【写真】WASEDA ON ICEで島田高志郎が新プロ披露、川畑和愛は涙の引退
早稲田大学スケート部フィギュア部門のアイスショー「WASEDA ON ICE 2024」(WOI)が3月9日、ダイドードリンコアイスアリーナ(東京都西東京市)で開催された。今年度で創部100年を迎え、現役学生に加え、町田樹さんや永井優香さんらOBOGも参加する豪華なアイスショーとなった。卒業部員のあいさつでは、2019年全日本選手権3位の川畑和愛(ともえ、3年、N高東京)が競技引退を発表した。
島田高志郎がマリオになって登場
アイスショーは個人演技のほか、グループナンバーもあり、部員が映画やゲームの世界観を表現した。「スーパーマリオブラザーズ」をテーマにした現役生のグループナンバーでは、島田高志郎(4年、木下グループ、就実学園)がマリオに扮して登場。スピードスケート部とアイスホッケー部も共演し、観客を盛り上げた。
早大OBOGと現役生とのコラボレーションでは、2014年ソチオリンピック男子5位で國學院大學助教の町田樹さんや、2007年グランプリ(GP)シリーズNHK杯3位の武田奈々さん、2015年GPシリーズスケートカナダ3位の永井優香さんらが出演。八木沼純子さんが振り付けした「Time To Say Goodbye」の曲にのせて華やかに舞った。
主将の岡島右京、町田樹さんと共演に「本当に光栄」
公演の最後にはスケート部を卒業する選手たちのあいさつがあった。
岡島右京(4年、早大学院)は主将として部の活動に尽力。早大には世界で活躍している選手もいれば、大学からスケートを始めた選手もいる。「いろんな人がいる中でスケートを純粋に楽しんでもらえる空間をつくれるように意識した」と振り返る。部員全員で作り上げるWOIは一番の思い出だ。小学6年の時に町田さんに「一緒に共演しようね」と声をかけてもらったといい、この日10年越しに実現。「本当に光栄」と満面の笑みだった。「好きで始めたスケートを好きなままで終えることができること、最後たくさんの方々に見ていただけたこと、本当に幸せだなと思います」。競技には区切りをつけ、卒業後は金融機関で働く。
馬場はるあ(4年、駒場学園)はインカレ7・8級女子に出場するなど活躍。「コロナ禍で大学に入学し、部活動ができない時期もあった。WOIに参加できたことが光栄でうれしいです」。西浦穂香(4年、都立墨田川)は支えてくれた両親に感謝の気持ちを述べると、涙がこぼれた。「今まで以上にスケートの楽しさを知ることができました。大切な人たちに囲まれて私は幸せ者だと感じています」とほほえんだ。
西山真瑚は映像出演「素晴らしい伝統や文化がある」
アイスダンスで2024年四大陸選手権に出場した西山真瑚(4年、しんご、オリエンタルバイオ、目黒日大高)は映像出演し、昨年のWOIのプログラムを紹介した。「スケート部100周年の節目の年に引退することができて、そのメンバーの一員になれたことを誇りに思います。早稲田スケート部は素晴らしい伝統や文化があるので、これからもみんなが襷(たすき)をつないでいってくれると思います」とコメントを寄せた。
2019年全日本選手権で3位に入った川畑はこの日、裏方としてWOIに携わった。大学2年次に交通事故のアクシデントに遭い、それ以降はトップの舞台に戻ることはなく、今シーズンは競技から離れていた。この日、部の卒業と同時に現役引退を発表。「1年間の環境変化をへて、スケート競技から離れることに悔いがないことを確認し、このまま引退することにしました」。涙をこらえながら支えてくれた家族やコーチ、ファンに思いを伝えた。
スイスを拠点に活動している島田は、部は卒業するが競技は継続。来季のショートプログラム「Can't Take My Eyes Off You」をいち早く披露した。「大学生活の中にスケートがあるってことは、こんなにも人生を豊かにしてくれるんだと改めて思いました。まだまだスケートを続けて、どういう形になるかわかりませんが、スケートの世界に関わっていくつもりです」と語った。
多くのトップ選手が巣立った早大スケート部。100周年を迎え、さらなる発展を期待したい。