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早稲田大・菊地実蘭 高い得点能力誇るスコアラー、オフェンスは「自分らしく」貫く 

新人戦でチームの要となった早稲田大学の菊地実蘭(すべて撮影・中西真雪)

6月9日に幕を閉じた第14回関東大学女子バスケットボール新人戦で、早稲田大学は5位に入り、7月に行われる第2回全日本大学バスケットボール新人戦(新人インカレ)への出場を決めた。高い得点力で40分フル出場することも多かったチームの要が、菊地実蘭(2年、桜花学園)だ。

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内容に反省は残るが、成長も見られた新人戦

優勝候補として名が挙がることもあった今大会。3戦目で同じ1部リーグに所属し、昨年の全日本インカレ3位の拓殖大学を100-64と圧倒的な点差で下し、その後も順当に勝ち上がった。準々決勝の白鷗大学戦は、なかなか自分たちのバスケットを展開できず、苦しい試合に。66-70で競り負け、5位以下の順位決定戦に回ることになった。

最終日に行われた立教大学との5位決定戦。第1Qから菊地の3ポイントが3本決まり、エンドラインぎりぎりを切り込んでのバスケットカウントも獲得した。前半で9点差をつけて折り返すと、第3Qでも15点差までリードを広げた。しかし第4Q中盤から立教大学、途中出場の清水瑠奈(1年、下妻第一)が立て続けにドライブを仕掛け、残り3分7秒で6点差まで詰め寄られた。試合終了まで1分を切り、菊地のリバウンドから池田朱李(2年、久喜)がドライブ、落ちたボールを拾った菊地がゴール下を決め切るなどして、最終的に90-80で早稲田大学が勝利を収めた。

5位決定戦、菊地は第1Qから3本の3ポイントを決めた

苦しい場面では、おのずと菊地にボールが回ってくることが多かった。

「今日はオフェンスもディフェンスも早稲田のバスケができなかった。第4Qで、立教さんの方はシュートもよく決まって、リバウンドも取られちゃってっていうところで、そこで攻める気持ちがなくなってしまったところが良くなかった。1点でも多く取って安心できる点差まで持っていきたかったんですが、あまりうまく点を取れなかった。苦しい時間帯こそ、もっと攻める気持ちを持ってやらなければいけないですね」

大西真由監督も「立教さんのバスケはパスをつないで、ダイブして人を寄せて、逆サイドに振るっていうシステマチックなバスケットなので、それが分かっている中で、やられ続けてしまったのが反省点。あまり良い内容ではなかったですね」と試合の内容には満足がいかなかった様子。

しかし「1、2年生なので粗削りな部分もあるんですけど、自分たちの特徴を固定できつつあるかなと。すごく成長しているのは感じました。(部員の)人数が少ないので、普段出られていない選手でも今回は出っぱなしになって、すごく良い経験になったのではないかと思っています」と今後への期待を込めた。

桜花学園時代が「大学でも生きている」

菊地の魅力は3ポイントを中心とした得点能力がありながら、ドライブやリバウンドにも献身的に飛び込めるオールラウンドなスタイルだ。桜花学園高校で3番ポジションと呼ばれるスモールフォワードを担っていたことが、今につながっているという。

「先頭を走ってブレーク(速攻)を出してというところと、3ポイントも打ってましたし、(チームに)センターもいたのでセットプレーで中を狙いながら、外からドライブもできれば。結構セットのチームだったので、セットの動きの中で、オールラウンドにやらせてもらっていました。そこは大学でも生きていると思います」

高校時代にスモールフォワードを担っていた経験が大学でも生きているという

大学では1年生の時からチームの中心メンバーとして活躍し、今年の李相佰盃日・韓大学代表バスケットボール競技大会では代表メンバーとして勝利に貢献した。

しかし大西監督いわく、高校時代はそこまで目立つ選手ではなかったという。

スターティングメンバーに定着したのは、高校3年生の秋ごろからだった。夏のインターハイは控えメンバー。その年の11月に行われた「U18日清食品トップリーグ2022」でU18の日本代表に選ばれていた横山智那美(現・トヨタ自動車)らが欠場する中、出場機会を増やし、ウインターカップではスターティングメンバーとして戦った。

今でこそ、多くの試合でチームハイの得点を獲得する菊地。だが、大会3連覇中だったウインターカップの3回戦。東海大福岡高校に1点差で敗れ、菊地自身は0得点。最後はベンチから試合を見つめた。

「得点力を上げて、100得点を取れるチームを」

早稲田大学を選んだのは「がちがちにセットを組むわけではなく、みんなが1on1とか自由にオールラウンドに攻めている感じがいいなと思って。自分もオフェンスで点を取ることが好きなので、自分らしくプレーできるかな」と思ったからだ。

入学当初はそれまでとスタイルが異なり、苦戦したこともあったが、昨年のリーグ戦や東京都代表で出場した国体で3ポイントが決まるようになり、自信がついたという。

入学当初は苦戦したが、昨年からは3ポイントが決まるようになり自信がついた

「自分の強みは、まず空いたらすぐ3ポイントを打てるところ。高校の時と違って、自主練の時からドリブルからのシュートとか動きの中でのシュートを意識するようになって、その練習が自信にもつながったし、試合でのシュートの確率も上がってきたと思います」と分析する。

直近の目標は新人インカレで日本一を取ること。2年生が中心となる新人チームで「得点力を上げて、100得点を取れるようなチームを作っていきたい」と締めた。

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