ラクロス

特集:第10回ラクロス全日本大学選手権

関西の意地 関学ファミリーでつかんだV

関西の意地 関学ファミリーでつかんだV
関学が学生日本一に

全日本大学選手権 女子決勝

11月25日@東京・駒沢オリンピック公園総合運動場陸上競技場
関西学院大 5-2 慶應義塾大

スピードの慶應と1on1(1対1)に自信をもつフィジカルの関学。関学が東京に乗り込んでの決勝は、序盤、両チームのディフェンスの奮闘もあり膠着状態で始まった。

先制した関学、追う慶應

先制点は前半12分、関学のAT(アタッカー)吉岡奈緒(4年、京都外大西)がファウルを受けた後のフリーポジションからだった。19分にはMF中山愛友(3年、千里)のショットで追加点。慶應もAT西村沙和子(4年、慶應女子)のダイナミックな走りから得点のチャンスを狙うが、攻めきれない。2-0と関学リードで試合を折り返す。

後半1分、慶應のAT吉岡美波(4年、大妻多摩)が待望の初得点をあげた。関東リーグ決勝の青学戦でもサドンビクトリーで得点を決めたアタックだ。ここから慶應が波に乗るか、と思われた直後だった。関学のMF喜田絢子(3年、豊中)とAT我妻彩里(3年、加古川北)のショットが立て続けに決まり4-1に。慶應はMF友岡阿美(4年、慶應女子)、AT伊藤香奈(同、同)、AT西村を中心に攻めるが、関学が積極的なディフェンスで相手のボールを落としていく。

関学ラクロス_2
喜田(左)の得点に関学が沸く

それでも15分、ゴール前でフリーになった石田百伽(4年、慶應女子)が落ち着いて決めて2点差に迫る。関学主将のMF長村由紀乃(4年、啓明学院)は「常に強気で攻め続けよう」と試合前にチームメイトと確認していたが、残り時間を考えて守りに入り足が止まってしまったのか。ゴール前にぽっかりスペースが生まれて許した得点だった。

ここで気持ちが切れないのが、関学の強さだ。残り10分弱。もし慶應が1点差に迫ったらきっと流れは慶應に傾いただろう。次の1点が勝敗を左右する。決めたのは関学のMF吉田陽(3年、豊中)だった。関学のG(ゴーリー)徳山未怜(4年、プール学院)も気合のセーブを連発。そのまま5-2で関学が勝ちきった。

関学ラクロス_3
慶應の猛反撃に関学は最後まで必死で食らいついた

「みんな大好きや!」

長村は試合直後、過呼吸になりそうなくらい泣いた。応援席の前に並ぶと、もっと泣いた。みんなが泣いた。気持ちのこもった勝者の涙だ。関学にとってはアウェーだが、応援席にはベンチに入れないメンバーもふくめ、慶應に引けを取らないほど多くの人が駆けつけた。応援の声が響いた。フィールドのメンバーにとってその声は心強かった。関学ファミリーでつかんだ学生日本一。関西のチームにとって、関東のチームに勝つことは特別だ。直前にあった男子の決勝では、京大が早大に敗れた。心のどこかで関西のプライドもあっただろう。

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試合後、長村が大きな声で気持ちをぶつけた

長村は「私たちは泥臭く、どんな一球にもこだわる。執念でボールを取りにいきます」と、泥臭さをアピールする。「このチームは去年関西で負けた悔しさも持ってるし、それぞれが個人的に抱える悔しさも持ってます。そこを踏ん張って成長してきた。そういうところも原動力です」。だからこそフィジカルトレーニングにもこだわり、絶対に当たり負けしない身体をつくる。そこには自信をもっている。声も出す。とくに東京に乗り込んでの決勝戦。試合前のアップのときも、試合中も、いつも以上に声が出ていた。どんなチームも取材をすると応援したくなるが、このチームにはとくに心が惹かれる。長村の、ただただ心の込もった言葉が印象に残る。「ほんまにうれしい! みんなありがとう! みんな大好きや!」

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