ラグビー

東海大に薄田、関東学院大にはラリー、関東リーグ戦に期待のルーキー

東海大大阪仰星の主将だった薄田周希は東海大へ(撮影・すべて斉藤健仁)

5月に入り、東西でラグビーの春季大会、春季トーナメントが本格的に始まった。そこで、関東大学ラグビー対抗戦Aグループ、関東大学ラグビーリーグ戦1部、関西大学ラグビーAリーグの主要3つのリーグの各チームに入った新人選手を紹介する。今回は、今季、立正大学、東洋大学の2校が昇格した関東リーグ戦を見ていきたい。

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薄田、マフィら系列高から13人入部

昨季まで関東リーグ戦4連覇の東海大学には33人の新人が加入した。東海大は高大連携で強化している大学の一つであり、今季も花園(全国高校ラグビー大会を)制した東海大大阪仰星など系列高から13人が入部している。

東海大大阪仰星の主将だったFL/NO8薄田周希、HO/PR垣田基樹、SO/FB北村光基ら5人が加入し、東海大相模から3人、東海大福岡からはFL/NO8ヴィリアミ・マフィら2人、東海大浦安から2人、東海大静岡翔洋から1人という内訳だ。

他にも当然、強豪校からも新人が加入しており、CTB古屋健太朗(秋田工業)は春季大会ですでにメンバー入りしており、U20日本代表候補にも名を連ねたSH川久保瑛人(長崎北陽台)は東日本大学セブンズで躍動。突破力のあるFL/LO川嶋凌太(目黒学院)、WTB湯前心(常翔学園)らも加入した。1選手層が厚い強豪の中で、この数カ月で力を付けて、秋に1年生からメンバー入りする選手が現れるか。 

ジェームズリーフら即戦力の日本大

2016年に1部に再昇格し、近年、2位、3位、2位とすっかりV字回復を果たした日本大学。今季も37人の新人が加入した。系列高からの入学はさほど多くなく2人のみで、それ以外は強豪校から入学している。

開志国際の中心選手だったジェイキブ・ローレンス・ジェームズリーフは日大へ

FWでは昨季花園に初出場した開志国際の中心選手だった身長197cmのLOジェイキブ・ローレンス・ジェームズリーフ、PR杉島海斗、植島響(ともに石見智翠館)、HO吉田泰斗(東福岡)、突破力のあるNO8永池海音(佐賀工業)、FL倉橋慶(京都成章)ら即戦力が加わった。

BKだとSH宮嵜純平(校報徳学園)、SH小田倫太郎(東福岡)、SO安藤拓志(大分東明)、SO柏原慶太(東海大相模)、WTB池崎稜、WTB久保太志郎(ともに國學院栃木)らが有望である。

大東文化大は留学生2人が加入

昨季は3位に入り大学選手権に出場した関東リーグ戦の強豪の一つ大東文化大学。今季は他の強豪校と比べてやや少ない20人が加入。そのうちPR/HO友添太陽ら3人は大東文化第一出身選手だ。

毎年、留学生が入部しているチームに、今季も身長196cmのLOジョセフ・トナキ・マタイラヴラ・ドモニ、御所実業でプレーしていたWTB/FBオト・トペニ・タヴァケ・ファイアナ・マヌ―の2人が入った。他にも御所実業で活躍したHO大西樹、SH/SO鑓水力暉也&SO/CTB安藤伊織(ともに山形中央)、SH/SO伊藤大晟(開志国際)が加わった。

強化進む関東学院大には35人

大学選手権優勝6回の関東学院大学、昨季は4位とあと一歩で大学選手権出場を逃した。近年、強化が進むチームには35人の新戦力が加入した。うち4人が東学院六浦出身だ。

ティポアイールーテル・ラリーは関東学院大で春季大会からレギュラーとして出場している

最大の注目選手は、春季大会からレギュラーとして先発として出場している身長192cmのNO8ティポアイールーテル・ラリーだ。昨季の花園で倉敷の初出場に貢献した選手で、兄は現役アイルランド代表CTBバンディ・アキで、父も他の兄もサモア代表というラグビー一家で育った。「日本代表になって兄のいるアイルランド代表と対戦したい」と話すラリー。まずは1年生から大暴れしたい。

他にも体重140kgのPR川村洸介(八戸学院光星)、PR渋谷司(昌平)、FL坂田龍空、SH蠣崎琳二(ともに仙台育英)、FL亀井隆輝(京都成章)、WTB立川晃大(佐賀工業)、WTB三宅叡智(京都工学院)らが加わっている。

流通経済大は付属から16人が加入

一昨季まで13シーズン連続で大学選手権に出場していたが、昨季は5位となり出場を逃してしまった流通経済大学。今季は新人選手の力も借りて奮起したいところだ。

今季は38人が加入したが、近年、全国的強豪としてすっかり定着した附属の流通経済大柏から16人が加入した。共同主将だったPR土屋英慈、HO一瀬和也、LO福田拓人、FL若林竜矢、NO8深山和輝、SH藤田偉央、WTB杉森優太らレギュラークラスの多くが加わりチーム力を底上げする。

他には南アフリカ出身のヘンリクニク・ヨハン、ロケティ・ティシレリといった留学生、女子日本代表の長田いろはの弟PR/LO士導(筑紫)、FL林ジュリ(常翔学園)、SO/CTB紺井大士(東海大大阪仰星)ら実力者も入部している。

法政大は小山田、北川らがセブンズで躍動

優勝は最多の13回を誇る「リーグ戦の雄」法政大学。今季こそは2017年以来の大学選手権の出場を狙う。今季は21人の新人が加入し、そのうち5人が系列高出身者だ。

東日本大学セブンズで日本代表を父に持つSH小山田裕悟(桐蔭学園)、UBKの北川拓来(昌平)らが躍動。春季大会に入ると、北川以外にもLO/NO8細川幹太(國學院大學久我山)、NO8宮下晃毅(報徳学園)、CTB/SO秋山優樹(鹿児島工業)、FB/WTB桜庭侑大(秋田工業)がメンバー入りしている。

法政大の小山田裕悟は東日本大学セブンズでも躍動した

他には花園準優勝に輝いた國學院栃木のFL/LO山科亮&CTB田中大誠の2人、HO/PR榊山鉄兵(石見智翠館高)、WTB/CTB河内孝陽(國學院久我山)、WTB/CTB森田翔大(桐蔭学園)らも能力の高い選手もそろっている。今季こそは3位以内に入って大学選手権に出場したいところだ。

勢いに乗る昇格組みの立正大、東洋大

昨季2部で1位となり入替戦で専修大学に勝利し、今季、2014年以来となる1部での戦いとなった立正大。今季は24人が加入した。すでに春季大会からPR 井川桃大朗(東福岡)が先発し、CTB 井村柊太(東福岡)、WTB/FB林二刀流(はやし・むさし、鹿児島・大島)の2人もメンバー入りを果たしている。

他にも南アフリカ出身で身長188cm大型CTBフルックス・ハインリヒ、PR多田 翔一朗、PR國松明拓、FL/NO8井上寿裕(いずれも御所実業)、SH山口蒼太、SO進藤虎河(ともに東福岡)、CTB/FB鈴木太登(尾道)らも加わった。

昨季2部で2位ながら入替戦で中央大学を下して29年ぶりに昇格を決めた東洋大。今季は多士済々の20人が加わった。春季大会からFL/NO8森山海宇オスティン(目黒学院)、南アフリカ出身で身長211cmの大型LOジョン・ウーストハイゼン、三洋電機(現・埼玉ワイルドナイツ)で活躍したNO8サミュエルの息子SO/CTBステファン・バファフォラウ(札幌山の手)が先発で出場している。他にもLO栗原大地(伊勢崎興陽)、スピードのあるSH林星安(目黒学院)、ニュージーランドの高校出身のCTBアダム・タマティもベンチに名を連ねた。

東洋大のステファン・バファフォラウ(中央)、関東学院大のラリー(右)

他にニュージーランドの高校出身のFL/NO8アイザック・サイロも加入した。PR渡邊裕太(開志国際)、PR高嶋大夢(関商工)、PR酒井慶(流通経済大柏)、PR松下勇次郎(筑紫)、PR/HO宗形神羽、小泉柊人(ともに目黒学院)のFW第1列をしっかりと補強した。SO天羽進亮(城東)、練習場のある埼玉・川越東CTB/WTB平田魁生らも加入している。

すでに1年生が試合に出ているチームも多く、法政大以外は新たに外国人留学生も加入した。立正大、東洋大が入替戦に勝利し1部に昇格し勢いに乗っているだけに、今季の関東リーグ戦は競った試合が多く見られそうだ。その中でも新人たちのどんな活躍をするのか今から楽しみだ。

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