巨人の守護神、大勢 「プロで生きる」恩師が確信した試合と純朴さ

開幕から守護神を任され、順調にセーブを積み上げる大勢

 巨人のドラフト1位新人・大勢(たいせい)(翁田(おうた)大勢)投手がその名の通り、大きな勢いを見せている。

潜在能力抜群 関西国際大・翁田大勢は猛アピールで逆境を跳ね返す

 開幕から守護神を任され、順調にセーブを積み上げる。

 関西国際大時代は、中央球界ではあまり知られていない存在だった。

 だが、緊迫した場面でも堂々と投げ抜く精神力には理由がある。

 最速158キロで三振が奪える右腕は、まさにリリーフ向きだ。関西国際大の鈴木英之監督は「一発勝負に強いんです」と語る。

 昨年の大学4年のシーズン。プロのスカウト陣にアピールすべき春のリーグ戦を、大勢は右ひじの故障で棒に振った。

 最後のチャンスだった秋季リーグ戦も所属する阪神大学野球連盟では、新型コロナの影響で9月末まで観客の入場を禁じていた。

 結局、ドラフト前に登板できたのは、10月4日の大体大戦の1試合だった。ネット裏に陣取った40~50人のスカウトが見つめるなか、大勢は14奪三振で完投した。

 プロのスカウトは対象の選手を何度も見て、評価を決める。それが大勢の場合は、ただ一度だけ。「僕も試合の前の晩は寝付けないぐらいだった」と鈴木監督。「自分の人生がかかった勝負。そのプレッシャーの中で好投した。あの経験はプロでも生きるでしょう」と話した。

 そんな22歳の右腕の素顔とは――。

 「田舎の純朴な青年ですよ」と鈴木監督は評する。大学のキャンパス、練習場があるのは兵庫県三木市の郊外だ。「神戸や大阪の繁華街に繰り出す子じゃなかったね。休みの日に中学の同級生と山に登っていたとか。東京みたいな大都会でどうなっていくのか、楽しみやね」と笑って話した。

(稲崎航一)

=朝日新聞デジタル2022年04月19日掲載

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