「70歳超え新たな挑戦」関東学院大の春口元監督が女子ラグビー指導
関東学院大ラグビー部を関東リーグ戦3部から育て上げ、監督として6度の全国大学選手権優勝に導いた春口広さん(73)が、女子チーム「横浜TKM」の監督に就任した。
就任記者会見(2月28日)では、ラグビーへの情熱があふれ出た。
「監督(就任)を要請いただいたことで、本当に喜んでおります。まず、ラグビーのところへ戻ってこられた」。冒頭、興奮気味に語った。
2015年に大学を定年退職して以降は、NPO法人「横浜ラグビーアカデミー」の理事長として、主に小学生にタグラグビーを教える活動を続けてきた。日本一をめざすチームを率いるのは、約10年ぶりとなる。
「ラグビーが大好きなんです。とにかくラグビーが好きなので、ラグビーに関わること、ましてや、これから発展するであろう女子ラグビーの監督。本当にうれしくて、(監督就任に)感謝をし、お礼を申し上げたい。何も経験のない女子ラグビーに飛び込んできました。私の使命として、日本ラグビー発展のために少しでも力になれば」と決意を口にした。
横浜TKMは、国内の強豪チームの一つ。女子7人制の日本一を決める「太陽生命ウィメンズセブンズ」には14年の大会創設時から参加している。昨年4月の埼玉・熊谷大会では初優勝を遂げ、年間総合成績は過去最高の3位に入った。
15人制では、昨年のワールドカップニュージーランド大会にナンバー8の永井彩乃(25)が日本代表として参加している。
大学とは違い、入学、卒業で選手が入れ替わることのない社会人チーム。指導法を模索しながらのスタートとなる。
「関東学院大では学生と一緒にチームを作り上げていったが、今はもうチームができあがっている。優秀な選手がたくさんいるし、自分のラグビーを確立した選手たちがいる。そのなかに、僕がどうやって入っていくか。どうやって強化していくか。新たな挑戦になる。ちょっと心配ですが、ワクワクしています。この挑戦を、70歳を超えてできるんですから、こんなうれしいことはないですね。がんばります」と意気込みを語った。
=朝日新聞デジタル2023年03月02日掲載