東洋大エース坂元、インカレ出場へ正念場
東洋大にとって、勝てば創部初のインカレ出場が決まる一戦。上位の法大に挑んだ。
全員攻撃でもゴールをこじ開けられず
東洋大は法大の前線からのコンパクトな守備を崩せず、自分たちのペースをつかめない時間が長く続いた。しかし前半19分、網をかいくぐって左サイドに展開すると、MF野本幸太(2年、市船橋)がゴール前へクロス。これにMF坂元達裕(4年、前橋育英)が頭から飛び込むも、GKの体に当たって枠を外れた。41分には、相手のミスをついてMF高橋宏季(4年、FC東京U-18)が前を走るFW松崎快(3年、大宮ユース)へスルーパス。GKと1対1の場面を作り出すも、左足のシュートは詰めてきたGKの体に当たってしまう。
後半は30分まで法大ペースで試合が進むが得点は許さず、攻撃へとつなげた。33分、東洋大が仕かけた。全員が敵陣サイドに入り、分厚い攻撃。左サイドの深いところから野本がクロスを放り込むと、ファーサイドで待っていた高橋が強烈なヘディングで合わせる。しかし、これもGKにブロックされ、ゴールネットを揺らすことはできなかった。最後まで決定機を生かせず、0-0のまま終了のホイッスルが鳴った。
歴史に挑む東洋の星
坂元はこの試合でも、巧みなボールコントロールで右から攻撃を組み立てた。すでに来シーズンからJ2モンテディオ山形への加入が内定している、誰もが認める東洋大のエースだ。前橋育英高時代には3年のときに全国高校選手権準優勝の原動力となり、東洋大でも1年のときから出場を果たし、着実に成長を続けてきた。今シーズンから10番を背負い、チームトップの7ゴールを挙げている。この試合では、前橋育英高時代の同僚である法政のFW青柳燎汰(4年)と対戦。「燎汰は自分の代のエースストライカー」と坂元もその実力を認めており、DF陣に注意するように話した。勝敗はつかなかったが、久しぶりの旧友との対戦に「一緒にやれて楽しかった」と満足気な表情だった。
この日の結果を受け、インカレ出場の最後の1枠を争うのは東洋大、流経大、専大の3校に絞られた。東洋大は次節の国士大に勝利すれば、自力でのインカレ出場が決定。引き分けや負けた場合でも、流経大、専大の結果によっては出場が決まる。
4年の坂元にとって大学サッカーの終わりが近づく。「個人としてはまだ何も残せてない」と、直近2試合で得点がない悔しさをにじませていた。スコアレスドローが2試合続いた。インカレ出場の切符をつかみ取り、東洋大サッカー部の新たな歴史を刻むことが、坂元にとって大学最後のミッションとなる。いまこそエースのゴールが必要だ。