ラグビー

東海大が2度目の4連覇、勝ち点並んだ日本大を得失点差でかわす 関東リーグ戦

関東リーグ戦で4連覇した東海大学。悲願の大学日本一を目指す(撮影・全て斉藤健仁)

関東大学ラグビーリーグ戦1部

11月28日@秩父宮ラグビー場
日本大71-12法政大、東海大71-19流通経済大
11月28日@セナリオハウスフィールド三郷
関東学院大68-27専修大、大東文化大50-13中央大
▽最終順位
1位 東海大 6勝1分け、勝ち点32
2位 日本大 6勝1分け、32
3位 大東文化大 5勝2敗、24
4位 関東学院大 3勝4敗、15
5位 流通経済大 3勝4敗、12
6位 法政大 2勝5敗、12
7位 中央大 2勝5敗、8
8位 専修大 7敗、1
(1、2位は総得失点差、5、6位は勝利数差による)

ラグビーの関東大学リーグ戦は11月28日に最終の4試合があり、東海大学が4年連続11度目の優勝を決めた。2位の日本大学と3位の大東文化大学までが全国大学選手権に出場する。

ともに勝ち点5を上積み

秩父宮ラグビー場では、先週19-19で引き分け、5勝1分け、勝ち点27で並んでいた東海大と日大が、それぞれ流通経済大学、法政大学と対戦した。1試合目は日大が法大から10トライを挙げて71-12で快勝し、ボーナス点も合わせて勝ち点を5積み上げ32まで伸ばした。続いて東海大は流通経済大と対戦した。東海大が優勝するためには、勝ち点5が必要になった。総得失点差で日大を大きくリードしていたため勝ち点で並べば4連覇となるが、昨年2位の流通経大に3トライ差以上つけなければならない状態になった。

先週の試合、接点で後手を踏み、武器としていたモールで思うようにトライを挙げることができなかった東海大。「自分たちのやることをやれば勝てるという確信があった」というキャプテンFL(フランカー)ジョーンズ リチャード剛(4年、伏見工)は、前半3分、自ら激しいタックルを見せて相手の反則を誘う。そのペナルティーから得たラインアウトでFWがモールを押し込みHO(フッカー)本橋純平(4年、東農大二)が先制トライを挙げた。

開始早々、東海大はモールから先制トライを挙げた

8分にはSO武藤ゆらぎ(2年、東海大大阪仰星)が抜け出し、オフロードパスを受けたLO(ロック)小池隆成(4年、東京)が中央にトライ、17分にはCTB(センター)横田大輝(4年、深谷)が、21分にも再びモールから本橋が押さえて26-0とリードする。流通経大に1本トライを返されたが、モールから本橋が「ハットトリック」となる3トライ目を挙げるなどさらに2トライを重ねて38-7で折り返した。

後半も東海大の優位は変わらず、さらに5トライを重ねた。流通経大もロスタイムに2つトライを返したが、試合はそのまま計11トライを挙げた東海大がくしくも日大と同じ71点を奪って快勝した。プレイヤーオブザマッチには4トライの本橋が選ばれた。

前半8分にトライを挙げる東海大のLO小池隆成

リーチ時代以来の4連覇

東海大は勝ち点32で日大と並んだが、総得失点差で92点上回った。リーグ4連覇はリーチ マイケル(東芝ブレイブルーパス東京)らが在籍した2007~11年に達成して以来の快挙となった。東海大の木村季由監督は「先週、タイトな試合が経験でき、甘さ、緩さといった課題がわかった。意識的な部分で変えられるところに手をつけた。前半から攻める姿勢をもって、余計なことを考えずに、自分たちのラグビーを貫こうと臨んだが、80分間、よく戦ってくれた」と選手たちを称えた。

2度目の4連覇を達成できたことにジョーンズ主将は「純粋に嬉(うれ)しい。(春から)チームとしてやってきたことが結果につながったかな。大学選手権に向けては、ここからまた一段と自分たちが求めていることをどれだけ追求できるか、リーグ戦で出た課題を修正して大学選手権につなげて優勝したい」とキッパリと言った。

東海大の攻撃をリードするSO武藤ゆらぎ

東海大は全国大学選手権ではこれまで3度決勝に進出したが優勝に届いていない。木村監督は「リーグ戦4連覇は積み重ねているということで嬉しいですが、大学選手権で優勝できていない悔しさの方が強くあります。今年は特に、日本一という目標に対してぶれずに、まっすぐ捉えてやってきているチームですので、一戦一戦勝利して優勝を目指していきたい」と意気込んだ。

中央大と専修大は入れ替え戦へ

7位の中央大学、8位の専修大学は入れ替え戦に回り、12月11日に熊谷ラグビー場で、それぞれ2部2位の東洋大、2部優勝の立正大の挑戦を受ける。

優勝した東海大は全国大学選手権は準々決勝から登場し、12月26日に関西2位(京都産業大学か近畿大学)と慶應義塾大学(関東対抗戦4位)の勝者と対戦する。2位の日大は18日の4回戦で13季ぶり出場の日本体育大学(関東対抗戦5位)と対戦する。今年度の「ベスト15」も発表され、優勝した東海大から最多の9人、日大から3人、大東文化大から2人、流通経済大から1人が選出された。

ベスト15に選ばれた日大のWTB水間夢翔

2021年度 関東リーグ戦ベスト15

1 木村星南(東海大4年)
2 酒木凛平(大東文化大4年)
3 星野克之(東海大4年)
4 小池隆成(東海大4年)
5 ワイサケ・ララトゥブア(東海大3年)
6 飯田光紀(日本大4年)
7 ジョーンズ リチャード剛(東海大4年)
8 リサラ・キシナ・フィナウ(大東文化大1年)
9 柴田凌光(東海大4年)
10 武藤ゆらぎ(東海大2年)
11 水間夢翔(日本大3年)
12 フレイザー・クワーク(日本大4年)
13 丸山凛太朗(東海大4年)
14 谷口宜顕(東海大 2年)
15 河野竣太(流通経済大4年)

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