ラグビー

西の王者の京都産業大にポルテレ・北川、近畿大に能瀬ら 期待のルーキー関西大学A

目黒学院のFL/NO8シオネ・ポルテレは京都産業大へ(撮影・すべて斉藤健仁)

5月に入り、東西でラグビーの春季大会、春季トーナメントが本格的に始まった。そこで、関東大学ラグビー対抗戦Aグループ、関東大学ラグビーリーグ戦1部、関西大学ラグビーAリーグの主要3つのリーグの各チームに入った新人選手を紹介していきたい。最後は関西大学ラグビーAリーグの8校だ。

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ロングキック武器、SO吉本が加入

強力なスクラム、モールを武器に昨季は7戦全勝で29季ぶりに関西王者となった京都産業大学。大学選手権でも王者・帝京大学を苦しめたチームには、決して多くはないが21人のルーキーが加わった。

FWには高校代表候補だった身長188cmのLO北川叶羽(朝明)とFL/NO8シオネ・ポルテレ(目黒学院)を筆頭に、第一列にはPR板野春来(京都工学院)、PR/LO栗崎和樹(東海大相模)、PR/HO猿渡翔眞(京都成章)が加入した。

ロングキッカーのSO吉本大悟

またBKには昨季の花園(全国高校ラグビー大会)で司令塔として東海大大阪仰星を優勝に導いた身長182cmの大型SO吉本大悟は、ロングキックを武器としておりチームにフィットするはずだ。他にも京都成章出身のSH/WTB仲井悠真、CTB/WTB倉田渉、WTB/FB小林修市の3人、光泉カトリックのSO尾崎恵大&FB奈須貴大、CTB平山尚樹(東福岡)、WTB相澤俊弥(中部大学春日丘)らが加わり、BKの選手層も厚くなりそうだ。

若い力の台頭欠かせぬ近畿大

昨季、関西で旋風を巻き起こし2位となり、9季年ぶりに大学選手権に出場した近畿大学。昨季は4年生中心のチームだったために、若い力の台頭が欠かせない。23人の新人が加入したが、系列校からはFL堀川智樹(近大付)のみとなった。

身長197cmの近大LO能勢涼太郎

まず武器とするスクラムを支えるFW第1列にはPR弓部智希 (石見智翠館)、PR島本京(東福岡)、PR大下貴志(東海大大阪仰星)、HO金井海琉(中部大春日丘)らが加わった。LOにも無名高校から高校日本代表候補まで上り詰めた身長197cmのLO能勢涼太郎(川西北陵)、LO小西泰誠(石見智翠館)、LO中田悠生(大阪桐蔭)らがおり、バックローにもFL楠大輝(日本航空石川)、FL山添奏楽(石見智翠館)が入った。

BKにはSH李晛(朝明)、CTB坂口翔哉(日本航空石川)、CTB辻響佑(東海大大阪仰星)、WTB川嶋人夢(石見智翠館)らが加入している。

天理大には成長楽しみな42人

昨季は関西6連覇を達成できなかった、一昨季の大学王者の天理大学。今季は一昨季の優勝したチームを見て憧れて、入部した選手も多く42人の新人が加わった。その中でも天理高校からは主将だったFL水流桜花、PR坂本駿哉、CTB谷田親春、FB樋口昇吾ら6人が、天理教校からはNO8藤本善介の1人が加入した。

石見智翠館FB上ノ坊駿介は兄も在籍する天理大へ

FWはPR森仁之輔(東福岡)、PR川端将路(東海大大阪仰星)、HO大塚優悟(報徳学園)、HO稲嶺翔太、FL池田柾士(ともに石見智翠館)、FL大西一平(東福岡)ら強豪校から多数有望な人材が加入し、多くがメンバーに絡んできそうだ。台湾からの留学生で身長193cmのLO華柏沅も入部した。

BKも同様でSO中山敬太、FB上ノ坊駿介(ともに石見智翠館)がすでにメンバー入りしており、SH朝倉達弥(東福岡)、SO小山諒介(東海大大阪仰星)、CTB井上大勝(大阪桐蔭)、CTB木下颯(石見智翠館)らも出場を目指している。ニュージーランドの高校出身のCTBメイソン・リーバーも加入した。

今季、天理大には有望な選手が多く入っただけに、今季の活躍だけでなく、2年後、3年後の成長が大いに楽しみだ。

宮本新監督のもと強化図る同志社大

関西での優勝48回を誇る同志社大学。昨季は4位ながら大学選手権に出場したが3回戦で帝京大学に24-76で敗れてシーズンを終えた。今季からサントリーで活躍したOBの宮本啓希監督が就任し、チームの強化にあたっている。

そんな同志社大には31人が加入し、そのうち4人は同志社高校、2人は同志社香里出身となった。まず花園で東海大大阪仰星の優勝に貢献したSH石田太陽、京都成章を3年間引っ張ったSO大島泰真、突破力に長けたFL/NO8林慶音(大阪桐蔭)の3人はすでにAチームに加わっており、メンバー争いにも絡んできそうだ。

京都成章を3年間引っ張ったSO大島泰真

他にもFWにはPR小川育大(國學院久我山)、PR笛木健太(常翔学園)、PR三輪拓翔(尾道)、HO長島幸汰(京都成章)、LO山﨑暖人(國學院久我山)ら有望な新人が入部した。

BKにはSO 長田壮平(大阪桐蔭)、高校日本代代表候補CTB立川和樹(天理)、CTB/WTB 趙廣來(大阪朝鮮)、CTB/WTB岩本総司(常翔学園)、WTB谷内亮太(京都成章)、セブンズユースアカデミー経験のあるWTB/FB 桃田涼平(報徳学園)とポテンシャルの高い選手が揃う。若い力で新監督を盛り上げて、まずは関西を制覇したい。

立命館大、関西大 ポテンシャルある選手が加入

5位だった昨季も含めて2018年度以来、大学選手権に出場できていない立命館大学。ただ今季は、有望なルーキー27人が加わっており、昨季から就任した鬼束竜太ヘッドコーチの下、上位に進出したいところ。

FWを見ると昨季、U20日本代表候補にも選ばれたPR/HO大本峻士(常翔学園)、すでにAチームで先発出場しているLO榎本匡志(大阪桐蔭)を筆頭に、PR/HO甲斐匠馬(東福岡)、花園準優勝に貢献したPR/HO齋藤健太(國學院栃木)、花園優勝に貢献したPR/HO松本陸来(東海大大阪仰星)、PR/HO吉田篤人(中部大春日丘)、LO鈴木孝昌(流通経済大柏)、FL/NO8小山虎汰朗、FL/NO8山﨑大輝(ともに京都成章)、FL/NO8水野大志(東海大大阪仰星)ら強豪校から多くの選手が加わった。

立命館大に進学したWTB御池蓮二

BKを見ると、すでにAチームで先発出場した、花園で優勝した東海大大阪仰星のエースWTB御池蓮二、SH堀陽人(中部大春日丘)らを筆頭に、CTB中村颯汰(大阪桐蔭)、CTB藤原洋斗(京都成章)、CTB岸澤康成(熊谷)、WTB武田幸大(東福岡)、WTB五十嵐太一(桐蔭学園)、WTB石野慎之助(國學院栃木)、FB箕部央一(茗溪学園)らポテンシャルある選手がそろった。今季の立命館大学はルーキーの出来が鍵を握りそうだ。

2020年にAリーグに再昇格し、昨季は2勝し6位だった関西大学。今季は24人の心強い新人が加わった。そのうちPR福井鼓生、FL谷口永輝、CTB藤澤蓮ら7人が大阪の強豪校である関大北陽出身者で、関大第一からはNO8市野泰誠のみの加入となった。

他にもFWには花園で優勝した東海大大阪仰星のLO奥平一磨呂を筆頭に、PR坂井大斗(天理)、PR平尾啓太(大阪桐蔭)、HO山本真士(石見智翠館)、LO佐野利樹(東福岡)、LO中村豪(常翔学園)、FL堂免海斗(尾道)、FL山鹿楓太(光泉カトリック)らが入部した。

東福岡のエース的存在だったWTB遠藤亮真

BKは東福岡でエース的存在だったWTB遠藤亮真を筆頭に、SH榊和馬(國學院久我山)、SO﨑田士人(石見智翠館)、CTB神戸逸玖(東海大大阪仰星)、CTB浦颯太(光泉カトリック)、WTB松下英太郎(尾道)、FB北田岳(常翔学園)らが1年生からAチームでの出場を狙っている。

摂南大、関西学院大にも力ある選手

男子7人制日本代表を率いた瀬川智広監督が就任し、着実に力をつけている摂南大学。計27人が入部し、今季はCTBジョシュア・ナレヴェア 、WTBカストン・マイケルズとBKに2人の留学生が加わった。

FWはPR山下幹太(天理)、PR栗原将之(報徳学園)、HO/LO秋本一喜(京都工学院)、LO/PR八杉拓輝 (東海大大阪仰星)、LO/FL金森敦士、FL谷井椋亮(常翔学園)らが加わった。

BKにはSH本村匠人(日本航空石川)、SO村上剛琉(京都成章)、WTB寺西秀騎、FB佐藤圭悟(ともに東海大大阪仰星)、WTB郡司啓輝 1(青森山田)らが入った。

コロナ禍の影響で練習時間が思うように取れず、一昨季は4位、昨季は8位と最下位に沈んだが、入れ替え戦で勝利し残留した関西学院大学。今季は23人入部した新人の力も借りながら、上位進出を狙いたい。

高大連携で強化する大学の1つだが関西学院高等部から今季はSH松田詩悠、WTB立巳竜の介、FB/WTB武藤航生の3人が加わった。

他にもFWを見るとスクラムの強かった石見智翠館PR池田蒼威、東福岡で先発だったHO赤星泰成を筆頭にFL中田偲響(東海大大阪仰星)、FL吉長慶次朗(大阪桐蔭)、LO/NO8南川祐大、NO8/CTB小林 典大、NO8/WTB山本皓三郎(いずれも京都成章)らと力のある選手が加わった。

花園決勝でも活躍した東海大大阪仰星のCTB中俊一朗は関西学院大へ

BKには東海大大阪仰星の優勝に貢献したWTB/CTB中俊一朗を筆頭に、SH川原大(大分舞鶴)、SH/WTB的場天飛(石見智翠館)、CTB/WTB金正優作(天理)、WTB原田海人(御所実業)、WTB/FB乾一輝(大阪桐蔭)、WTB/FB田中暉真(京都成章)が入部している。

近年、近畿の強豪高校や関西出身の選手の中には、関東の大学ではなく、関西の大学でプレーする選手も増えてきている。各大学で強化が進む中、やはり、ルーキーの活躍が上位進出には欠かせない。

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