最大16点差追いつき、延長へ 広島皆実が体現した「諦めない戦い」
(25日、全国高校バスケットボール選手権 ウインターカップ男子2回戦 新田○112―101●広島皆実)
第3クオーター(Q)中盤、広島皆実は最大16点差をつけられた。明らかな劣勢。しかし、どれだけリードを広げられようとも、広島皆実は自分たちが信じる「堅守速攻」のスタイルを突き通した。
粘り強い守備から、素早く攻撃へ転じる。シュートがこぼれるたび、リバウンドへ飛び込む。球を奪われれば、ダッシュで帰陣した。
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一進一退を繰り返す我慢の時間帯を耐え抜くと、少しずつ点差はつまった。第4Q残り7分半で一度追いつき、再びリードされながらも終了間際の残り16秒で石丸陽生が3点シュートを沈め、延長戦に持ち込んだ。
ただ、広島皆実には四つ目のファウルを犯す選手が複数でた。ギリギリの戦いを続けたが、チーム最多得点の主将・小田悠人が5ファウルで退場。最後は力尽きた。
今大会、10年連続19度目の出場となった広島皆実は6年ぶりに1勝を手にした。目標にしてきた夏の全国高校総体王者・日本航空(山梨)との対戦(3回戦)には一つ届かなかった。それでも、高校バスケットの手本となる「諦めない戦い」を全国の舞台で体現した。
(松本龍三郎)=朝日新聞デジタル2023年12月25日掲載