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特集:第77回甲子園ボウル

いざ全勝対決! パスターゲット多い法政大か、キャラクター豊富なRB揃う早稲田大か

23日の直接対決で勝った方が、甲子園ボウルに前進する(すべて撮影・北川直樹)

アメリカンフットボールの関東学生1部TOP8で、最終節となる試合が11月23日にある。注目は、ここまで6勝無敗同士の法政大学と早稲田大学の一戦だ。この試合の勝者が全日本学生選手権・甲子園ボウルに向け、大きく歩みを進めることになる。両チームのこれまでの戦いと戦力、主力となるタレントに注目して勝負の行方を占ってみたい。

近年と比べても、完成度が高い法政

まずは昨年関東覇者の法政大学。昨年につづき、今年も攻守に高い能力を持った選手が揃(そろ)う。中でも目が向くのが、爆発力を持った攻撃陣だ。センターの柳沢圭祐(4年、駒場学園)を中心に、平均身長184cmと学生界随一のサイズを誇るOLは昨年からほとんど布陣が変わっておらず、コンビネーションの更なる向上が見られる。その後ろを走るエースRB星野凌太朗(4年、日大三)は平均獲得12yd、ラインオブスクリメージ(LOS)を抜けると、どこからでも一発でタッチダウンを決められる脅威的な走力を持つ。これまで星野は前半で下がる試合が多く、法政攻撃の総力という意味ではまだまだ底を見せていない。

エース星野は、一線を抜けたら誰も追いつけないスピードで独走する

これに加えて明るい材料が、法政の新生パスユニットだ。今季から加入した富永一ヘッドコーチHCと菅原俊コーチが、昨年にも増して多彩な攻撃を敷いている。スタート4年目を迎えるQB平井将貴(4年、千葉日大一)との相性がよく、これまで伸び伸びとしたプレーができている。パスターゲットも豊富だ。ルーキーの高津佐隼世(佼成学園)は類い稀な勝負強さを見せ、平井と高校時からホットラインを組んできた東谷純希(3年、千葉日大一)と、大型の工藤裕康(4年、法政二)も確実なキャッチで魅せる。近年の法政と比べても、一段高いバランスと完成度を持っていると言える。

富永HCと菅原パスユニットコーチの下、成長著しいQB平井(4番)
ルーキーながら、法政のエース格として活躍が著しい高津佐

攻撃ユニットが仕上がってきた早稲田

対する早稲田の特徴は、主将のOL亀井理陽(4年、早稲田実業)を中心とした安定感のあるダウンフィールドブロックと、花宮圭一郎(3年、足立学園)、安村充生(3年、早稲田実業)、萩原奎樹(4年、早大学院)といったキャラクター豊富なRB陣だ。誰が出ても遜色ないほどレベルが高く、シリーズごとにフレッシュなランナーが次々に登場する。日頃熾烈なエース争いを繰り広げているためハングリー精神が旺盛なことが、チームの攻撃力を押し上げている。

主将の亀井(55番)を中心に、高いコンビネーションを誇る早稲田OL陣

そしてリーグ中盤戦以降は、WRの佐久間優毅(4年、早稲田実業)の活躍が目立つ。エース2年目のQB国元孝凱(3年、早大学院)のショート・ミドルパスも安定感を増しており、クオリティが高い攻撃ユニットに仕上がってきた。一発のインパクトは法政にやや分があるが、隙のない手堅さは早稲田も劣らない。ここまで平均得点39.8点は、28.7点の法政を抑えてリーグ1位だ。

早実野球部出身でスピードと高さ、勝負強さが光る佐久間
エース2年目の国元は落ち着きと高い安定感が売りだ

ともに高い攻撃力、勝負のカギは守備

攻撃に特色ある選手が揃う両チーム。勝負のカギとなるのは、これに対峙する守備の実力となる。早稲田はDLに学生の枠を超えて日本随一のサイズ(196cm、120kg)とスピードを誇る山田琳太郎(4年、川和)がいる。彼が法政のOLに当たり勝つことができると、法政のランとパスに絡む機会が増え、早稲田としては戦いやすくなる。彼が171cmと小柄なQB平井の前に立ちはだかり、余裕を与えないことが大きなカギとなる。また、速い集まりで星野をLOS上で止め、自由にさせないことが大事だ。

規格外の大きさとパワー、スピードで相手フロントを破壊する山田

法政守備は、序盤戦のけがで戦列を離れていた主将の山田敦也(4年、千葉日大一)が復帰。LBの屋台骨として、スピード派の川村智紀(3年、法政二)らとともに早稲田のOLと元気なRB陣にダメージを与えたい。また、佐久間にマッチアップするDB陣が、スピード負けせずにフィジカルでプレッシャーをどれだけ掛けられるかが勝負の分け目になりそうだ。若手の大型SF、南雲昇太(2年、法政二)は身長182cmの高さを生かして勝負を仕掛けたい。

主将の山田はリーグ序盤戦で戦列を離れたが、帰ってきた

ライン戦を中心にしたフロントの力比べがどう明暗を分けるか。法政が2年連続関東を制するのか、早稲田が3年ぶりの甲子園ボウルへ一歩進むか。法政・星野、早稲田・佐久間をそれぞれの守備陣がいかに抑え込むかが、勝敗を左右する。なお、試合当日は雨模様で、ボールハンドリングや戦略に大きな影響を及ぼすのは必至。その点を含めたゲームマネージメントにも注目だ。

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