海底火山噴火のトンガへの支援広がるラグビー界、大東文化大学との交流から縁
海底火山の噴火と津波の被害にあった南太平洋の島国トンガへの支援の輪が日本のラグビー界でも広がっている。リーグワンのトヨタヴェルブリッツは今シーズンのイヤーブックなどの売上金全額を寄付、東京サントリーサンゴリアス(SG)の母体サントリーホールディングスも義援金1000万円を送ることを決め、1月27日に発表した。
トヨタにはフランカーのタウファ オリヴェ(正智深谷高-埼玉工大)とフェツアニ ラウタイミ(摂南大)、FBウィリアム・トゥポウとトンガ出身の3選手がいる。公式オンラインショップで販売しているイヤーブックと「創部80周年記念オリジナルG-SHOCK」(2月28日まで)の売上金が全額寄付されるという。トヨタは「1人でも多くの皆様の想いを、トヨタヴェルブリッツとして微力ながらお届けできればと思います。ご協力のほど、何卒よろしくお願い致します」としている。
また、東京SGの田中澄憲ゼネラルマネージャーは「この度の火山噴火により、被害にあわれた全ての方々に心からお見舞い申し上げます。『東京サントリーサンゴリアス』には、OBを含めてトンガにルーツを持つ仲間が多くおり、1日も早い復興をお祈りしております。チームとしてもさまざまな支援をしていきたいと考えております」とコメントした。
「そろばん留学生」の来日
日本とトンガのラグビーの縁は深い。きっかけは、1970年代にそろばんの専門家で大東文化大ラグビー部長だった中野敏雄さんが飛行機内でトンガの教育次官とたまたま隣り合わせたこととされる。当時のトンガ国王は、そろばんなど日本文化への関心が高く、80年から大東文化大は「そろばん留学生」を受け入れた。その1期生がのちにラグビー日本代表になり、87年の第1回ワールドカップ(W杯)で日本に初トライをもたらしたノホムリ・タウモエフォラウさんだった。そこから、大学や高校に留学生が続々と来日するなど次第につながりは太くなった。2015年のW杯日本代表には5人のトンガ出身選手がいた。
今回の海底火山噴火で大東文化大ラグビー部もホームページなどで支援を呼びかけている。リーグワンの試合会場でもチャリティー活動が行われている。