サントリーが唯一の全勝でリーグ戦終了、新人の下川甲嗣がデビュー「最速」トライ
トップリーグのリーグ戦順位と個人賞
【レッドカンファレンス】
1 サントリー 勝ち点34
2 トヨタ自動車 28
3 クボタ 25
4 NTTコミュニケーションズ 17
5 東芝 16
6 ホンダ 6
7 三菱重工相模原 6
8 宗像サニックス 5
【ホワイトカンファレンス】
1 パナソニック 31
2 神戸製鋼 29
3 NTTドコモ 17
4 リコー 17
5 キヤノン 16
6 ヤマハ発動機 15
7 日野 7
8 NEC 1
【最多トライゲッター】 テビタ・リー(サントリー)、マロ・ツイタマ(ヤマハ発動機)10トライ
【得点王】 ボーデン・バレット(サントリー)128得点(6トライ、37ゴール、8PG)
【ベストキッカー】 田村優(キヤノン)キック成功率87.0%
ラグビーのトップリーグ(TL)は4月11日、8チームずつ2組に分かれたリーグ戦を終えた。最多6度目の優勝を狙うサントリーが唯一の7戦全勝だった。リーグ戦での順位は17日から始まるプレーオフトーナメントに反映され、トップチャレンジリーグ上位4チームを加えた計20チームが、来季から新リーグに移行するため最後となるTL王者を目指す。日本選手権を兼ねた決勝は5月23日の予定。
14トライの猛攻
レッドカンファレンス1位通過を確実にしていたサントリーは中村亮土主将(29)を外すなどメンバーを入れ替えてNTTコミュニケーションズ戦に臨んだ。それでも、攻撃の手は緩めず、14トライを奪うなど94-31で大勝した。ミルトン・ヘイグ監督は「大量得点することができ、ファンも楽しんでいただけたのではないか。新人選手でカンジ(下川)がファーストタッチでファーストトライ。素晴らしいハイライトだった」と振り返った。
「先輩のナイスアシスト」
2021年度の新人は4月から出場可能になった。サントリーにも明治大学のFW箸本龍雅主将(22)ら大学トップクラスの5選手が加入したが、初めて控えのメンバーに選ばれたのは早稲田大学で活躍したFW下川甲嗣(22)だった。後半22分に交代出場して、相手ゴール前のスクラムで右フランカーの位置に入った。サントリーがこのスクラムを押し込んでPKを得ると、下川は自ら速攻を仕掛け、ゴールポスト左へ飛び込んだ。デビュー1分ほどで「最速」トライを挙げた下川は「スクラムが回った状態でペナルティーをもらって、自分の下にボールがあった。拾い上げてポイントへ行ったら、前が空いていたというか、いけそうな感じがあった。そこでさらに齋藤(直人)先輩から『行けっ』ていうことがあったので、タップしていきました。先輩のナイスアシストです」
ヘイグ監督は「ケガ人も結構、出ていた。マルチにFWのポジションをプレーできる器用な選手。練習でもコーチからもすごくいいフィードバックが出ていた」と起用の理由を説明した。下川は「メンバーに入るために練習しているが、びっくりというか心の準備ができてなかった。チームの一員とし絶対に責任を持ったプレーをしなければいけないと思った」と言い、負けられないトーナメントに向かうチームに刺激を与えた。
このほか、サントリーは前半にWTBテビタ・リー(26)が今季10トライ目を挙げ、最多トライで並んだ。今季初めてリザーブに回ったニュージーランド代表のボーデン・バレット(29)も18分ほどの出場で3トライなどを上積みし、計128得点とぶっちぎりの得点王となった。また、日本代表の司令塔でもあるキヤノンの田村優主将(32)が初めてベストキッカーに輝いた。
プレーオフトーナメント初戦の対戦
17日 三菱重工相模原ーコカ・コーラ(1)、豊田自動織機-NEC(2)
18日 清水建設-日野(3)、宗像サニックス-近鉄(4)
24日 東芝-リコー、サントリー-(2)の勝者、クボタ-ヤマハ発動機、(1)の勝者-神戸製鋼
25日 (4)の勝者ーパナソニック、トヨタ自動車-(3)の勝者、NTTコミュニケーションズ-キヤノン、ホンダ-NTTドコモ