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特集:ウインターカップ2023

同居し、同じコートにいた5年 V2京都精華学園に「あうんの呼吸」

連覇を果たし、喜ぶ京都精華学園の選手たち(撮影・松本麻美)

 バスケットボールの第76回全国高校選手権(ソフトバンク ウインターカップ2023、朝日新聞社など特別協力)が28日、女子決勝があり、京都精華学園が63―59で岐阜女子を下し、2年連続2度目の優勝。全国高校総体との「夏冬連覇」も2年続けて達成した。

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 前半を12点リードで折り返した京都精華学園は、第4クオーター(Q)終盤に58―56まで詰め寄られた。苦しい時間帯。試合を立て直したのは、中学時代から培ってきた連係だ。

 ガードの堀内桜花が鋭いドリブルで切り込むと、身長188センチセンターのディマロ・ジェシカがゴール前で体を入れる。右腕を広げてパスを呼び込み、残り1分42秒、体を回転させながらリングにねじ込んだ。

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 堀内が京都精華学園中2年のとき、ディマロがナイジェリアから留学してきた。寮は同室。バスケでも5年間、同じコートに立った。「24時間、一緒にいた」と堀内。互いのプレーを予測して動く、いわば「あうんの呼吸」は時間とともに磨かれた。

 同校は2017年度から留学生を受け入れている。高校バスケの強豪で留学生は珍しくない。しかし、中学から育てる学校は少数派。中高で指揮を執る山本綱義コーチが女子バスケの未来を見据え、なるべく早い時期から外国籍選手とのプレー経験を積んでほしいと考えたからだ。

 初優勝した昨年も中学から在籍していたイゾジェ・ウチェ(シャンソン化粧品)が主将を務め、チームをひっぱった。「(ディマロ)ジェシカは卒業が『嫌だ』と言っていた。呼吸が合ってきた実感があると思う」と山本コーチは話す。長い時間をかけて育んだ一体感。その先に、連覇が待っていた。

(高橋健人)

=朝日新聞デジタル2023年12月28日掲載

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