ラグビー

ナコは日大、フィナウは大東大などインパクト選手続々 期待のルーキー関東リーグ戦

関東大学春季大会開幕戦でデビューした日大のナコ(撮影・全て斉藤健仁)

大学ラグビーは夏の鍛錬期を経て、いよいよ秋からの本番へ。各校のルーキーを紹介する2回目は、関東大学リーグ戦1部8校に加入した新人選手を見ていきたい。

花園連覇の推進役、青木恵斗は帝京、佐藤健次は早大へ 期待のルーキー関東対抗戦

4連覇狙う東海には本田や中川

昨年、リーグ戦3連覇を果たした東海大学。春季大会は早稲田大に勝利したが明治大には惜敗し1勝1敗で終えた。新人はリーグ戦最多の55人が入部した。「高大連携」で強化しているため系列4校から20人が入部、特に昨年度、花園に出場した東海大相模から10人、ベスト8に入った東海大大阪仰星からは5人が加わった。

180人近くの部員がいるため、春季大会でファーストジャージーを着たのは佐賀工でエースだったWTB(ウィング)森山翔斗のみだったが、今年も多くの有望選手が加わった。まずは「花園」こと全国高校ラグビー大会の優秀選手(30人)に選ばれた2人。機動力にたけたHO(フッカー)本田啓(東福岡)、東海大大阪仰星をキャプテンとして引っ張ったCTB(センター)近藤翔耶は将来が楽しみな選手だ。

東海大へ進んだ本田は機動力がある

FWを見ると花園で活躍したPR(プロップ)前川直哉(東海大大阪仰星)、中学時代は北海道で陸上の投てき王者だった経歴を持つPR竹内賢人(深谷)、身長188cmのLO(ロック)川瀬悠河(東海大相模)、桐蔭学園の連覇に貢献したFL(フランカー)小池隆仁らが加わった。

バックスは球さばきがよい常翔学園のSH(スクラムハーフ)辻時羽、東海大福岡のCTBオトゥホウマ・シアレ、花園でトライ王に輝いたWTB中川湧眞(京都成章)もいる。選手層が厚いチームだけにルーキーがどこまで出場できるかわからないが、夏合宿を経て存在感を示したい。

全国高校大会で計7トライを挙げた京都成章の中川は東海大へ

巻き返し狙う流通経大には中村ら

昨年度は東海大に敗れたものの6勝1敗で2位だった「ダイナミックラグビー」を標榜する流通経済大学。春シーズン途中で、複数の部員が新型コロナウイルスに感染してしまい、29-68で敗れた明大戦のみとなった。そのため1年生のデビューはなかったが、近年、花園でも上位に進出している流通経大柏出身のLO松崎太志、CTB横山伊織ら4選手を含めた23人の新人が加入した。

FWでは花園準優勝の京都成章出身のPR山口瑛勝、兄のPRシンクル寛造(3年)も同大学にいるLO蓮(札幌山の手)らが加入した。バックスは常翔学園から司令塔のSO(スタンドオフ)佐々木開と花園でダブルハットトリック(1試合6トライ)を達成したWTB中村楓馬、ニュージーランドのヘイスティングボーイズ出身のCTBヘイウォード・アンドリューなどはメンバー争いに絡んでくるかもしれない。

花園で1試合6トライを挙げた常翔学園の中村は流通経大の切り札を目指す

フィジー出身の大分東明の2人は日大へ

昨年の3位など近年、リーグ戦上位で戦っており、2年連続大学選手権でもベスト8に進出した日本大学。春季大会は早大、明大に惜敗したが力のあるところ見せた。今年は37名が加入した。

新人で注目されるのは大分東明から入ったフィジー出身のLOセコナイア・ブルとCTBジョアペ・ナコの2人だ。大分東明では伝統校の大分舞鶴の連続出場を止めて全国大会初出場、ベスト16入りなどに貢献、昨年度の花園では2人揃って優秀選手に輝いた。すでに春季大会でもベンチからAチームデビューを飾っている即戦力だ。SH石黒康生(岐阜工)もAチームで出場。身長175cm、体重81kgとフィジカルが持ち味でもある。

他にもスクラム、モールとFWに強みを見せる日大には第1列の選手だけで花園準優勝の京都成章からPR中野裕翔とHO小池勇斗ら13人も加わり、セットプレーを底上げする。バックファイブは同じく京都成章出身のFL四宮勇斗も入り、ディフェンスでチームを支えそうだ。バックスには佐賀工のゲームメーカーだった徳永優太、セブンズユースアカデミー選出歴のあるWTB/FB西山宏(鹿児島実)らが入部している。

法大には注目の司令塔

昨年は1年生選手の活躍もあったが惜しくもリーグ戦4位で大学選手権出場を逃してしまった法政大学。春季大会は帝京大に負けたが前半は善戦、筑波大、日本体育大には快勝するなど調子を上げている。新人は24人加わったが、PR袴田賢、藤井智也、WTB/FB小田光洋ら法政二から7人、法政から3人と系列高出身者が約半数を占める。

注目は大阪朝鮮を花園ベスト4に導いたSO金侑悟だ。すでに10番をつけて、春から3試合に出場しゲームコントロールで冴(さ)えを見せた。また石見智翠館のスピードスターだったWTB松田陸空も控えから1軍デビュー。他にも京都成章の準優勝に貢献したNo.8森達喜を筆頭に、PR渡辺明志(佐賀工)、身長189cmのLO/FL上杉太樹(東福岡)、SO/CTB北川直宏(桐蔭学園)ら強豪校から有力選手も加入している。

キックを有効に使う大阪朝鮮の金は法大で早くも司令塔役に

光安は中大HOで先発

昨年度は2勝して5位に入った中央大。昨年度は4年生が主力に多かったため、春季リーグは帝京大と筑波大に敗れて2連敗だったが秋までチーム力を上げたいところだ。新人は少数精鋭の17人が加入した。すでに大阪桐蔭出身のHO光安喬平は2試合連続先発で気を吐き、PR関聡憲(仙台育英)、LO鈴木英次郎(東京)もベンチから出場を果たし、LO泉颯馬(報徳学園)も控えメンバー入りを果たした。若き力がFWに勢いを与えそうだ。他にもFWはLO山崎祥希(國學院栃木)、LO/FL村田翔平(本郷)らが加入。バックスには強豪の桐蔭学園からCTB矢崎幹太をはじめ、SO/WTB篠崎虎太郎(昌平)、CTB伊藤航汰(仙台育英)と川尻圭人(茗溪学園)ら花園経験組が加わった。

攻守にはつらつと動く中大HOの光安(撮影・朝日新聞社)

下位校にも大型新人

昨年度は1勝しかできず6位と不甲斐ないシーズンだった大東文化大学。春季大会は帝京大には大敗したが、筑波大には競り勝ち、日体大にも大勝して2勝1敗で終えた。再び上位に進出するためにはルーキーの力も欠かせず、19名の新戦力が加わった。

春に先発の座を得たのは青森山田で花園でも活躍したトンガ出身のLO/No.8リサラ・フィナウとCTB/WTBハニテリ・ヴァイレア、さらに身長188cm、体重100kgのLO佐々木柚樹(八戸工)の3人。即戦力として活躍を見せそうだ。他にはFWは秋田中央のキャプテンだったHO嵯峨嗣侃、先輩選手も多く在籍する御所実で活躍したFL蓑洞功志らが入った。バックスでは、ニュージーランドのフィールディング高から加わったSO/CTB矢澤野峰、鹿児島実でキャプテンを務めたSO山下毅、中部大春日丘の中盤を引っ張ったCTB神田永遠、WTB鑓水飛暉也(山形中央)、安藤蓮(中部大春日丘)、原田光貴(石見智翠館)といったランナーも顔をそろえた。

青森山田のフィナウはヴァイレアとともに大東文化大へ

同じく昨年は1勝で7位に終わった関東学院大学だが、付属の関東学院六浦からのSH/SO小川洋生とFL金子駿太の2人を含め40名を超える新人が加入し約140名の大所帯となった。春季大会はCグループを3連勝で終えた。すでにバックスでは佐賀工出身のSH服部莞太、石見智翠館から来たCTB松元陸やCTB山村拓(保善)、FB諸山祐祥(海星)の4人が先発として出場し、CTB由比藤聖(東海大静岡翔洋)がベンチ入りした。他にも秋田工の副キャプテンを務めたFB沢田石智志、桐生第一のSO藤生奨太郎らがポテンシャルの高い選手もいる。

FWでは佐賀工の主将だったFL/No.8内川朝陽を筆頭に、PRでは同じく佐賀工の竹下優作、菅野侑多朗(昌平)、紫藤翔平(熊本西)やLO岡崎翼(四日市工)といった花園出場メンバーもいる。大型LO寺尾壮吾(西陵)やNo.8花田龍紀(東海大福岡)もメンバー争いに加わってくるはずだ。

昨年、大東文化大に勝利したが残りは全敗し最下位に終わった専修大学は春季大会を2連勝で終えた。
新人は23人が加入している。村田亙監督の母校、東福岡からFW第1列の3人が加入しPR木原三四郎はすでに2試合で先発、PR小林洋平もベンチ入りした。LO後田泰貴(長崎北陽台)、FL大西ひろと(日川)、No.8丹治好晴(東海大相模)の3人もポテンシャルは高い。バックスを見ると、高校時代に自チームのアタックをリードしたSH竹森彩仁(仙台育英)、SH宮川博登(大分東明)が加入した。他にも秋田工のキャプテンを務めたCTB川瀬翔太、SO/FB新野翼(石見智翠館)、SO/CTBウェストブルック アレックス(茗溪学園)、FB舟山真斗勇(國學院栃木)ら有名校出身選手が加わっている。

東海大相模の丹治は専修大で飛躍を誓う

いずれにせよ今季のリーグ戦も東海大が引っ張る形は変わらないはずだ。ただ攻撃ラグビーで今年こそ王座奪還を狙う流通経大、力強いFWのスクラム、モールを武器に年々力をつけている日大、若い力が台頭し春から調子を上げている法大、上位復活を狙う大東文化大など、今季も熾烈な上位争いが繰り広げられるだろう。

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