駒澤大・相澤佑哉主将「走る、戦う、徹底する」、フル出場で最後ラインから仲間を鼓舞
駒澤大学は関東大学サッカー1部リーグ戦前期を12チーム中、9位で終えた。それでも前期の最後を連勝で締めくくり、続いて行われたアミノバイタルカップ2022では3位になり、8月18日に開幕する総理大臣杯に出場する。
主将の相澤佑哉(4年、熊本Y)はここまでの公式戦に全試合フルタイム出場。個人としても、5月に大学日韓(韓日)定期戦の日本代表に召集された。5-0という日本チームが主導権を握る試合で出場こそかなわなかったが、チームとしても個人としても着実な成長を遂げている。
主将として挑むラストシーズン、苦しくても戦い続ける
高校時代を過ごした熊本ユースでは、1年生の時から高円宮杯U-18プリンスリーグ九州においてメンバー登録され、2年生ではレギュラーの座を獲得。その後、駒澤大への進学を決めた。
駒澤大では1年目にリーグ戦デビューを果たすと、2年生ではセンターバック、左サイドバックを主戦場に出場機会を確保。3年生になった昨シーズン、チームは布陣を4バックから3バックに変更したが、相澤はそこでも抜群の安定感を見せ、インカレ制覇などの躍進に大きく貢献した。そしてラストイヤーを前にして、自ら立候補して主将に就任した。
主将として臨んだ今シーズンの立ち上がりは苦しいものとなった。リーグ戦の開幕戦となった拓殖大学戦は、先制をするも逆転負け。相澤はチーム作りの難しさを感じ、「チームの経験値が少ないが、一体感を持ってやっていきたい」と話していた。4戦未勝利で迎えた第6節・順天堂大学戦(第5節は新型コロナウイルスの影響により順延)、攻守のかみ合った駒澤大は3-0と無失点で勝利。相澤は試合を振り返り、「ゴール前の強度やピッチのエリアごとの守備を徹底して意識づけした。それがうまくいったのではないかと思う」と語った。
駒澤大は3バックや4バックを試したり、それに応じて相澤もセンターバックやサイドバックをやったりとディフェンスラインを固定できずにいたが、このリーグ戦初勝利を機に、センターバックを相澤と鷹啄(たかはし)トラビス(3年、市立船橋)とで固定。185cmの長身を誇る鷹啄が前に出て競り合い、相澤がそのカバーリングをするという形で安定化を図った。
それでもなお、苦戦は続く。4戦勝利のない状況が続き、迎えた第10節・法政大学戦、駒澤大は試合開始早々に先制すると、その後は法政大の猛攻を受け続ける。シュートを11本浴びるも、相澤を中心とした守備陣が守り切り、1-0で勝利。「勝利のために走って、戦うことができた。意識をチームで統一して守り切ることができた」と話した。
主将として「先頭に立って引っ張っていきたい」
駒澤大のサッカーは、伝統的に“人もボールも動かし、相手よりも多く走る”サッカーだ。今シーズンもその根幹は変わらない。相澤や秋田浩一監督の口からは「走る」「戦う」「徹底する」という言葉がよく聞こえる。その中で相澤は、チームのスタイルを最も体現している選手だと言える。相手攻撃陣と激しくデュエルを繰り広げるセンターバックを主戦場に公式戦フルタイム出場を続けているのが、なによりの証拠だ。
リーグ戦前期最終戦から3週間後の7月9日に開幕したアミノバイタルカップでは、1回戦・青山学院大学戦と準決勝・国士舘大学戦で延長戦に突入するなど、灼熱(しゃくねつ)の中でハードな試合が続いた。8月6日にはリーグ戦後期が、8月18日には4大会連続19回目となる総理大臣杯が開幕する。相澤は「主将という立場で自分が誰よりも率先して頑張らなければいけないことは自覚している。しっかり調整できているので、先頭に立って引っ張っていきたい」と気持ちを引き締めた。
リーグ戦前期を連勝で締めくくり、アミノバイタルカップでも3位と調子が上がってきた今、相澤は「難しいゲームでも勝ち切ることができるようにはなってきたが、内容がついてきていない」と冷静に分析。「課題は依然として多く、リーグ戦ではチームが厳しい状況に置かれているのは変わりないので、アミノバイタルカップでのいい流れを後期のリーグ戦につなげていきたい」と意気込んだ。
頼れる主将は守備陣、そしてチームの核として最終ラインからチームを牽引(けんいん)していく。