バレー

特集:全日本バレー大学選手権2018

6年ぶりVへ、吹き荒れろ筑波旋風

攻守の要としてチームをけん引する主将の樋口(中央奥)

インカレが11月27日に開幕する。男子筑波大は昨年のインカレで、大会3連覇中の絶対王者・中大を破る大健闘だった。しかし決勝では早大にストレート負けし、準優勝に終わった。今年こそ6年ぶりの優勝を目指す。

関東大学リーグでは春、秋ともに8勝3敗とまずまずの成績を残した。春の2位に対し、秋は3位と順位を落としたが、秋の最終戦では優勝をかけた早大との直接対決で熱戦を演じた。秋山央監督は「シーズンを通してチームの成熟度があまり高くなかった。とくに、秋リーグ終盤は絶不調に陥り、不安定な戦いが続いた。それでも、いまはインカレに向けて戦い方が完成しつつある」と語る。

筑波大は粘り強く相手の攻撃を受け止め、カウンターで得点をしてきた。全員がボールをつなぐ意識を強く持ち、相手の一瞬の隙を突いて、攻撃をしかける。中でも主将の樋口祐希(4年、県立高崎)は、ミドルブロッカーとして活躍。身長191cmの恵まれた体格を生かしたブロックや強烈なスパイクが持ち味だ。1年の春には新人賞に選ばれ、そこからずっと存在感を示してきた。今春には敢闘賞を獲得。「リベロと交代するので、コートに半分しかいられない。コート外でも選手を励ますことを意識してきました」と樋口は言う。

「絶対的エース」小澤(左)のスパイクは筑波大を勝利に導けるか

サイドアタッカーの両エース、小澤宙輝(3年、甲府工) と坂下純也(2年、駿台学園)にも注目してほしい。小澤は筑波大の絶対的エースとして君臨。春はサーブの的にされ、アタックに出遅れた。相手ブロックに警戒され、スパイクを決めきれないことも増えた。だが、常に追い込まれた状況を想定して練習したことで、秋はスパイクが決まった。「いまは更に調子が上がってます」と自信をのぞかせる。一方の坂下は機動力があり、レシーブ後にも速いトスを打てる。「自分の武器はレシーブ。しっかりと守ることで、小澤の攻撃につなげたい」と、自分の役割を自覚している。

昨年のインカレ決勝や今年の秋リーグ最終戦などの大一番で、ミスから失点を重ねてしまうのがチームの課題だ。全員でミスをカバーし、勝利に導けるかが鍵となる。小澤と坂下は「4年生のために戦いたい」と口を揃える。インカレではシーズン一度も勝てていない早大や中大に、決勝の舞台でリベンジを狙う。筑波大らしさを出して頂点に。彼らの挑戦が始まる。

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