ラグビー

6連覇中の東海大学に仰星のキャプテン和田寛大ら 期待のルーキー・関東リーグ戦編

東海大大阪仰星でキャプテンを務めたFL/NO8和田(すべて撮影・斉藤健仁)

ラグビーの関東春季大会が本格化し、関西春季トーナメントも始まった。そこで今季も関東大学ラグビー対抗戦Aグループ、関東大学ラグビーリーグ戦1部、関西大学ラグビーAリーグの主要3リーグの各チームに入ったルーキーを見ていきたい。関東対抗戦に続いて、昨季まで東海大学が過去最高となる6連覇を達成した関東リーグ戦の新人を紹介する。

【対抗戦編はこちら】選手権3連覇の帝京大に福田大和、高校代表主将・城は早大

東海大 系列高校の出身者がずらり

昨年の関東リーグ戦で全勝し、6年連続13度目の優勝を成し遂げた「シーゲイルズ」こと東海大。高校日本代表こそ入部しなかったが、高大連携で強化していることもあり、47人が入部。うち16人が系列校の出身者となった。

高校日本代表候補に選出された選手としてはPR佐々木天雅(大阪桐蔭)、HO川村航平(茗溪学園)、FL8/LO朝倉晴樹(大産大附)、昨季高校「二冠」のCTB髙﨑大我(桐蔭学園)の4人が入った。

高校日本代表候補に選出されたHO川村

系列校出身者は、「花園」こと全国高校ラグビー大会ベスト8に入った強豪の東海大大阪仰星から、キャプテンを務めたFL/NO8和田寛大を筆頭に、PR山中勝晶、SH阪井光太朗、SO下村昊(そら)が入部。一昨季、花園に出場した東海大相模からはPR小池哲平、HO野崎敬一朗、LO永田拳とFWが3人、東海大福岡からCTB/FLフォヌア ウィリアム、FL/NO8 ポエットカー若、FL森夕次郎の3人、東海大浦安からPR稲垣浩至郎、SO澤田力、SO山﨑颯太、東海大静岡翔洋からCTB髙橋時生、FB/WTB久保田純正、東海大甲府からFB/SH/WTB國政伊吹といった具合だ。

他にも強豪校から多数、入部した。東福岡からHO山家奨、HO下江健太、FL/WTB 天野渓、光泉カトリックからCTB/SO上谷川和真、WTB寺岡大翔、京都工学院からFB/SO正木空馬、CTB/WTB宇野賢太朗が加わった。他にもSO齊藤歩輝(秋田中央)、SO羽根田陸(関大北陽)、CTB黒田遥斗(常翔学園)、CTB和田唯聖(中部大春日丘)、SO/WTB平井蓮太朗(國學院久我山)が入部している。

流通経済大 流経大柏のメンバーに海外からの力を融合

続いては昨年6勝1敗で2位だった「ダイナミックラグビー」を標榜(ひょうぼう)している流通経済大学だ。やはり高大連携で強化しているため、新人30人中、昨年花園ベスト8の流通経済大柏から9人が入部した。

その9人はLO土方倖矢、FL/NO8大森隆真、佐藤椋介、SH金井善、SO小栁昊大、SH佐藤颯太、PR/HO松原昊志、FL山口遼馬、FB/SO山崎遥湊で、土方は春季大会で控えメンバー入りを果たした。他校出身ではFB手嶋風碧(浮羽究真館)もメンバー入りした。

流通経済大柏からは多くの選手が流通経済大に進んだ

他にもSO/CTB及川勝太(仙台育英)、CTB/WTB大津慶咲(石見智翠館)、FL川上将虎(光泉カトリック)、PR北野煌、WTB濱谷陸斗(ともに札幌山の手)、PR齋藤孔(秋田工業)、SH竹本悠希(尾道)らが加入。

さらに南アフリカの高校からLOポットゥギター・ジェイデン、ニュージーランドの高校からCTB/WTBスユイラ・ノア・ジェームス、アメリカの高校からWTBトゥラガ・ジェフリー・チャールズ、韓国の高校からFLキム ボムソックが入部している。

法政大 HO花沢祐太が春季大会で先発

昨年3位となり、6年ぶりに大学選手権出場を果たした、13回の優勝を誇る法政大学。今年は21人が入部したが、神奈川の強豪の一つである系列の法政二高からはHO花澤祐太、PR/LO津田優玖、CTB山形銀、法政大学高校からはSH/WTB竹内勇太朗が入部。HO花澤は春季大会で早速先発した即戦力だ。

さらに高校代表候補だったPR本山淳祥(佐賀工業)、SO/CTB渡辺圭祐(中部大春日丘)、SO/CTB佐川一眞(専大松戸)も春季大会で控えメンバー入りを果たした。

佐賀工業からやってきたPR本山は高校日本代表候補

他には昌平からPR/HO岡本優心、橋本基、 静岡聖光学院からLO虎岩壱悟、SH藤田豪太郎。PR足達将太(山梨学院)、PR山本一輝(國學院栃木)、FL/HO木本慶祐(尾道)、FL大沢空(秋田工業)、NO8/LO金田遼平(國學院久我山)、NO8/FL前野日生(豊多摩)、 SO/CTB坂田賢之介(京都成章)、SO/CTB福本耀(報徳学園)、CTB/FB志村悠成(東海大相模)、FB/SO中原侑温(日大高校)が橙青ジャージーの門をたたいた。

大東文化大 一気に厚くなったFWの選手層

昨年、惜しくも4位となり大学選手権出場を逃した優勝8回を誇る「モスグリーン軍団」こと大東文化大学。今年は26人が入部した。系列校の大東文化第一からはFL山中脩叶、SO関口真生の2人が加わっている。

高校日本代表候補に選ばれていたPR藤田七海(秋田中央)とFL吉川竜月(國學院久我山)の2人、開志国際からはNO8ヴィリ・ムナ、オーストラリア高校代表経験者のNO8ノア・トファエオノ、U18ブランビーズでプレーしたLOサム・チェズリンが加わり、FWの層は一気に厚くなったと言えよう。FL吉川、NO8ムナ、そしてFL/LO今石大輝(松山聖陵)は春季大会ですでにメンバー入りしている。

他のFW陣は御所実業からPRオト琉之介、HO大谷晴輝、PR/HO新井旺我の3人、さらにPR小田島采輝(國學院久我山)、PR木村大祐(洛水)、LO東村武途(國學院栃木)、乙成凌暢(輝翔館中等教育)、FL石川智也(札幌山の手)も入部した。

BKではWTB大方維織(青森山田)が早速春季大会で先発し、SH畠山翔衛(秋田中央)、SH田島実(桐生第一)、SO緒方碧(浮羽究真館)、SO/CTB飯塚祐真(深谷)、SO/CTB勢川洋人(福岡工城東)、CTB山田真生(遠軽)、大型CTBムナ・ロシリン(開志国際)、CTB/WTB冨田優斗(開志国際)、FB小澤匠(札幌山の手)が加わった。

東洋大 高校日本代表1人、同代表候補が4人

昨年は最終戦で敗れて惜しくも大学選手権を逃した東洋大学。ただ、一昨年は3位で大学選手権に初出場した勢いもあり、15人の新入部員中、1人が高校日本代表、4人が高校日本代表候補と将来有望な選手が加わった。

高校日本代表からはスピードと決定力のあるWTB/FB中山二千翔(日本航空石川)が、高校日本代表候補からはPR阿部正英(三本木農業)、PR岡田恭和(脇町)、FL/LO山口英之介(熊谷)、SO/FB池渕紅志郎(城東)、CTB/WTB梅木颯斗(黒沢尻工業)の5人が入部した。池渕はすでにFBのポジションを得ており、春季大会でSH生田旭(國學院栃木)も9番を背負った。

スピードと決定力に定評がある東洋大ルーキーのWTB/FB中山

他には高校時代はケガに泣いたNO8シオネ・テネフフ(目黒学院)、万能BKハビリ・テビタ(山梨学院)といったペネトレーターも入部。PR小峰佳士(目黒学院)、PR/HO山下源也(熊本工業)、FL/CTBバレンタイン・ジョー(高鍋)、FLルナ仁鼓(熊谷)、SO/FB藤春大悟(青森山田)、SO/CTB五十嵐舜悟(川越東)も入部した。全国大会経験者も多く、一気に選手層が厚くなったと言えよう。

日本大 半数以上がFW陣、スクラムやモールを強化

昨年は5位と不本意な結果に終わった日本大学。スクラムやモールといったFWを軸に強化しており、21人の新入部員のうち13人がFWの選手となった。日大系列の高校からはNO8神崎朝飛(日大藤沢)、SH/SO西塚康晟(日大高校)の2人が入部し、神崎はすでに春季大会の初戦、スタメンで出場を果たした。またFL馬場健太(深谷)もメンバー入りした。

FWはPR生方蒼空(明和県央)、PR戸島勇(桐朋)、PR山本真也(目黒学院)、HO小柳海斗(大分東明)、HO白倉羽琉(東京)、LO渡邉叶多(國學院久我山)、FL山元健生(大分東明)、小池将聖(中部大春日丘)、竹原侠佑(東福岡)、濱野大地(早稲田佐賀)、FL/CTB藤田凌(高川学園)、FL/WTB地蔵堂隼翔(筑紫)が入部。

BKはすでに春季大会でメンバー入りしたSH森本福壽郎(脇町)を筆頭に、SH豊廣匠成(高川学園)、SH寺田大悟、WTB田中隼人(ともに報徳学園)、SO下林樹平(福岡工業)、WTB/FB藤本虎太郎(ハミルトンボーイズ)が加わっている。

立正大 フィジーや南アフリカからの留学生も

昨年7位と苦しんだ立正大学には36人が入部している。まずフィジーからの留学生LOテヴィタ・アフェアキ、CTBシミオネ・サカウニンギオ、南アフリカからの留学生LO/NO8オリヴァー・クルス、オーストラリアの高校からFBジャック・グッドウィン、そして昨年は帝京大学に在籍したが、今年、立正大に入ったU20日本代表候補のLO舛尾緑(東福岡)、高校日本代表候補のWTB髙森将太(玖珠美山)などは大きな戦力となろう。

他にもFWはPR大橋武生(北越)、PR一瀬隼人(男鹿工業)、PR小田木教斉(國學院栃木)、PR麻木悠嗣(男鹿工業)、PR藁谷大輝(保善)、LO浪内迅(青森山田)、LO和知航生(本庄第一)、FL中岡碧人(中部大春日丘)、FL岩本楓摩(札幌山の手)、FL脇拓己(東京)、FL内倉武人(東海大大阪仰星)、NO8鈴木大貴(佐野日大)、佐藤陽翔(熊谷工業)と強豪校や地元・埼玉の高校中心に新人が加わっている。

BKもSH文野郁巳(常翔学園)、SH杉田猛(本庄第一)、SH山上慶吾(東福岡)、SO西濱綾生(倉敷)、SO吉田碧那(湘南工科大附)、SO渡邉大樹(桐生第一)、SO藤原陵介(佐沼)、CTB水谷純平(湘南工科大附)、CTB加藤唯斗、CTB女屋拓大、WTB森晃大(いずれも本庄第一)、CTB橋本大尊(東海大大阪仰星)、CTB/WTB 星野光李(北越)、WTB花田大赳(大阪桐蔭)、FB溝口貴大(九州学院)、WTB/FB深田爽和(東福岡)、WTB/FB 水谷康生(尾道)が入部している。

関東学院大 新しい力を借りて上位進出めざす

昨年、拓殖大学を下して2部から1部に昇格したリーグ戦優勝10回を誇る関東学院大学には32人が入部。新人の力も借りて上位に進出し、大学選手権を目指したい。

まず系列校である関東学院六浦からHO/FL千葉大誠、SO/FB植木亮次の2人が入部した。さらにOBの元日本代表・立川剛士コーチの出身高校で、昨季の花園ベスト4だった佐賀工業からPR 松本昊聖(佐賀工業)、FL/NO8中川岳士、WTB増本敦の3人が入り、大きな戦力となるはずだ。そのうち中川は春季大会の初戦で先発しており、他にもSO浅場博登(朝明)、スピードのある高校日本代表候補だったWTB星遥大(開志国際)、FB山川誠人(鹿児島実業)もスターターを経験している。HO/FL 庄司晴太(九州学院)もメンバー入りした。

佐賀工業から関東学院大に進んだFL/NO8中川

他にはFWはPR坂口大智(花園)、PR/HO野本諒(四日市工業)、PR/HO宮内雅哉(新田)、PR/LO 岡崎青空(日本航空石川)、PR/LO 村石晴登(東京)、PR佐々木賢(九州学院)、HO/NO8渡邉満樹(聖光学院)、LO加藤睦堂(浜松工業)、LO/FL開保津璃樹(富山第一)、LO/FL佐藤竣(黒沢尻工業)、LO/FL松嶋紘(盛岡工業)、FL増田翼(昌平)、FL/NO8縄井湊伍(保善)、FL/CTB ハラ・ウアイセレ(札幌山の手)が入部。

BKはSH大場心響(栄徳)、SH外薗昴佳(大島)、SO菊地颯太(山形中央)、SO沢瀬つよし(八戸学院光星)、CTB大久保紫雲(新潟商業)、CTB/WTB渡邉大和(松韻学園福島)、WTB大谷隼毅(京都工学院)、WTB星流聖(仙台育英)、WTB/FB 甲斐夕聖(東福岡)も加わっている。

今年も大学選手権に出場できる枠は3となり、激しい上位争いが予想されている関東大学リーグ戦。ルーキーの力を借りて上位に進出する大学も出てくるはずだ。

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