野球

ドラ1公表は5球団 「今回は言えない」 即戦力投手めぐり探り合い

広島が1巡目指名を公表している青山学院大の常廣(撮影・竹花徹朗)

 プロ野球のドラフト(新人選択)会議は26日午後4時50分から、東京都内で開かれる。昨年は前日までに9球団が1位指名の選手を公表したが、今年は5球団。数人の大学生投手を中心に、各球団が互いの動向を探りつつ、ぎりぎりまで熟考している。

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 「今回は言えない。内緒ということで。大学生(投手)3人に絞られました」

 25日夕、スカウト会議を終えた日本ハムの新庄剛志監督はそう話した。1位指名は抽選覚悟だと言い、「あとは強運を持つ僕の右手がどう引くか。1位は3球団くらいくるでしょうね」。

 今ドラフトの特徴は、東都大学リーグに即戦力投手が集中していることだ。

 右腕では青学大の常広羽也斗、下村海翔、中大の西舘勇陽、左腕では東洋大の細野晴希、国学院大の武内夏暉ら。

 春の時点では細野、常広の評価が高かったが、秋のリーグ戦で西舘や武内がこの2人を上回る投球を見せ、人気が上がった。

 広島が13日、他球団に先んじて、常広の1位指名を発表。西武は24日に武内の指名を公言した。

 25日にはソフトバンクが競合覚悟で武内の指名を公表した。巨人も同日、スポーツ紙の報道を肯定する形で1位は西舘だと明かした。

 ソフトバンクの永井智浩編成育成本部長は「迷いました。例年はもうちょっと早いタイミングで決めていたけど、今年は迷いながら最後まできた」と吐露する。

 中日は打線強化を優先して社会人の強打の外野手、度会隆輝(ENEOS)の指名を公表。オリックスは将来性のある高校生の指名をほのめかす。この2球団以外は、即戦力投手を1位指名する可能性が高い。

 ヤクルトの高津臣吾監督が「(1位の)公表はしません。当日の驚きがあってもいい」と言えば、阪神の岡田彰布監督は「何もないよ。まだ決まってへんから」。探り合いは当日まで続きそうだ。

 ドラフト2位の指名は今季の順位が下位の球団から始める。今季の優先権を持つセ・リーグの6位中日からで、最後がパ1位のオリックス。3位は折り返しでオリックスから。その後は折り返しを繰り返す。

=朝日新聞デジタル2023年10月25日掲載

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