サッカー

「タイトルは彼に捧げよう」 桐蔭横浜大、亡き部員と共に戦った初V

亡くなった部員の名前が入ったユニホームを掲げ、初優勝を喜ぶ桐蔭横浜大の選手たち(撮影・勝見壮史)

 サッカーの全日本大学選手権は1日、東京・国立競技場で決勝があり、桐蔭横浜大が3―2で、新潟医療福祉大に競り勝って初優勝を果たした。試合終了間際にJ1川崎フロンターレ入りするFW山田新(しん)(4年)が決勝点を奪った。初の決勝進出だった新潟医療福祉大は、2度のリードを守れなかった。

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 優勝インタビューで、桐蔭横浜大の安武亨監督が声を詰まらせた。「今年のタイトルは全て彼に捧げようと、みんなで言っていた」。昨年4月に病気で亡くなった増尾健(たけし)さん。学生スタッフで分析担当だった。ベンチに名前入りのユニホームを掲げて戦ってきた。

 何よりも個性を伸ばすのがチーム方針だ。結果への執着が足りず、安武監督いわく、「勢いで、わーっと楽しくやってしまう」。だが、サッカーをしたくてもできなかった友の存在が、自分の出来ばかり気にしていた選手たちの意識を変えた。チームのために体を張る。最後まで、必死にボールを追いかける。「仲間のために戦うということを学んだ」

 エースのFW山田は「健の思いも背負って、中途半端なプレーはできないと思った」。この日、2度リードを許したが諦めなかった。2―2で迎えた後半の追加時間、持ち味の速さを生かして縦パスを受け、右足でミドルシュートを決めた。優勝が決まると、ベンチ外の部員がいるスタンドに向かって走り、喜びを分かち合った。

 選手たちは表彰式で、優勝トロフィーとともに増尾さんのユニホームを掲げた。

=朝日新聞デジタル2023年01月01日掲載

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