ラグビー

特集:縦と横のコントラスト 第100回早明戦

明治大・福田大晟 早明戦「一個一個のプレーを大事に」セットプレーに見える成長

明治大でFWリーダーを務める福田大晟。コミュニケーションを大切にしてFWをまとめる(すべて撮影・明大スポーツ新聞部)

12月1日、伝統の一戦・早明戦が行われる。昨年度は58-38と明大が歴代最多得点をたたき出し快勝を収めたものの、通算では明治大学が42勝55敗2分けと負け越している。そして迎える今年度は記念すべき100回大会。対抗戦全勝で駒を進めた早稲田大学を相手に、セットプレーのクオリティーは必ずや肝になるだろう。今年度、明大のFWリーダーを務める福田大晟(4年、中部大春日丘)に、明大での4年間の思いと早明戦への意気込みを伺った。

縦と横のコントラスト 第100回早明戦

「FWリーダーになってコミュニケーションが増えた

―4年間で一番印象に残っている試合を教えてください。

昨年の(全国大学選手権の)決勝です。1年生の時に初めて明治で決勝に行ったんですけど、僕は出ていなくて、僕自身は昨年が初めて決勝の舞台でした。高校の時の県大会ぐらいしかなかったので。結構プレッシャーはすごかったです。天候もあったんですけど、あれは完敗でした。

―上級生になって変わったことは何ですか?

特に変わったことはないです。気持ちの中では、いつも通りラグビーしているかなって感じですね。3年生の時は、気軽に下級生でもなく4年生でもなく、一番いいポジションでやらせてもらっていました。4年生になって終わりに近づいていくのはちょっと悲しいです。

―今年の代の特徴は?

バランスがいいと思います。FWもBKもすごくうまいですし、FWは春に結構課題があったんですけど、徐々にクリアしてきて、みんな成長していると思うので、本当にどこからでも攻められると思います。

―FWリーダーを務めて変わったことは?

僕はリーダー系ではないと思っているんですけど、1年生、2年生、3年生の頃に比べると、しゃべる量は増えたと思いますね。3年生までは全くしゃべらなかったのですが、リーダーとして、しゃべらないといけないですし。高校の時もキャプテンをやっていたんですけど、明治に入って、周りがすごい選手だらけだったので、そんなしゃべる機会もないなって思っていました。でも今回、FWリーダーをやらせてもらって、しゃべる量が増えたなと思います。

―具体的にはどのようなことですか?

練習で意識すること、メンタルの部分は大士郎(木戸、4年、常翔学園)が言うので、自分はどこを意識するかなどをたまに言っています。スクラムとラインアウトもあるんですけど、フッカーとロックが中心じゃないですか。だからちょっと振ったりしています。僕もスクラムは押しますけど、中心になるのはプロップ、フッカーだと思うし、ラインアウトもロックですし、僕は飛ばないので。そういうのは振ったりして、うまくやっていますね。

―スクラムでこだわっている部分を教えてください。

明治は8人で組むっていうのをすごく意識していて、一人一人じゃなくて、8人まとまって組むっていうのを春から。春からというか、僕たちが1年生の時から意識しているので、そこをずっとやっています。

自分はリーダー系ではないと思いながらも、しゃべる量を増やしてFWリーダーを務めている

―今シーズン、明大が成長した部分はどんなところですか?

全部ですけど、FWでいったら本当にセットプレーの部分では、すごく春に比べて成長しました。あと、チーム全体ではブレークダウンのところのみんなのハードワークさですかね。キックの後のチェイスやダッシュだったり、プレッシャーだったりというのはすごくレベルアップしましたし、そこは本当に気持ちの部分だと思うので、マインドの部分も強くなったと思います。

「ミスをせずにスクラムで仕掛けたい」

―今年の早大の印象はどうですか?

めっちゃ強いと思います。春は結構ボコボコにやられたので、強いっていう印象しかないです。厳しい戦いになると思うんですけど、いけると思います。

―特に警戒している人は?

日本代表として出ている佐藤(健次主将、4年、桐蔭学園)や矢崎(由高、2年、桐蔭学園)はやっぱり経験値が自分たちと違うと思っていて、経験が僕たちより1個上に出ると思っています。たぶんジャパンに入っていた選手に頼ってしまう部分はあると思うので、そこの2人をしっかり止められれば、いけるかなと思います。あとはスクラム。春は駆け引きの部分ですごく負けてしまって。ペナルティーも多かったですし、そこは消極的になったので、しっかりこっちも仕掛けたいです。本当に成長しているので問題ないと思います。

―100回大会、率直な気持ちは?

高校の時も、花園が100回大会だったので恵まれているなって。100回ってなるとやっぱりすごいなってなりますね。100回大会ってことで、明治と早稲田のファンからしても貴重な試合だと思うので、感慨深いです。

―早明戦ではどのようなプレーをしたいですか?

練習でしたことをしっかり出したいです。あとはミスをせずに、一個一個のプレーを大事にして、80分間、同じことをやり続けられたらいいなと思います。

早明戦では「一個一個のプレーを大事に」と意識して挑む

―大学卒業後はこの4年間をどのように生かしていきたいですか?

ラグビーは、がむしゃらに頑張りたいです。また1年生みたいな感じになるので、自分はできるだけ一日中、全力を出して頑張りたいです。寮生活ではしっかり常識的なことに取り組み、できるだけ先輩とコミュニケーションを取りたいです。

―ありがとうございました!

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