、また、10時間43分42秒と青山学院大が第94回大会(2018年)にマークした大会記録(10時間45分23秒)を大幅に更新する快挙を成し遂げた。
青山学院大は復路で2人が区間新
往路で青山学院大は3区の太田蒼生(1年、大牟田)で首位に立つと、そのまま首位を守り、2位の帝京大学に2分37秒差、3位の駒澤大学に3分28秒差をつけた。復路のスタートとなる6区で順天堂大学の牧瀬圭斗主将(4年、白石)が一気に前との差を詰めて一時2位に立ったが、駒澤大の佃康平(4年、市立船橋)が意地を見せ、牧瀬を抜き返す。6区は牧瀬が区間賞を獲得。7区では首位を走る青山学院大の岸本大紀(3年、三条)が区間賞の走りで差を広げ、8区の佐藤一世(2年、八千代松陰)に襷(たすき)リレー。
青山学院大が首位を独走する中、駒澤大の鈴木芽吹(2年、佐久長聖)と順天堂大の津田将希(4年、福岡大大濠)が2位争いを繰り広げる。けが明けでレースに臨んだ鈴木は中盤に津田から置いて行かれ、そのまま失速。順位を2位から6位に下げたが、気力で襷をつないだ。
青山学院大は9区の中村唯翔(3年、流経大柏)と10区の中倉啓敦(3年、愛知)がともに区間賞・区間新の快走を見せ、2年連続でアンカーを務めた中倉は笑顔でゴールに飛び込んだ。2位には順天堂大、3位にはアンカー勝負を制した駒澤大が続いた。中央大は3位でアンカーの井上大輝主将(4年、須磨学園)に襷をつなぎ、最後は6位でゴールとなったが、最初で最後の箱根路に挑んだ井上は、10年ぶりのシード権獲得に笑顔を見せた。
飯田主将「何があっても崩れないチームになった」
原晋監督の話
「大会新記録、往路新記録で優勝することができました。復路には本来往路に回ってもいいぐらいの能力の高い選手が出走することになり、実力通りの走りをできた結果だと思います。そして復路にこの5人を持っていくことができるぐらい、往路の選手がこの1年間で成長してくれた、チーム全体の中で成長してくれたことが大会記録でのゴールになったのかなと思っています。学生たちは自立する『青学メソッド』の中でしっかりと指示を守り、メソッドを遂行することができています。その中での『自律』、自分に足りないものはなんなのか、目標とするものは何なのか、そういうものを監督がいなくても実行する。それをキャプテンの飯田を中心として、学生が自分でやるようにチーム全体で浸透しています。コーチやトレーナー、全国の高校指導者の方など、多くの皆様に感謝申し上げたいと思います」
4区を走った飯田貴之主将の話
「前回大会4位で終わったところから新チームがスタートしました。前回は主将の神林(勇太)さんが抜けて、戦力、精神的にも崩れてしまったのが結果に影響したと思いました。だからチームが始まる時に、『一人ひとりが走って優勝させるんだ』『なにがあっても崩れないようにしよう』と話しました。5000mや10000mのタイムとかでは強さを証明できていたけど、出雲、全日本と勝ちきれず歯がゆい結果で終わっていました。2つの大会の前は『厳しい大会になるから覚悟を持って戦おう』と声がけしていました。でも今回は『自分たちの力を発揮すれば、他を圧倒して圧勝することができる』とレース前日に言わせてもらって、本当に全員が力を発揮してくれて、総合力で優勝できました。本当に『何があっても崩れないチーム』を体現できたんじゃないかなと思っています」