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特集:New Leaders2024

立命館大・山嵜大央新主将 めざすは関学を3回倒しての日本一「忘れられない1年に」

「みんなの人生で忘れんような1年にする」とチームと約束した山嵜大央新主将(すべて撮影・立命スポーツ編集局)

「この1年は、みんなの人生で忘れんような1年にする」。今年、立命館大学アメリカンフットボール部の主将を務める山嵜大央(やまざき・だいち、4年、大阪産業大学付)は、幹部あいさつの際に力強く言った。昨年のリーグ戦は87回608yds9TDの成績で、リーディングラッシャーに加え、ベスト11、さらには優秀攻撃選手に選ばれるなど、立命館のエースランナーとして活躍した。悲願の日本一へ向け、山嵜がチームの中心となって、新たな1年をスタートさせる。

【新主将特集】New Leaders2024

けがから復活、3回生でエースRBに

3回生になった昨年は、「自分がチームを勝たせる」と自分自身を追い込んだ

名門大阪産業大学付属高校から立命館大へと進学した山嵜。しかし高校3年生の際に負ったけがにより、大学に入ってから1年間は試合に出ることができず、出場機会が得られるようになった2回生でもエースランナーとなることができなかった。「本当に悔しい2年間だった」と振り返る。

3回生になった昨年、「ハードワーク」をスローガンに掲げると、春のトレーニング期では誰よりも早くグラウンドに来て自主練を行った。夏には泊まり込みで朝4時から練習を行うなど、自分自身を追い込んだ。「自分がチームを勝たせる。RBのエースとしての自覚を持って、甲子園に連れて行きたい」と志を強く持った。その言葉通り、リーグ戦では強靭(きょうじん)なフィジカルとスピード、さらに優れたカットで、オフェンスの中心として活躍。第5節では関西大学に前年秋の雪辱を果たす勝利を収めた。

昨年の関西大学戦では、前年秋の雪辱を果たす勝利

大一番でファンブル「僕のせいで負けた」

そして迎えた王者・関西学院大学との一戦。全勝同士の対決でもあり、勝利した方が優勝という、まさに大一番だった。立命館のエースとして最初の攻撃権でボールを託された山嵜だったが、相手ディフェンス陣の強力なタックルに遭いファンブル。攻撃権が移り関学に先制点を奪われてしまう。立命館はその後もなかなか流れをつかめず、王者に10-31で敗れた。

山嵜はこの対戦を振り返って、「僕のせいで負けてしまった。正直勝てるなと思っていたが、そのような考えがダメだった。そこの甘さが去年は出たので、今年はどのチームも圧倒したい。しっかりと役割を徹底して、今年は勝つ。去年のファンブルを取り返せるように、今年は日本一になる」と、悔しさを今年への糧としていた。

「チーム一の努力家」仲間からの信頼厚く

今年就任した高橋監督は「新しい文化を入れてくれるので、僕たちにとって刺激になっている」

主将として率いる新チームの雰囲気について、「今までで最も良い」と語る。「とにかく楽しくトレーニングをしようということをチームに言っており、自ら積極的に盛り上げて元気にトレーニングをしている」と、主将としてチーム全体の雰囲気も考えながらトレーニングに励んでいる。また、今年から新たに就任した高橋健太郎監督については、「とにかく明るい人。新しい文化を入れてくれるので、僕たちにとっては刺激になっている。雰囲気良くトレーニングができている」と語る。

山嵜の印象について選手に尋ねると、全員が「努力家」と語る。山嵜を憧れの先輩と話すRB蓑部雄望(みのべ・たけみ、2年、佼成学園)は、「全てにおいてすごい。毎日練習前に1人でグラウンドに来て練習しており、とてもストイックで努力している。一緒にトレーニングができて光栄」と語る。さらに副将のOL森本恵翔(もりもと・けいしょう、4年、初芝橋本)は、「山嵜は誰よりも努力していて、グラウンドにも一番早く来て練習している。そういった面で皆から信頼されている」と話し、同じく副将のDL山本拓也(4年、立命館宇治)は、「選手の中でも一番努力家。努力しているからこそ信頼されている。そこがキャプテンに選ばれた理由の一つでもあると思うし、熱い気持ちを自分の言葉にして周りの皆に伝えられているというのがすごい」と語る。

グラウンドに一番早く来て練習するなど、チーム全員が認める努力家

「偽物の日本一」はいらない

このような熱い気持ちを持った主将山嵜に、今年の目標について尋ねると、「もちろん日本一。春に1回、関学が勝ち上がれば秋に2回試合することになる。関学を3回倒して日本一を目指すことを目標にしている」と語る。また、今年から変更となった甲子園ボウル出場へのトーナメント方式に関して山嵜は、「関西2位で甲子園ボウルを優勝したとしても、それは偽物の日本一。リーグで1位になる。試合は全部勝つという気持ちで臨む。試合数が多くなるので、けが人を出さずにどれだけフルメンバーで試合できるか。役割を徹底して、本物の日本一を目指す」と語った。

「忘れられない1年にする」という約束を果たすため、悲願の日本一へ向けて、エース兼主将の熱い1年が始まる。

今季からはリーグ戦で優勝しなくても日本一の可能性が残るが、「関西2位で甲子園ボウルを優勝しても、偽物の日本一」と語る

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