野球

仙台育英監督「青春って、すごく密なので」 優勝インタビュー全文

初優勝を決め、ガッツポーズで応援席に駆け出す仙台育英の選手たち(撮影・柴田悠貴)

 第104回全国高校野球選手権大会は22日、阪神甲子園球場で決勝があり、仙台育英(宮城)が8―1で下関国際(山口)を破り、29回目の出場で初の全国制覇を果たしました。東北勢として悲願の初優勝となりました。須江航監督が優勝インタビューで語った内容をお伝えします。

青山学院大・中西聖輝 甲子園優勝の瞬間、歓喜の輪作らず 中谷監督の言葉に共感

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 仙台育英の須江航(わたる)監督の優勝監督インタビューは次の通り。

 ――初優勝おめでとうございます。

 宮城のみなさん、東北のみなさん、おめでとうございます!

 ――ゲームセットの瞬間、少し目元をおさえていらっしゃいました。どんな思いですか。

 100年、開かなかった扉が開いたので、多くの人の顔が浮かびました。

 ――宮城のみなさん、東北のみなさんの夢、かないましたね。

 準決勝、勝った段階で、本当に東北や宮城のみなさんからたくさんのメッセージをいただいて、本当に熱い思いを感じていたので、それに応えられて何よりです。

 ――今日の決勝でもすばらしいバッティングでした。2巡目に入ったところから、相手の変化球を積極的に振っていったようでしたが、どんな狙いでしたか。

 前半は(下関国際の)古賀君もすごい良いピッチングをしてたので、焦りはありませんでしたけど、本当に翻(ほん)弄(ろう)されている感じでした。でもここまで、宮城大会の1回戦から培ってきた、今年の選手のできること、自分たちが何をやってきたのか、本当に立ち返って、選手自身がよくやってくれたと思います。

 ――強力な投手陣5人を擁して、この甲子園でも継投で優勝まで至りました。

 今日は本当に斎藤(蓉)がよく投げてくれて。でも県大会は投げられない中でみんなでつないできて、つないできて、最後に投げた高橋も、今日投げなかった3人のピッチャーも、スタンドにいる控えのピッチャーも、みんながつないだ継投だと思います。

 ――今年の3年生は入学した時から、新型コロナウイルスの感染に翻弄されてきました。それを乗り越えての優勝。3年生にどんな言葉をかけたいですか。

 入学どころか、たぶんおそらく中学校の卒業式もちゃんとできなくて。高校生活っていうのは、僕たち大人が過ごしてきた高校生活とは全く違うんです。青春って、すごく密なので。でもそういうことは全部ダメだ、ダメだと言われて。活動してても、どこかでストップがかかって、どこかでいつも止まってしまうような苦しい中で。でも本当にあきらめないでやってくれたこと、でもそれをさせてくれたのは僕たちだけじゃなくて、全国の高校生のみんなが本当にやってくれて。

 例えば、今日の下関国際さんもそうですけど、大阪桐蔭さんとか、そういう目標になるチームがあったから、どんなときでも、あきらめないで暗い中でも走っていけたので。本当に、すべての高校生の努力のたまものが、ただただ最後、僕たちがここに立ったというだけなので、ぜひ全国の高校生に拍手してもらえたらなと思います。

=朝日新聞デジタル2022年08月22日掲載

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