札幌山の手・大山瑚南菜 45分フル出場、延長で見せた上級生の意地
(25日、全国高校バスケットボール選手権 ウインターカップ女子3回戦 札幌山の手○94―79●足羽)
前年の準優勝、札幌山の手が薄氷の白星で準々決勝進出を決めた。
この日、チームの出来はお世辞にもほめられたものではなかった。
守備ではファウルがかさみ、攻撃では単発の外角シュート頼みになった。地力では勝るはずなのに、大接戦に持ち込まれた。
第4クオーターで相手に逆転を許し、残り1分を切って3点リードされる苦しい展開。残り43秒、敗戦を免れる同点3点シュートを沈めたのは、3年生の大山瑚南菜(こなな)だった。
1年生にも多くのプレー時間が与えられるチームのなかで、最上級生が見せた意地、責任感だろう。大山は自覚を口にする。
「(準優勝した)去年は先輩が作ってくれたチーム。自分たち(下級生)は走り回って、あいたところでシュートを打つとか、そういう感じで先輩に任せきりだった。ですけど今年は、自分たちがやらなきゃいけない代なので」
試合は延長に。その5分間は3点シュート2本を含む12得点を挙げ、チームでただ一人、45分間出ずっぱりだった。最終的には、両チーム最多の33得点をたたきだした。
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「後輩に任せるだけじゃなくて、自分がシュートまでいって、自分が1番多く点数を決めるという気持ちでやっていきたい」と大山。1年生が主力を担うチームにとっては、全国の舞台で積む一戦一戦が成長の糧。際どい勝負をものにし、さらに強くなった姿を準々決勝で見せられるか。
(松本龍三郎)=朝日新聞デジタル2023年12月25日掲載