神奈川大・庄子雄大 ホークスで新人唯一のキャンプA組、慣れない環境で奮闘する日々
福岡ソフトバンクホークス2024年ドラフト指名一覧(支配下)
1位 村上泰斗(投手・神戸弘陵学園高校)
2位 庄子雄大(内野手・神奈川大学)
3位 安德駿(投手・富士大学)
4位 宇野真仁朗(内野手・早稲田実業高校)
5位 石見颯真(内野手・愛知工業大学名電高校)
6位 岩崎峻典(投手・東洋大学)
プロ野球福岡ソフトバンクホークスの春季キャンプ(宮崎市、2月1日~3月2日)に新人で唯一、A組(1軍)入りをした選手がいる。昨秋のドラフト会議で2位指名を受けた神奈川大学の庄子雄大(4年、横浜)だ。慣れない環境で奮闘する日々。しかし、熱心に指導してくれるコーチや温かい先輩に助けられ、「すごい足も動いていますし、いいアピールができていると思います」と自信を深めている。
本多雄一コーチに鍛えられる守備と走塁
2月3日の午後。キャンプ3日目を迎えた走塁練習中に本多雄一・1軍内野守備走塁コーチに呼ばれ、話し込む姿が見られた。球団OBの本多コーチといえば、現役時代は俊足巧打が売りだった。2010年に59盗塁、翌11年に60盗塁をマークし、2年連続で盗塁王に輝いた。
庄子も同じようなタイプの選手と言えるだろう。大学では1年秋から遊撃手のレギュラーをつかんだ。大学通算盗塁数は54。さらに神奈川大学リーグの新記録となる通算116安打を放った。本多コーチとは前日の2日にも、特守をしてもらったり、ロングティーの練習でアドバイスを受けたり。みっちりと、プロとしての心得をたたき込まれている。庄子は「(本多コーチに)捕球や投げることは現段階でいいという風に言っていただいた」とした上で、「もう少し1歩目だったり、打球に対しての入りだったりを速くできるといいねと言われました」と課題を与えられたという。
大先輩・柳田悠岐が見せた気遣いに感謝
グラウンド外では、チームの顔であるベテランの柳田悠岐へ感謝したエピソードも明かした。宮崎入りした1月31日のことだ。宿舎で1人で夕食を食べていた庄子に対し、柳田から「さみしいやろ。こっちこい」と声をかけられ、笹川吉康、緒方理貢ら計4人でテーブルを囲んで食事をしたという。「自分は新人で1人だけA組。そうやって先輩が声をかけてくれるのはありがたいですし、すごくやりやすい環境を作ってくださっているなと思いました」と笑顔を見せた。
柳田には驚かされたことがある。腕だ。「すごいというか、長年活躍されている選手の体つきというのを見て、自分は少しタイプが違うかもしれないですけど、ああいう体つきをしないと、やっぱケガにもつながる。これからしっかり体作りを含めてやっていきたい」と大先輩からもプロ野球選手として大切なことを学んだ。
目標は盗塁王、大きな壁を越えるために
昨年12月にあった新入団選手発表会見では多くのファンが見守る中、目標として色紙に「盗塁王」と書いた。チーム内には越えなければいけない大きな壁がある。昨季、2年連続3度目の盗塁王になった周東佑京だ。庄子は「まだまだそこまで自分が同じレベルにいけていない。まずは1軍で出場機会を得るというところがスタートライン」としつつ、〝足自慢〟としてのプライドものぞかせた。「尊敬する先輩でありつつ、自分が目標としている盗塁王をとるためには勝たないといけないライバル」
2月3日時点ではファン対応や休日の過ごし方について尋ねたというが、盗塁や走塁の技術的な部分はまだ聞けていない。「聞ける機会があれば、自分から積極的に聞きにいきたい」
キャンプ初日は「気疲れしている」と苦笑いを浮かべていたが、日を追うごとに緊張もほぐれてきた。これから実戦も始まり、1軍の生き残りをかけた競争が本格化する。キャンプのテーマは明確だ。「まずはケガをしないということを第一優先にしつつ、1カ月A組でキャンプを完走するというところが目標です」。〝鷹の韋駄天〟として、リーグ連覇を見据えるチームで戦力になる準備を進める。