ラグビー

リーグワンが開幕、東京SGが7トライで快勝、BL東京のディアンズは最年少トライ

開幕戦の後半29分、東京SGのCTB中村は左中間にトライ(撮影・全て朝日新聞社)

ラグビーの新リーグ「NTTリーグワン」が1月8日に幕開けし、昨季トップリーグ準優勝の東京サンゴリアス(SG、旧サントリー)はブレイブルーパス(BL)東京(旧東芝)を60-46(前半24-27)で下して白星発進した。1部の12チームは2組に分かれて、5月までに同組内の2回の総当たり戦と別の組との交流戦を実施。上位4チームがプレーオフに進んで初代王者を決める。7日の開幕戦に続き9日に予定されていたトヨタ-静岡(旧ヤマハ発動機)も中止になるなど新型コロナウイルスの影響の中での船出となった。

19歳8カ月が2トライ

ともに東京都府中市に拠点を置く味の素スタジアムでの「府中ダービー」は前半3分に東京SGのWTB尾崎晟也のトライで幕を開けた。この後、BL東京は相手ゴール前ラインアウトからFLリーチマイケルが突進、HO橋本大吾がさらにゴール前に迫った。このラックからボールをもらった19歳のLOワーナー・ディアンズがゴールポスト下に飛び込んでチーム初トライを挙げた。

前半8分、BL東京のLOディアンズはチーム初トライを挙げる

ディアンズは昨季の第100回全国高校大会に流通経大柏高(千葉)から出場していた。大学には進まず、2021年4月から東芝(現BL東京)に加入。身長201cm、体重117kgの大器は秋には日本代表の欧州遠征に参加していた。19歳8カ月でのトライは18年間のトップリーグ時代を含めても史上最年少記録となった。ディアンズは後半にもこの試合2つ目のトライを挙げたほか、フル出場してキックオフなどで存在感を示した。

大卒選手も躍動

3点リードされて折り返した東京SGは後半に中村亮土主将らが5トライを挙げて逆転した。ニュージーランド代表のダミアン・マッケンジーもFBで日本デビュー、ゴールキックの時にほほ笑むことでも知られているが、ゴールキック13本のうち10本を成功させた。

筑波大で活躍した東京SGのWTB仁熊も後半途中から初出場した

昨季まで大学ラグビー界で活躍した選手も躍動した。東京SGでは早稲田大でLOだった下川甲嗣がFLで初先発。筑波大でトライゲッターだった仁熊秀斗も後半28分から初出場した。BL東京では昨季の大学王者、天理大出身の小鍛冶悠太が右PRで初出場初先発、大学日本一の司令塔だった松永拓朗はFBで初先発した。

BL東京のFLリーチからパスを受ける初出場のPR小鍛治(右)

東京SG・中村主将 「今日の試合は開幕戦っぽい。いい意味でも悪い意味でも。まだ、チームが完成し切れてない中でも自分たちの強みは出た。課題もみえたのでいいゲームだった。シーズンは長い。毎週、毎週、課題をクリアにして最後のファイナルまで向かっていければ。個人で言うとまだまだ、合格点をあげられない。キャプテンでチームをリードしないといけない立場ですが、自分のプレーにフォーカスして、一選手としてもプレーに向かっていきたい」

東京SGのFBマッケンジーはゴールキックの時「ほほ笑む」ルーティンをみせる

東京SG・マッケンジー 「ほどよい緊張感はあった。いつも通りです。楽しみにしていた感覚の方が強かった。予想していたスピード感。自分はそこにアジャストしていかないといけない。自分はテンポの早いラグビーの方が合っているので、そこにアジャストしていきたい。今日のキックはもうちょっと決めたかった。100%満足ではないが、いいキックはできた。スマイルのルーティンだけど、長年やっている。笑うと、自分がリラックスした状態で蹴れる。いつも決まるわけじゃないけど、ルーティンの中でそういうプロセスをしている」

BL東京・ディアンズ 「初の80分(の試合)ですごく楽しかった。スタジアムにいる時の雰囲気が練習試合と全然違う。緊張はしていないです。(1年前は全国高校大会に出ていたが)高校卒業してすぐプロになるということは、そうなる。相手が相手なので、自分のやることだけに集中した。(日本代表に選ばれ)いっぱい、いい経験ができた。それを生かしてリーグワンでいい経験をできると思う。(トライの最年少記録は)わかんないすね。そういうのはあんまり考えないので。自分のプレーを成長していく」

BL東京のLOディアンズはモールなどでも中心になり動いた

BL東京・ブラックアダーHC ディアンズについて「素晴らし才能がある。自分たちのプログラムに入ってきた時はまだ若々しくて、課題の多い選手でした。日本代表に加わり、インテンシティーの高い環境でやり、成長しつつある選手です。毎週、毎週、東芝の環境ですごくよくなれている。すごく自信をつけることができたと今日のプレーをみながら思った。日本ラグビーのスターが生まれつつある。NZに送り返した方がよかったかな、それは冗談ですけど。NZの19歳ぐらいの選手と比べてもワーナー(・ディアンズ)選手はすごい。(世界的名選手のサム・)ホワイトロックの19歳の時を思い出すような感じ。ワーナーの方がちょっと上かな」

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