ラグビー

京産大・八田優太 徳島の県立高出身、U20代表として敵地でスコットランド撃破狙う

「大学に入ってからスクラムが楽しくなった」と話す八田(スコットランド遠征以外はすべて撮影・斉藤健仁)

「敵地でスコットランドを倒して全勝優勝する」と目標を掲げて、ラグビーU20日本代表はスコットランドで開催されている「ワールドラグビーU20トロフィー」に参戦している。U20世代の2部相当の大会で、8チーム中、優勝チームのみが来年、1部相当の「チャンピオンシップ」に昇格することができる。そんなU20日本代表で、唯一の県立高校出身ながら、身長185cm、115kgの巨体を生かしスクラムを支えている一人が、京都産業大学2年のPR八田優太(徳島・城東高校)だ。

U20代表で1部入りめざし遠征中

4月、サモアで開催された「パシフィックチャレンジ」に続き、自身2度目となる国際大会。八田は「U20代表活動に参加する前と今では、スクラムが変わってきた。超速ラグビーを超える『コスモアタック』をして、スコットランド代表に勝利し、全勝でチャンピオンシップに昇格したい」と強い気持ちを持って臨んでいる。

U20香港代表に105-20で勝利した1戦目ではリザーブ登録されたものの出場はなかったが、続くU20サモア代表戦では先発し81-7の勝利に貢献した。そして、いよいよ7月12日に、大会最大のライバルであるU20スコットランド代表と予選プールで激突する。もし勝利すれば18日に、もう一つの予選プール(U20ウルグアイ、オランダ、ケニア、アメリカ)の最上位チームと決勝で対戦する。

7月7日に行われたU20サモア代表戦に先発した八田(C)JRFU

大学での定位置獲得の前にU20代表入り

関西リーグで3連覇、そして大学選手権で3年連続ベスト4の強豪・京都産業大は、大学界随一の練習量と、スクラムの強さに定評がある。昨季入学した八田は、PR川口新太(4年、東海大大阪仰星)、西崎海人(4年、報徳学園)ら先輩の前に、昨季は1試合も公式戦に出場できず悔しい1年を過ごした。

6月には日本代表と一緒に試合形式の練習も行った

しかし、元日本代表の田倉政憲コーチらの指導の下、スクラムの姿勢で大きなタイヤを15m往復で押す練習などを重ねた。「高校はルールが(大学と)違うので、あまりスクラムが重要ではなかった。大学はスクラムで試合が左右されますし、スクラムが楽しくなったのは大学に入ってからですね」と笑顔を見せる。

大学で着実に成長を遂げていた八田を、廣瀬佳司監督は放っておかず、U20日本代表の大久保直弥ヘッドコーチ(HC)に推薦した。そして関西で行われたセレクションの末、八田はU20日本代表候補に選出。「素直にうれしかった!」と振り返る。

U20代表の大久保HC

ジョーンズHCの薫陶を受け、視線は海外に

今季のU20日本代表は、「打倒・スコットランド」を掲げて例年より早くスタートした。特にFWは、2月からリーグワンのチームとセットプレーに特化した合宿を繰り返し、合間にフィジカルトレーニング、そして「ポークタイム」という豚肉を食べる時間を作ってフィジカル強化、体重アップに努めた。「体重は3kgくらい増えました。リーグワンの選手たちは、スクラムごとに毎回話し合っていて、いろいろ変えながらやっていたので勉強になった。自分たちも相手によって組み方を変えていきたい」

その成果が出たのが、4月にサモアで開催された「パシフィックチャレンジ」だった。大学4年生のオーバーエージ選手も3人招集されたが、中軸はU20日本代表メンバーだった。フィジー、サモア、トンガの、代表に準じるチーム相手に3連勝し、2020年以来の優勝を果たした。初めて桜のエンブレムをつけて戦ったPR八田も「海外の選手にパワー勝負で負けずに戦えて、自信になった」と手応えを口にしていた。

ジャパンタレントスコッドでジョーンズHCの指導を受ける八田(左)

日本代表のエディー・ジョーンズHCは、そんな八田を期待の若手の一人として名指しし、将来日本代表になる可能性を持った大学生を育成する「JAPAN TALENT SQUADプログラム」に招集した。

世界的名将には「まず世界一の3番を知って、その選手を目標にして、勝てるようにしよう」とアドバイスされた。八田は同じポジションの国際的な選手は元日本代表のPR具智元(神戸スティーラーズ)しか知らなかったが、現在はアイルランド代表で世界有数の右PR、タイグ・ファーロングが目標となった。

選手らに話しかけるジョーンズHC

高校時代に将来の日本代表を意識

八田は徳島空港のある徳島県板野郡松茂町出身。鳴門ラグビースクールが練習している場所が家の近くにあり、「周りより身体が大きかったので、気づいたら(スクールに)入っていました」と、幼稚園の年長頃から競技を始めた。空手や水泳など他のスポーツをかじったこともあったが、ラグビーはずっと続けていた。その頃のポジションは、たまにPRもやっていたが、LOが主戦場だった。

高校は徳島のラグビー強豪校・城東高校に進学した。途中、自転車に乗ったまま渡し船に乗り、25~30分かけて通っていた。城東高校に入ると右PRに専念し、伊達圭太監督やコーチに「『日本代表を目指せ』と言われるようになったので、そうしてみたい」と、漠然と思うようになった。花園は3年連続出場したものの2回戦進出がやっとで、高校日本代表には選ばれなかった。だが身体は、高校入学時88kgだった体重が107kgと、プロップらしく成長。大学は「もっとスクラムを学びたかった」と京都産業大に進学した。

日本代表のエディー・ジョーンズHC

スコットランドを撃破し、大学でもレギュラーを

この半年U20日本代表活動に参加してみて、「将来は日本代表になりたい!」と改めて強く思ったという。自らの強みを聞かれ「ボールキャリー、そしてスクラムです」と力強く言い切る。

大学ではまだ公式戦出場0分だが、国際舞台で大きく成長を遂げている八田。U20スコットランド代表を撃破し、そしてチャンピオンシップ昇格に貢献したいところだ。そしその勢いのまま京都産業大でも3番争いに加わり、今季こそ赤紺のジャージーに袖を通して公式戦に出場し、関西4連覇、そして初の大学日本一へとチャレンジしたい。

今季こそ先輩に勝って赤紺のジャージーを着れるか

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